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  • 2025/01/08

兄弟姉妹の有無で性格は本当に変わるのか? 全国調査7400人の自認している性格で比較してみた!

よく長女は●●な性格だ、とか、一人っ子だと××な性格だ、とか、世の中にいろいろな定説がありますよね。確かにそうだよなあと納得する気持ちがある反面、なんだか偏見っぽくて毎度悔しい気分になるのは私だけでしょうか。そこで今回のコラムは兄弟姉妹の有無で本当に性格に傾向はあるのか?ということについて調べてみることにしました!

普段のコラムは静岡市調査を使用しているのですが、今回は全国のJNN系列局が調査しているTBS生活DATAライブラリより、2023年調査の13~69歳7400人によるデータを集計していきたいと思います。

まず、今回ご回答いただいている7400人の属性についてみていきます!回答者の方に兄弟姉妹が何人いるのか、というのをまとめたのがグラフ1です。

グラフ①兄弟姉妹の人数.png

グラフ上の1人は一人っ子(回答者のみ)を指しています。数値を見ていくと、2人と答えた方が49.0%と、2人きょうだいの家庭が多いようです。次いで3人きょうだい、一人っ子という割合となっています。

ではここからは性格について見ていきましょう。本調査では、「ご自身の性格や人柄に当てはまると感じるものをすべてお選びください」という質問があり、全25項目の中から当てはまるものをすべてお選びいただいています。今回は項目数が少し多いので「コレスポンデンス分析」という手法を使ってみました。

「コレスポンデンス分析」とは、簡単に説明すると沢山ある項目と属性の関係を視覚的にわかりやすくしたものです。類似性の高い項目同士が近くにまとまるため、直感的に結果を把握することができます。ただし、コレスポンデンス分析は他の分析よりもサンプルサイズ(回答者人数)が反映されないため注意が必要です。今回はざっくりとした分析のため、傾向値としてご覧ください。

そのコレスポンデンス分析の結果が図1です。

コレスポンデンス分析図.png

きょうだい間でのポジションが×印、自認している性格が◆印です。×と◆の距離が近いほど、関係性が近いということを表しています。縦軸がきょうだい間での年齢的立ち位置、横軸が性別と解釈できそうです。

まず各×印について見てみましょう。「女性一番上」は右上のブロックに1つだけ独立して位置しています。「男性一番上」と「男性中間子」は左上、「男性一人っ子」と「男性末子」は左下、「女性一人っ子」と「女性中間子」は中央寄りの右下、少し離れた右下に「女性末子」とあります。「男性一番上」と「男性中間子」、「男性一人っ子」と「男性末子」、「女性一人っ子」「女性中間子」「女性末子」はそれぞれ似ている傾向があると言えそうです。

ではそれぞれの性格を見ていきます。

●女性一番上について
女性一番上は他の属性よりも特徴的です。「辛抱強い」「友達は多いほう」「せっかちなほう」「よくほろりとするほう」の項目が強く出ました。「友達が多い」「ほろりとする」という項目を見ると、人情に厚い傾向がある人が多そうです。また、「辛抱強い」という項目が最も近くなっており、よく言われる「長女は我慢強い」という定説は正しいのでは……と考えられそうです。

●女性一人っ子・女性中間子・女性末子について
この3属性は傾向が近い結果となり、「引っ込み思案のほう」「場を読む・空気をよむほう」「気が変わりやすいほう」という性格が多いようです。特に、女性中間子は「引っ込み思案」「空気を読む」が強く、女性末子は「気が変わりやすい」「空気を読む」、女性一人っ子は「よく笑うほう」「心配するほう」という性格の傾向が強くなっています。

詳細な分析は必要になりますが、現時点では女性中間子は協調性が強い、女性末子は協調性がありつつもマイペース、女性一人っ子は情緒豊かとも考えられそうな結果になりました。

●男性一番上について
男性一番上は「目標をきめて努力する」「ものごとにけじめをつける」「自分のしたいことをする」「人に言われたことを長く気にかけない」という項目が強くでました。真面目で努力家、自分の意思がはっきりしている人が多いようです。

●男性中間子について
男性中間子も男性一番上近い位置にあり、傾向は似ていますが、特に「何かあるときには先頭に立つほう」「あまりものごとにこだわらないほう」が強くなりました。いざというときにリーダーシップを発揮するのは男性中間子なのかもしれません。

●男性末子について
男性末子は男性一人っ子と近い結果になりましたが、特に強く出た傾向として「言い出したら後へ引かない」「あきらめのよいほう」「冗談を言ってよく人を笑わせる」という項目がありました。「言い出したら後へひかない」「あきらめのよいほう」は相反する印象をもつ項目のため、人によるのかもしれませんが、「冗談を言ってよく人を笑わせる」は男性末子の大きな特徴と言えそうです。

●男性一人っ子について
男性末子と近い結果となりましたが、一人っ子のほうが「だまって考え込む」「人付き合いが苦手」「怒りっぽい」「空想にふける」の項目が強くでました。男性一人っ子はコミュニケーションよりも物事をじっくり考える人が多いのかもしれません。

性格グラフ ①〜③.png性格グラフ④〜⑤.png

もちろん、性別や生まれ順は性格を形成する一要素に過ぎませんが、俗説と近い結果になったのではと思います。また、きょうだい間での立ち位置に問わず、男性では「自信があるほう」、女性では「よくほろりするほう」「よく笑うほう」という感情に関する項目が強く出たのが特徴的です。

さらに、年上になるほど「辛抱強い」「友達が多い」といったコミュニケーションに関する項目が強く、年下になるほど「冗談で人を笑わせる」「空気をよむほう」など協調性に関する項目が強くなる結果も見られました。

皆さまはご自身の性格と照らし合わせていかがでしたでしょうか。

出典|TBS生活DATAライブラリ全国調査(13~69歳男女 7400サンプル)

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