ニュースセンター 市川雄一
いちかわ・ゆういち 社会部、浜松総局、浜岡支局(現御前崎支局)、袋井支局、運動部、三島支局などを経て2016年8月から政治部。静岡市政キャップを経て現在、県政キャップ。運動部時代にロンドン五輪を現地で取材。ガジェットオタクで、iPadを使った働き方改革を遂行中。
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時論(1月21日)田辺静岡市政の「功罪」
静岡市の田辺信宏市長が4月の市長選に出馬せず、3期目の任期満了をもって市長を退任する。12年の田辺市政を振り返ると、「功罪相半ばする」という表現がこれほどふさわしい人も珍しい。清水区の桜ケ丘病院の移転問題を巡る対応はその象徴だった。 2021年3月までの4年半、田辺市政を取材した。その間の最大の政治課題が桜ケ丘病院の移転問題だった。同病院は元々、全国に散らばる社会保険病院の一つで、市立病院ではない。しかし、市は老朽化した同病院の移転に深く関与していた。 この問題での「功」は同病院を存続させたことだろう。黙っていても医師が集まる都市部と違い、県内は医師不足が深刻。市が病院存続に向け、土地の
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緊急災害の体制確認 電力や通信など14団体、静岡県庁で連絡会
静岡県は5日、緊急災害時に備えて生活インフラ事業者の連携強化を図る「ライフライン防災連絡会」を県庁で開いた。電力や通信、鉄道など14企業・団体が出席し、南海トラフ地震を念頭に置いた災害対応体制を構築していくことを確認した。 7団体が昨年7月に熱海市伊豆山で起きた土石流災害の対応事例を発表した。東京電力パワーグリッド静岡総支社や日本水道協会県支部などは復旧作業に当たる応援部隊を市外から迅速に派遣し、事前対策が機能したと紹介。JR東海は今年6月から運転規制基準を見直し、土壌に降雨水分量がどれだけたまっているかを示す「土壌雨量指数」の導入を始めたことを解説した。 南海トラフ地震は県境をまたぐ広
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「夏のデジデン甲子園」4市町アピール 静岡、島田、藤枝、小山が出場
デジタル活用の先進的な取り組みを表彰する「夏のDigi田(デジデン)甲子園」が開催中だ。15日までインターネット投票を受け付けていて、本県からは県予選を通過した静岡、島田、藤枝各市と小山町がエントリーしている。 デジデン甲子園は、岸田文雄政権が掲げる「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、政府が企画した。デジタル活用により地域課題を解決し、住民の暮らしの利便性向上や地域産業振興につながる取り組みを表彰する。インターネット投票と有識者による審査を経て、優秀な取り組みを選ぶ。 各自治体の取り組みはユーチューブで見ることができる。静岡市は道路通行規制情報をネットで提供する「しずみちinfo」
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2023年春の静岡県議選 定数68を維持 今後の在り方、争点に【解説・主張しずおか】
任期満了に伴う静岡県議選が来春、行われる。県議会は改選のたびに定数と選挙区について議論していて、次期県議選は定数を68で維持することが決まった。昨年は県議会と川勝平太知事の対立が先鋭化し、出席議員の4分の3の賛成で可決する知事不信任決議案の提出が現実味を帯びたことで定数について県民の関心が高まった。一方で、その定数を決める議論が県民に開かれているとは言い難い。今後、定数、選挙区をどうしていくべきか、来春の県議選の争点にしてほしい。 定数と選挙区についての議論は、会派に所属している県議で構成する選挙区等調査検討委員会が行う。今回のメンバー構成は自民改革会議7人、ふじのくに県民クラブ3人、公
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ウクライナ侵攻 影響を考える 静岡県と県立大がセミナー
ロシアによるウクライナ侵攻が北東アジアに及ぼす影響について考えるセミナーが27日、静岡市駿河区の県立大で開かれた=写真=。同大の教授3氏が登壇し、世界の平和構築について意見を交わした。 同大国際関係学部の山下光教授が「ウクライナ情勢と人道主義」と題して基調講演した。普遍的で個人的なものである人道主義は、自分のこととして考えることができると説明。ウクライナ以外にも世界各地で起きている危機に関心を持つことと、将来アジアで起きうる危機を認識することが大事だと説いた。 続いて同大の小針進教授を進行役に、山下教授と奥薗秀樹教授が討論を行い、朝鮮半島情勢への影響などについて意見交換した。 セミナー
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静岡県人口358万7212人 7月1日時点、3カ月ぶり減
静岡県がこのほど公表した7月1日現在の本県の推計人口は358万7212人で、前月に比べ108人減少した。人口減少は3カ月ぶり。転入数が転出数を上回る社会増は3カ月連続となったが、出生数から死亡数を引いた自然減が大きく、減少に転じた。 自然動態は1564人減(出生1698人、死亡3262人)、社会動態は1456人増(転入1万2033人、転出1万577人)。社会増は前月よりは減ったが、依然千人以上を維持している。 市町別では、242人増の浜松市を筆頭に焼津市(106人増)、長泉町(81人増)、袋井市(76人増)など12市町で人口が増加した。減少数が最も多かったのは御殿場市の175人減。静岡市
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実質交付税 静岡県24.5%減/市町14.9%減 22年度配分
静岡県が26日に公表した2022年度の普通交付税の配分額によると、県分は21年度比4・1%増の1763億1700万円。臨時財政対策債と合わせた実質的な県分の交付税は同24・5%減の2162億4800万円。市町分は同21・6%増の1294億1500万円で、実質的な交付税は同14・9%減の1669億5100万円。県、市町分ともに普通交付税は増加したが、実質的な交付税は減少した。 県によると、実質的な交付額が減少したのは、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ企業収益が持ち直し、税収が増えたことが主な要因。 県内市町のうち、財源不足が生じないため、普通交付税が交付されない不交付団体は富士市
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記者コラム「清流」 都道府県は必要か
静岡市と県の行政を計6年取材してきた。意識してきた取材テーマが「県は必要か」。行政は住民に近い基礎自治体(市町)が主になるべきで、県は必要ないのではないかという問いだ。 直接住民と関わる市町行政は取材でも住民の顔がよく見える。一方、県行政の取材は住民の顔が見えにくい。本来、県が力を発揮すべき市町をまたがる課題に対応する広域行政でも、目に見える成果が出ているとは言い難い。 道州制をはじめとする大都市制度の議論は参院選でも盛り上がらなかったが、県内では基礎自治体が道府県から独立する「特別自治市」への移行など、今後動きがありそうだ。自治体の在り方は住民の生活に直結する政治課題。県の必要性も含め
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伊東で知事広聴 8月25日 会場、オンライン参加者募集
静岡県は8月25日、川勝平太知事が地域住民と意見交換する知事広聴「平太さんと語ろう」を伊東市のひぐらし会館で行う。会場での傍聴者とオンライン視聴者を募集している。 熱海、伊東両市のNPO法人代表や6次産業農家など4人が登壇し、川勝知事と語り合う。 事前申し込みが必要で、会場での傍聴は8月18日、オンラインは同24日までに県広聴広報課に申し込む。問い合わせは同課<電054(221)2235>へ。
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静岡県副知事に就任した 森貴志(もりたかし)さん【時の人】
静岡県政史上最長の8年在任した難波喬司氏が退任後、1人体制になった副知事に7月2日付で就任した。県の施策の土台となる新しい総合計画が2021年度から始まったとし、「東京一極集中から地方への流れの中、県が先進になっていくための総合計画を着実に進めたい」と意気込む。 1983年県庁入庁。知事公室長、政策企画部長などを歴任し、2017年3月に定年退職後は県医師会事務局長を今年3月まで務めた。県では国際関係の部署が長く、国際室長時代に浜松市のブラジル総領事館誘致に尽力した。 医務課長時代、伊豆地域の病院破綻を担当し、行き場のない入院患者の受け入れ先探しに奔走した。その時見たのは患者のために無償で
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静岡県人口358万7320人 6月推計、2カ月連続増
静岡県がこのほど公表した6月1日現在の本県の推計人口は358万7320人で、前月に比べ638人増加した。推計人口の増加は2カ月連続。 ※画像タップで拡大してご覧になれます 転入数から転出数を引いた社会動態は2519人増(転入1万3560人、転出1万1041人)で、2カ月連続で増加した。進学や就職、転勤に伴う社会移動が増えたことが要因とみられる。出生数から死亡数を引いた自然動態は1881人減(出生1809人、死亡3690人)で、減少が続いている。 市町別では、227人増の袋井市や148人増の沼津市、138人増の磐田市など18市町で人口が増加した。減少したのは16市町で、119人減の
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論戦乏しく「失望」 川勝知事、参院選振り返る
川勝平太知事は11日の定例記者会見で、10日に投開票された参院選静岡選挙区の論戦が乏しかったとして「失望した」と述べた。 物価高に伴う経済政策や原発を含めたエネルギー問題についての議論が「あまりなかった」とし、外交安全保障問題や憲法9条についての立ち位置についても「共産党候補以外のスタンスは分かりにくかった」と苦言を呈した。 また、参院選の総括として二大政党制の考えが破綻したと指摘。憲法改正の発議に必要な議席の3分の2は自民、公明、日本維新の会、国民民主の各党がそろう必要があるとし「論点ごとに離合集散し、国民のためになることで連携を組んで法案を通していく政治スタイルになるのではないか」と
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異例の結果 無所属当選98年以来 参院選静岡選挙区、主要野党の存在感薄く【選挙結果解説】
若林洋平氏が昨年10月の参院静岡選挙区補欠選挙で失った自民党の議席を奪還し、もう1議席は「完全無所属」を強調して再選を目指した平山佐知子氏が獲得した。補選を除けば無所属議員の当選は1998年の海野徹氏以来。これまで自民と自民の対抗勢力が議席を分け合ってきた静岡選挙区では、異例の結果となった。 若林氏は元御殿場市長としての実績と与党の政策実現力を強調して自公支持層を固め、序盤からのリードを守り切った。2議席ある静岡選挙区で過去、自民は議席を失ったことがなく、緩みも懸念されたが、補選での敗北が引き締めにつながった。 平山氏は街頭演説を極力行わず、小規模集会や企業回りを軸にした独自の戦略で無党
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静岡選挙区 11日午前1時ごろ確定見込み【参院選しずおか】
静岡選挙区(改選数2)は、NHK党新人の舟橋夢人氏(56)、共産党新人の鈴木千佳氏(51)、諸派新人の山本貴史氏(52)、無所属現職の山崎真之輔氏(40)=国民推薦=、自民党新人の若林洋平氏(50)=公明推薦=、無所属現職の平山佐知子氏(51)、NHK党新人の堀川圭輔氏(48)、無所属新人の船川淳志氏(65)の8人が立候補している。 県内の投票は9日に繰り上げ投票を行った熱海市初島を除く1151カ所の投票所で行われる。投票時間は一部を除き、午前7時から午後8時。 開票作業は午後8時から9時半にかけて県内全市町の計43開票所で始まる。県選管によると、開票結果の確定見込みは選挙区が11日午前
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期日前投票14・52% 県選管中間発表【参院選しずおか】
静岡県選挙管理委員会は9日、10日投開票の参院選静岡選挙区(改選数2)の8日時点の期日前投票率を14・52%と発表した。前回選の投開票日2日前の投票率より2・4ポイント高かった。 前回の最終の期日前投票率14・53%を上回るのは確実となった。昨年10月に行われた同選挙区補欠選挙の同時期の期日前投票率11・53%も上回っている一方で、同月に行われた衆院選の投開票2日前の期日前投票率16・61%は下回った。 8日までの期日前投票者数は44万2625人。市町別では南伊豆町の35・27%が最も高く、河津町33・87%、御前崎市27・16%と続いた。最も低いのは静岡市葵区の10・34%。 期日前
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静岡県決算54億円黒字 一般会計、法人二税伸びる
静岡県はこのほど、2021年度一般会計決算の実質収支が54億円程度の黒字になる見込みだと発表した。県税収入額が最終予算額を79億円程度上回って確保できたことが影響した。 県税の決算見込み額は4874億3100万円で、20年度を305億7900万円上回った。法人二税が178億円増の1395億円と大きく伸びた。県税務課によると、米中の需要の回復に伴い、輸出関連製造業の企業収益が持ち直したことが税収を押し上げたという。 個人県民税は1255億円と22億円増加したが、このうち個人住民税(均等割・所得割)は25億円減少した。緊急事態宣言に伴う所得の減少が影響したとみられる。一方、株式配当等に課税さ
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立候補者8氏 「改憲」賛成派多数も温度差【参院選しずおか】
7月10日投開票の参院選は今後の憲法改正の行方を占う選挙になる。衆院では改憲に前向きな勢力が改憲の国会発議に必要な3分の2を上回っており、参院でも上回れば、改憲が現実味を帯びてくる。一方で、改憲勢力とされる党の公約は多岐にわたる。静岡新聞社が静岡選挙区の立候補者に行ったアンケートでは、改憲賛成派が多数を占めたが、中身はさまざま。国民にとって重要な意味を持つ「3分の2」だが、改憲の議論が煮詰まらないまま、投開票日を迎えることになりそうだ。 改憲に賛成と答えたのは、NHK党新人の舟橋夢人氏(56)、無所属現職の山崎真之輔氏(40)=国民推薦=、自民党新人の若林洋平氏(50)=公明推薦=、無所属
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2日付で副知事就任 森貴志氏「県民の暮らしの向上に努める」
1日の県議会6月定例会で人事案が同意され、副知事就任が決まった元県政策企画部長の森貴志氏(65)が議会閉会後に登壇し、「県政の発展と県民の暮らしの向上に精いっぱい努める」と抱負を語った。 森氏は新型コロナウイルス感染症のまん延により、地方の力が住民の暮らしに直結する認識を持ったと語り、「川勝平太知事が掲げる『東京時代から静岡時代へ』という地方が変革の主体となる時代は足元まできている」と県政運営に意欲を示した。 森氏は2日付で就任する。任期は4年。出野勉副知事と2人体制になる。
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立候補者8氏 川勝知事との連携、距離感さまざま【参院選しずおか】
22日の公示から1週間が経過し、選挙戦真っただ中にある参院選で、川勝平太知事が鳴りを潜めている。昨年10月の参院静岡選挙区補欠選挙では、街頭で特定の候補者の応援に立つなど注目を集めたが、今回は目立った行動をしていない。補選でのいわゆる「コシヒカリ発言」が問題視された際に表明した「政務をしない」との約束が守られている格好だ。一方で、国と県との連携は県民生活の向上に欠かせない。参院選静岡選挙区の立候補者に川勝知事との連携を聞くと、距離感の違いが浮き彫りになった。 立候補者の中で最も知事との近さを強調したのは、無所属現職の山崎真之輔氏(40)=国民推薦=。県議時代から知事を支えてきたとし、「直接
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静岡県職員 平均80万円 公務員に夏ボーナス、前年比4.2%減
静岡県内の公務員に30日、夏のボーナス(期末・勤勉手当)が支給された。県の一般職員の支給月数は2・15月。平均80万円(平均年齢42・7歳)で、前年同期と比べ4・2%、約3万5千円減った。 県人事課によると、2021年度の人事委員会勧告に基づき、支給月数を0・075月引き下げたことに伴う減額。支給対象は教職員、警察職員、特別職を含めて3万4021人で、支給総額は278億4271万5千円。前年同期より約12億2千万円減少した。 特別職は県特別職報酬等審議会の意見に基づき、国家公務員の特別職に合わせて6月期のボーナスの支給月数を0・05月引き下げたことに加え、21年度の期末手当の引き下げ相当