まだ長いシーズンの序盤であり、現在の順位だけで今後を占うことはできない。それでも実戦を3試合重ねたことで、各クラブが準備してきたものの成果と、今後に向けて改善すべきポイントも見え始めた。開幕3試合から、それぞれの現在地を探っていく。
清水――開幕勝利から2連敗。問われる「ゴールまでのプロセス」
現在、県勢で唯一のJ1である清水はアウェーの名古屋グランパス戦を1-0で制し、白星スタートを切った。38分に北川航也が決勝点。ボール保持率34%と押し込まれる時間も長かったが、それでも14本のシュートを放ち、敵地から勝点3を持ち帰った。
しかし、その後は横浜F・マリノス、セレッソ大阪に連敗。開幕戦で北川が決めて以降は2試合連続無得点となり、3試合1得点という数字には課題が残る。
マリノス戦はシュート10本を放ちながら0-1。
セレッソ戦では、単純な「決定力不足」だけでは片付けられない問題も見えた。前半から相手の圧力を受けて寄せ切れず、マイボールになってからもイージーなロストが目立つ。攻撃する時間そのものを十分に作れず、クロスを入れてもゴール前で相手を外す動きが少なかった。

吉田孝行監督も、前へ仕掛けた結果としてのミスではなく、何も起きていない状況でボールを失ってしまうことや、クロスに対するゴール前の動きを課題として捉えている。
もちろん、名古屋戦ではJ1のアウェーで勝ち切る力をすでに示した。だからこそ必要なのは「決定力」という一言で済ませず、ボールを失わずに前進し、ゴール前へ人数を送り込み、相手を動かしてフィニッシュするところまでを改善すること。J1で継続的に得点を生み出すプロセスを構築できるかが、清水の次なるテーマになる。
磐田――2試合の試行錯誤を経て、「This is フットボール」へ
J2優勝を目指す磐田は1勝1分1敗。結果だけを見れば順調なスタートとは言い難いが、3試合を一本の線で見ると、秋葉忠宏監督が目指すチームの輪郭は徐々に鮮明になってきた。
秋田との開幕戦は開始早々に太田龍之介が先制しながら1-1。相手のロングボール主体の戦いに付き合う形となり、本来発揮したい技術やアイデア、判断力を十分に出せなかった。一方、最後までファイトし続けるメンタリティーには変化も見えた。磐田は17本のシュートを放ちながら追加点を奪えなかった。
第2節の横浜FC戦は1-3。ダニーロのプレーで与えられたPKや、藤原健介の直接FKがノーゴールとなった場面など、磐田にとってフラストレーションの残る判定もあった。ただ、秋葉監督は矢印を外へ向けず、前半に圧力を掛けられなかった自分たちを問題視した。実際、前半のシュート数は横浜FC9本、磐田4本。後半に入って前への姿勢を取り戻したものの、追いつくには至らなかった。
そして徳島ヴォルティス戦で、ようやく点と点がつながった。
乾貴士を中心に前線から守備のスイッチを入れ、チーム全体が連動して圧力を掛ける。攻撃でも良い距離感を保ちながらボールを前進させ、90+2分に井上潮音のFKから太田が決勝点を奪った。

秋葉監督が試合後に発した「This is フットボール」という言葉が象徴的だった。秋田戦で見えた戦う姿勢、横浜FC戦の後半で取り戻した前への圧力。それらにボールを持った際の前進と崩しが加わり、3試合目にしてようやく「秋葉ジュビロ」が形になった。
あとはこれを一過性にしないこと。徳島戦のパフォーマンスを今後の基準にできるかが、昇格争いへ向かう磐田のポイントになる。
藤枝――2勝1敗の好発進。「対策される側」になってからが勝負
最も結果を残したのは藤枝だ。開幕戦では昇格候補のベガルタ仙台を2-0で撃破。続くいわきFC戦にも3-1で勝利し、開幕2連勝を飾った。槙野監督が百年構想リーグから半年間かけて強化してきた走力と球際の強度は、今季もチームの土台になっている。一方で、単純に強度だけで勝っているわけでもない。
仙台戦ではボール保持率39%ながら2-0で勝ち切り、前半のCKから鈴木翔太が先制。後半には流れの中から金本毅騎が追加点を奪った。いわき戦でも相手にボールを持たれながら3得点。セットプレーを武器にしながら、それだけに依存しない得点パターンを見せている。

だからこそ、第3節のアルビレックス新潟戦は現在地を測る興味深いゲームになった。
今季初のアウェーで、相手は昇格候補の新潟。藤枝は前半を0-0でしのぎ、後半にスピードを持つ選手を投入するプランを準備していたが、82分にシマブク・カズヨシに決められて0-1。シュート数は新潟7本、藤枝6本と大差はなかったものの、藤枝の枠内シュートは1本にとどまった。
槙野監督が振り返ったように、ホーム2連戦とは異なる雰囲気の中で普段の力を十分に出せなかったことに加え、新潟から藤枝の特徴を対策されたことも今後への材料になる。
2勝1敗の5位は十分な好スタートだ。百年構想リーグから積み上げてきたものがJ2でも通用することは示している。

その上で、これからは相手の警戒も強まる。ホームの勢いを借りられない試合でも勝点を持ち帰り、自分たちの強みを消されたときに別の方法で相手を上回れるか。「対策される側」になった先で出せる次の一手が、藤枝が本格的に上位へ食い込んでいくための鍵になりそうだ。










































































