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近づくプレオープン 静岡市歴史博物館、どんな施設に?

 駿府城公園に隣接する旧青葉小学校跡地で整備が進む静岡市歴史博物館。7月23日のプレオープンに向けて準備は大詰めを迎えています。ロゴマークもお披露目されました。どんな施設になるのか、改めて建設に至る経緯を含め1ページにまとめました。
 〈静岡新聞社編集局未来戦略チーム・松本直之〉

7月プレオープン ロゴ決定、家康花押モチーフ

 静岡市は27日、葵区の旧青葉小跡地に建設中の市歴史博物館の公式ロゴマークが決定したと発表した。徳川家康の自筆のサイン「花押」をモチーフにしたデザインで、静岡市の頭文字「S」も取り入れた。

歴史博物館の公式ロゴマーク
歴史博物館の公式ロゴマーク
 コンセプトカラーは青で、富士山や自然豊かな海や空をイメージした。マークに組み込まれた三つの丸は施設の役割に掲げた「歴史探究」「地域学習」「観光交流」を表現。直線と曲線で描き、シンプルながら博物館の価値や魅力を詰め込んだデザインとした。
 マークは公募型プロポーザル方式で寄せられた3種のアイデアから選ばれた。
 同博物館は7月23日にプレオープンする。9月末までは毎週土日に開館、10月からは休館日の月曜を除き毎日開館し、戦国時代末期の石垣などの遺構を無料で見学できる。グランドオープンは2023年1月を予定している。
 〈2022.5.28 あなたの静岡新聞〉

徳川家康や今川家の歴史紹介、130点展示へ

歴史博物館の展示イメージ(静岡市提供)
歴史博物館の展示イメージ(静岡市提供)
 ※2021年11月12日「あなたの静岡新聞」から
 静岡市議会のまちづくり拠点調査特別委員会(望月俊明委員長)は11日、市役所静岡庁舎で会合を開き、旧青葉小跡地(葵区)に建設中の歴史博物館などを巡り意見を交わした。市歴史文化課は2023年1月の開館時に130点の資料を展示する方針を明らかにした。駿府城公園のお堀を巡る遊覧船「葵舟」などとの共通チケットの販売も検討する。
 同課の中川将巳課長は「展示資料のうち本物は70~80点用意し、それ以外は複製品になる」と説明。「東海道図屏風(びょうぶ)」「徳川家康書状」などを展示品の目玉に挙げた。静岡浅間神社や久能山東照宮が収蔵する甲冑(かっちゅう)を忠実に再現した模造品も展示する。企画展も年4回程度開催する予定。
 来館者は初年度が年間50万人、2年目以降が33万~35万人を見込む。出席した委員からは集客に関する質問が上がり、市側は歴史資源が集積する駿府城公園エリア全体で回遊を促し、にぎわい創出を目指すと説明した。
 共通チケットは葵舟のほか、駿府城公園の東御門・巽櫓(たつみやぐら)などを想定していて、実施には条例改正が必要になるという。
 歴史博物館は4階建てで延べ床面積は4885平方メートル。徳川家康の一生や今川氏の歴史に触れる展示を中心に、江戸時代の駿府城下町や近現代の静岡のまちの様子も紹介する。22年6月に完成予定。同7月のプレオープンで「戦国末期の道と石垣の遺構」を先行公開する。

小学校跡地に建設 再設計や事業中断、曲折経て

静岡市歴史文化施設の完成予想図(奥の建物は県庁)
静岡市歴史文化施設の完成予想図(奥の建物は県庁)
 ※2021年1月6日 静岡新聞朝刊から
 新型コロナウイルスの影響で一時凍結していた静岡市の歴史文化施設(仮称)が5日着工し、同市葵区の旧青葉小跡地で安全祈願祭が行われた。2022年6月までに建設工事を完了し、展示準備期間を経て23年春のオープンを目指す。
 徳川家康の一生や今川家の歴史が分かる展示を中心に、近現代の東海道の歴史にもふれ、静岡全体の成り立ちを振り返ることができる。19年に現地で発見された戦国時代末期の道や石垣などの遺構は、掘り出された状態のまま露出展示する。
 式典で田辺信宏市長は「静岡の歴史に誇りを持てる教育施設としての機能と、国内外から人を呼べる観光施設として機能を併せ持つことになる」と施設の役割を説明した。
 歴史博物館の建設構想は1990年代からあり、2005年に市が旧青葉小跡地への建設方針を示した。整備前の発掘調査で駿府城下の戦国時代の街並みが分かる遺構が初めて発掘され、遺構を保存する形で再設計したことに加え、新型コロナウイルスの影響で事業が一時中断し、当初の計画より着工が遅れた。
 設計は金沢21世紀美術館などを手掛けた建築家集団「SANAA(サナア)」が手掛けた。地上4階建て。総事業費は62億円。

■念願の開設 構想浮上は1990年代にも
※1998年6月16日 静岡新聞朝刊から

 徳川慶喜ブームを背景に、静岡市内で郷土の歴史を見直し、文化を一層、振興させようとの機運が高まっている。市文化財協会(松永伍市会長)は「本格的な歴史ブームに点火したい」と強調し、十六日には小嶋善吉市長に総合歴史博物館の早期設置を要望する。
  市内ではNHK大河ドラマをきっかけにした慶喜ブームが続き、最近では徳川家ゆかりの武家茶道の茶会などが開かれ、人気を集めた。慶喜展も開催中で、今後も企画展など記念イベントが予定されている。「徳川慶喜と明治の静岡」推進協議会はイベント、勉強会を開催するなど活発な活動を展開し、歴史の掘り起こしとアピールに力を入れている。
  市文化財協会は「静岡の歴史を発信することが極めて大切」とし、その拠点としての総合歴史博物館の設置を求めている。松永会長は「市内の埋蔵文化財だけでも相当なもの。貴重な品々を展示したり、歴史を研究する施設が、ぜひ欲しい」としている。また、協会は、NHKが徳川家康から将軍三代をテーマにした大河ドラマ「葵」を2000年に放映することからも博物館の必要性を訴えている。
  ドラマ「徳川慶喜」では舞台とならなかった同市は「葵」では静岡をアピールしたいと対策を練っているだけに、協会の要望に対する小嶋市長の回答が注目される。
 ※肩書き、表記は掲載日時点

都心「おまち」歴史文化重点に 博物館はその中核施設に

 静岡市はこのほど、葵区の中心市街地が2040年に目指す姿と方針を示した「葵歴史のまちづくりグランドデザイン」を策定した。歴史文化と都市再生を重点テーマに設定し、市民、事業者と一緒にまちづくりを進める。

静岡市役所
静岡市役所
 葵区の中心市街地を「静岡都心」と位置づけた上で、将来像に「歴史とともに暮らす誇りを感じ、ワクワクする『おまち』」を掲げた。駿府城公園や静岡浅間神社に代表される歴史資源が点在し、商業施設や官公庁が集積する地域特性を最大限に生かす。
 駿府城公園周辺エリアでは、23年1月に開館予定の市歴史博物館や、駿府城天守台跡の野外展示などを活用して、歴史資源を身近に体感できる環境を整える。青葉通り周辺エリアでは、老朽化した建築物の更新、商業地の再開発など、持続可能な都市機能の確保に努める。
 グランドデザインの取りまとめに当たり、有識者や市民でつくる検討会の意見を反映した。市は19年度に清水区の「清水都心」、21年度には駿河区の「草薙・東静岡副都心」に関するグランドデザインも策定している。
 〈2022.5.20 あなたの静岡新聞〉