
国民宿舎は2006年に閉館。跡地を所有する市が24年、民間活用する事業者を募集した。佐藤さんが代表理事を務め、地元住民らと構成する「佐藤雅彦教育文化財団」は活用方法を市に提案し、市は優先交渉者として選んだ。
財団は市から賃借する平面部約980平方メートルの敷地に映像作品や番組関連資料を展示する。カフェやショップも併設するミュージアムを建設し、宿泊施設や無料の地域住民交流ゾーンの設置も予定する。29年ごろの完成を目指す。
佐藤さんは旧国民宿舎が1965年のマリアナ海域漁船遭難事故遺族救済のために設置された経緯に触れて「当時は希望の光だった」とし、「戸田に新たな光をともす施設にしたい。子どもたちが『考え方を考える』場所になれば」と語った。頼重秀一市長は「富士山を望む絶景の地。夢の実現に共に歩みたい」と期待した。
佐藤さんは沼津東高から東大卒業後、広告代理店の電通でCMプランナーとして活躍。NECの「バザールでござーる」などを手がけた。慶応大や東京芸大の教授も務めた。