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　初日首位で出た倉田珠里亜（フリー）が通算９アンダーとスコアを伸ばし、単独首位を守った。５打差の２位に新田彩乃（不動産ＳＨＯＰナカジツ）、森井あやめ（国際スポーツ振興協会）、広田真優（フリー）が並んだ。４５位までの５４人が最終日２０日の決勝ラウンドに進んだ。
　県勢は小楠梨紗（フリー、浜松市出身）が４オーバーの４０位で予選を突破した。６１位の小林由枝（浜松ＣＣ）は予選落ちした。勝亦令奈（暁秀高）らアマチュアの７選手は予選突破できなかった。
　（出場１０７人＝アマ７、雨、気温２１・３度、東南東の風２・１メートル）
　
　■雨中さえた　新調アイアン、パター
　初日９位で出た２７歳の森井が３バーディー、ボギーなしでスコアを伸ばし、２位に躍り出た。首位を快走する倉田を追い上げる。
　今大会に合わせ、アイアンもパターも新調したのが功を奏した。バーディーを奪ったのは２、５、８番。しなるシャフトに変更したアイアンショットがさえた。バーディーチャンスに寄せて、新たなパターで確実に沈めた。雨でグリーンがぬかるみ、スコアを崩しそうになってもパーでしのげたのが躍進の要因だった。
　ベストスコア６６を以前、この大会で出したのが自信につながっている。「グリーンが読みやすい」と雨にも動じず確実なパットを続けた。
　高３だった１０年前。父親が運転する車に同乗中、交通事故に遭った。右手首に後遺症があり、握力が極端に落ちた。高校卒業後に考えていたプロテストを一時断念した。大学に進学したが、プロへの道を諦めきれず中退。握力の回復を待って受検し２０１６年、２３歳で合格した苦労人だ。
　今年に入りステップアップツアー５戦中ベスト１０入りが３度と安定した成績を残している。「バーディーを取らないと勝てない。攻めのゴルフをしたい」と最終日に向け、強気な言葉が飛び出した。首位とは５打差。まだまだ諦めてはいない。
　（名倉正和）

　■アプローチ復調　新田２位浮上「攻めていきたい」
　１アンダーの９位で出た新田はスコアを三つ伸ばして２位に浮上した。３番でバンカーに捕まりダブルボギーをたたいた後、４、５番のロングホールで連続バーディーを奪って帳消し。その後も安定感を維持し、最終１８番は１８ヤードからのチップインバーディーで締めくくった。
　好調の要因はアプローチの復調だ。「スピンを掛けられず、ただ当てているだけ。ずっと悩んでいた」と新田。レギュラーツアーの試合の前後にショットなどの時間を削って練習を積み重ね、徐々に本調子を取り戻したという。
　首位との５打差は「ラッキーがないと追い付けない」と苦笑しつつも気持ちは前向きだ。「いつも最終日は守ってしまうので攻めていきたい。得意なコースじゃないけど調子はいいんです」。逆転で初の栄冠を狙う。
　（御前崎支局・木村祐太）

　■暁秀高２年の勝亦　静岡県勢アマ最高の５５位
　暁秀高２年の勝亦は県勢アマチュア最高の５５位。惜しくも決勝ラウンド進出を逃したが、３度目の出場で「以前より場慣れした」と確かな手応えをにじませた。
　出だしの１番は１０メートルのバーディーパットを決めた。前半を３オーバーで折り返し、気持ちを切り替えて臨んだ後半最初の１０番は２打目を８番アイアンでピンそば１メートルに寄せた。悔やまれるのは１５番のダブルボギー。「ショットが右にそれるいつもの癖が出てしまった」と声を落としたが、下位に沈んだ過去２回からの成長は見せた。
　夢は人々を魅了するプロゴルファー。雨で思い通りのプレーができなかった経験も「次につなげたい」と誓った。

　平常心で楽しむ
　倉田珠里亜（フリー、通算９アンダーで単独首位）　２日目も集中することができた。グリーンを外してもパーが取れた。最終日は緊張すると思うが、一打一打、平常心でプレーを楽しみたい。
　冷静プレーを実践
　広田真優（フリー、通算４アンダーで２位）　昨年の最終日は優勝したリハナ選手と同組だった。表情を変えず冷静にプレーしていたのを自分も実践している。気持ちよく打てているので、とりあえず攻めていくだけ。
　いい誕生日に
　竹山佳林（フリー、通算３アンダーで５位）　雨は落ち着いて回れるので好きな方。２０日は２５歳の誕生日。いつもこの大会の開催中か前後に迎えるが、最終日は初めて。いい誕生日にしたい。
　４アンダー目指す
　小楠梨紗（フリー、県勢唯一の予選突破）　ショットの調子が悪かった。雨以前の問題。通常ならボギーの状況でパーを拾えたのは良かった。４オーバーなので４アンダーを目指す。
　悔しいラウンド
　小林由枝（浜松ＣＣ、７オーバー６１位で予選落ち）　スコアを伸ばしたかったが、前半から打ってしまった。悔しいラウンドだった。調子があまりよくなくて、修正できずに終わった。

　男子４００メートル障害は佐竹結月（日大三島）が３位、助川拓真（日大三島）が４位、佐々木啓人（浜松商）が６位でそれぞれ全国総体出場を決めた。
　女子４００メートル障害は梶野真由（磐田北）が１位と１００分の５秒差で２位だった。女子４００メートルリレーは浜松市立が３位、沼津東が６位に入り、全国総体への切符を手にした。
　　
　■１５００と２冠　悪条件で盤石「合格点」
　２位以下の選手の追随を許さない圧倒的な走りだった。男子８００メートルの兵藤は序盤から先頭に立って押し切った。雨やホームストレートで向かい風が吹く悪条件の中のレース。「勝つことよりも大会新を狙った。１分５０秒を切りたかったので悔しいが、合格点ではある」と評する。
　２位に１秒５差をつける盤石のパフォーマンスを見せ、前日の１５００メートルとの２冠。「レースはスローペースだったので、スピードを出して勝ちにいった」と振り返る。
　トラックでのレースを想定した練習は普段、あまり行わない。箱根駅伝に出場したいという将来を見据えて、長い距離を走ることを意識してメニューを組み立てている。スピードを出すのは１週間に１度ある自主練習くらいという。
　県総体で男子８００メートルの東海高校記録を２７年ぶりに塗り替えるなど活躍が際立つ。注目されることに対して「プレッシャーは感じないのが自分の良さ」と表現し、「全国総体で８００メートルは優勝、１５００メートルでは表彰台を目指す」と意気込んだ。
　（磐田支局・太田達也）
　
　■窪田（沼津東）Ｖ　レースけん引　男子３０００障害
　「勝つことを意識して最初からレースを引っ張った」。男子３０００メートル障害を制した窪田（沼津東）は、１周目から集団の先頭に立ち、障害を次々とクリアした。残り１０００メートルでギアを切り替えて、得意のスパートをかけ勝利をつかんだ。
　高校進学後に本格的に陸上を始めた。テニス部に所属していた中学時代、引退後に駅伝に出場する機会があり、仲間と走ることの楽しさを知った。「今は陸上中心の生活」と語るほど夢中になった。
　課題は中盤の１０００メートルから２０００メートルの走り。全国総体までに改善し、優勝を目指す。「周りを見て柔軟なレース展開をしたい。ラストまで良い位置につければ、負けない自信がある」と力を込めた。
　
　■陸上＝１位と県勢入賞
　【男子】
　▽１００メートル　①舘野峻輝（愛知・中京大中京）１０秒６６④赤堀真（東海大翔洋）
　▽８００メートル　①兵藤ジュダ（東海大翔洋）１分５０秒０４＝大会新
　▽４００メートル障害　①高橋遼将（愛知・中京大中京）５１秒３７＝大会新③佐竹結月（日大三島）５３秒５４④助川拓真（日大三島）⑥佐々木啓人（浜松商）
　▽３０００メートル障害　①窪田悠人（沼津東）９分１１秒３４④辻本桜寿（浜松開誠館）⑤大嶽昂士（伊豆中央）
　▽４００メートルリレー　①愛知・中京大中京４１秒１７⑤知徳（小針、深沢、久保田、斉藤）
　▽走り高跳び　①前川鎮秀（三重・津商）１メートル９８②伊藤碧生（浜松開誠館）１メートル９５⑥塚本好陽（浜松商）
　▽円盤投げ　①田中愛也（三重・松阪商）４４メートル９０④藤岡広樹（浜松商）⑤川口武留（富士宮北）
　【女子】
　▽１００メートル　①蔵重みう（愛知・中京大中京）１１秒８０⑤小林七菜（沼津東）⑥久保田真子（東海大翔洋）
　▽８００メートル　①青山理奈（愛知・中京大中京）２分９秒９６⑥武田亜子（日大三島）
　▽４００メートル障害　①浜千代琳香（三重・松阪商）１分０秒６５②梶野真由（磐田北）１分０秒７０
　▽４００メートルリレー　①愛知・中京大中京　４５秒８９＝大会新③浜松市立（諏訪間、内山、磯貝、蒲生）４６秒７０⑥沼津東（古川、奥田、市川、小林）
　▽円盤投げ　①西井琳音（三重・三重）４２メートル２８④吉岡由唯（袋井）⑤横山紗理那（浜名）
　▽七種競技　①林美希（愛知・中京大中京）４５９３点⑤永井真滉（東海大翔洋）
※各種目６位、女子七種競技は３位までが全国総体出場

　■後半　後続引き離す
　男子２００メートル背泳ぎで初の優勝をつかんだ広橋はフィニッシュ後、ほっとした表情を浮かべた。自己記録に及ばなかったが「初めて１位を取れたことは良かった」と結果をかみしめた。
　西部地区予選で２分４秒５３の自己記録をマーク。１００メートルでも５７秒４２の自己記録をたたきだした。その後も「全国総体で戦えなければ意味がない」と気合を入れて練習を重ねたが、１週間ほど前から疲労が蓄積していた。
　決勝は不調を自覚する中で迎えた。「もっと遅いタイムになると思っていた」が、課題としている残り１００メートルから後続を引き離した。自己記録に近い結果に復調の手応えをつかんだ様子だった。
　最終日に出場する１００メートル背泳ぎは自己記録の更新、東海総体の２００メートルでは２分３秒台を目標に掲げる。「腕の力をもっとうまく使い、タイムを縮めたい」とさらなる飛躍を誓った。
　（浜松総局・白本俊樹）
　
　■岡庭（静岡商）　女子８００自で頂点
　女子８００メートル自由形で頂点に立った岡庭の歓喜の涙が止まらない。自己記録を１０秒以上更新する９分３秒３５をマークして優勝。「レース前は不安で怖かった」。プールサイドに祝福に駆けつけた仲間の胸に顔をうずめ、声を上げて泣いた。
　周囲に流されず、自分のペースを貫くことだけ考えた。３００メートル地点を前にライバル八木（城南静岡）をかわし、一気に突き放した。「最後は（スタミナが切れて）死ぬかと思った。タイムも満足です」
　小中学校時代は全国大会とは縁が無かった。「高１の時からインハイに行くのが夢だった」。東海総体で標準記録を突破すれば、夢が現実になる。「絶対に行きたい」。目が輝いた。
　（南部明宏）
　
　■石川、大会新Ｖ　男子５０自
　男子５０メートル自由形決勝は石川が２３秒５１の大会新をたたき出して頂点に。前日の予選で２３秒７３の大会新をマークした内村（飛龍）に競り勝つ、見応え十分のレースを披露した。
　石川は自己記録を１００分の１秒更新。「彼（内村）に負けたくなかった。予選で悪かったスタートを修正した」。最終日に行われる得意の１００メートル自由形に向けて自信を深めた様子だった。
　一方の内村は自己ベストの２３秒４５に届かず２位。「コロナの影響でモチベーションを保てない時期があった。自覚が足りなかった」と反省し、「もう一度自己記録を出したい。そうすれば全国の表彰台を狙える」と前を向いた。
　
　　【男子】
　▽５０メートル自由形　①石川大智（浜松日体）２３秒５１＝大会新②内村（飛龍）２３秒７４③鈴木（浜松西）２４秒４２④増田（浜松市立）⑤鈴木（下田）⑥新林（浜松日体）⑦堰沢（飛龍）⑧林（同）
　▽２００メートル自由形　①杉本碧波（伊東）１分５２秒９７②鈴木（浜松商）１分５５秒２４③末光（飛龍）１分５５秒６１④鈴木（城南静岡）⑤柳本（飛龍）⑥押尾（日大三島）⑦袴田（磐田農）⑧岩男（同）
　▽１５００メートル自由形　①森達也（駿河総合）１６分２３秒７４②西田（飛龍）１６分２５秒８７③大村（浜松商）１６分２７秒０１④石田（飛龍）⑤内野（城南静岡）⑥松浦（浜名）⑦高（清水桜が丘）⑧林（静岡商）
　▽２００メートル背泳ぎ　①広橋諒人（浜松市立）２分４秒８０②三木（浜松商）２分７秒２１③増田（浜松市立）２分９秒６０④杉山（富士）⑤近藤（城南静岡）⑥平瀬（沼津東）⑦疋田（浜松商）⑧中田（飛龍）
　▽２００メートル平泳ぎ　①釜田駿（飛龍）２分１８秒２４②進士（浜松商）２分１８秒４１③宮崎（同）２分２３秒１９④大野（浜名）④小沢（飛龍）⑥天野（浜松商）⑦和久田（飛龍）⑧五十嵐（島田）
　▽２００メートルバタフライ　①神戸諒太（城南静岡）２分２秒４６②鈴木（磐田農）２分４秒５１③門間（浜名）２分４秒７２④杉原（島田工）⑤岡田（浜松市立）⑥伊藤（飛龍）⑦ドスレイスギレルメ（同）⑧樽角（浜松東）
　▽４００メートル個人メドレー　①勝又悠起（飛龍）４分２４秒１５②杉山（同）４分２８秒４６③植屋（浜松西）４分４１秒３８④森（日大三島）⑤稲葉（同）⑥田中（浜名）⑦三戸（飛龍）⑧西丸（浜松市立）
　▽４００メートルリレー　①飛龍（勝又、北本、林、杉山）３分３２秒５９②伊東３分３５秒２１③浜松市立３分３５秒４７④磐田農⑤城南静岡⑥浜松西⑦浜松商⑧日大三島

　【女子】
　▽５０メートル自由形　①鈴木月渚（飛龍）２６秒５４②鈴木（浜松市立）２６秒９６③高橋（静岡商）２７秒７１④渡辺（城南静岡）⑤二宮（磐田農）⑥太田（伊東）⑦三島（日大三島）⑧星野（浜松日体）
　▽２００メートル自由形　①磯江月希乃（星陵）２分６秒４１②山田（浜松西）２分６秒６３③豊田（磐田農）２分７秒９４④岡崎（城南静岡）⑤二川目（浜名）⑥鈴木（浜名）⑦白井（静岡商）⑧杉浦（浜松商）
　▽８００メートル自由形　①岡庭茉名美（静岡商）９分３秒３５②八木（城南静岡）９分１６秒４８③飯田（磐田農）９分２３秒５３④芝原（静岡商）⑤山本（浜名）⑥木村（飛龍）⑦平野（浜松商）⑧鈴木（磐田農）
　▽２００メートル背泳ぎ　①伊藤亜香利（磐田農）２分１５秒３４②中島（日大三島）２分２０秒１３③宮本（清水西）２分２３秒２１④岩沢（伊東）⑤浅井（磐田農）⑥小林（沼津市立）⑦宮津（浜名）⑧山本（浜松日体）
　▽２００メートル平泳ぎ　①柴本真衣（城南静岡）２分３６秒３０②田中（日大三島）２分３８秒７４③佐藤（城南静岡）２分３８秒９４④中山（伊東）⑤疋田（浜松日体）⑥田中（静岡商）⑦伊藤（磐田農）⑧尾上（浜松西）
　▽２００メートルバタフライ　①高部穂波（城南静岡）２分１８秒４８②山崎（浜松市立）２分１９秒４４③松野（磐田農）２分１９秒６１④増田（城南静岡）⑤梨本（城南静岡）⑥本田（磐田農）⑦根岸（浜松日体）⑧大江（浜松市立）
　▽４００メートル個人メドレー　①桜井ひより（清水南）５分６秒７４②井口（浜松市立）５分１２秒７４③尾崎（静岡商）５分１３秒０７④村田（浜名）⑤藤原（日大三島）⑥後藤（静岡東）⑦原田（日大三島）⑧谷川（浜松商）
　▽４００メートルリレー　①磐田農（伊藤、二宮、松野、豊田）４分０秒５２②浜松市立４分２秒４８③城南静岡４分２秒８１④浜名⑤浜松西⑥日大三島⑦静岡商⑧伊東