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熱海のシンボル ホテルニューアカオ閉館

 観光地・熱海のシンボルとして長年親しまれてきたホテルニューアカオが営業終了を発表しました。最近は文化芸術活動に力を入れていましたが、運営面では新型コロナ禍の影響で客室稼働率が30%ほどに低迷するなど苦戦していました。近年のホテルの取り組みを振り返ります。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・尾原崇也〉

48年の歴史に幕 施設老朽化も課題に

 熱海市のアカオ・スパ&リゾートは17日までに、同社が運営するホテルニューアカオの営業を終了したとホームページで発表した。同社敷地内にあるホテルアカオ(ロイヤルウイング)や観光庭園アカオハーブ&ローズガーデンなどの営業は継続する。

営業を終了したホテルニューアカオ=熱海市
営業を終了したホテルニューアカオ=熱海市
 1973年に開業したホテルニューアカオは20階建て、客室250室。相模灘や市街地の夜景、熱海海上花火大会などの眺望が人気の大型ホテルで、同市の観光産業を長く支えてきた。
 かつては社員旅行などの団体が客層の中心だったが、近年は家族客や個人客も増えていた。しかし昨年から続く新型コロナ禍の影響で客室稼働率は30%ほどに低迷。今年に入ってからは繁忙期以外はほとんど休館していた。最後に営業したのは8月末だった。築50年近い施設の老朽化も課題になっていた。
 同社は8月に寺田倉庫(東京都)元社長の中野善寿氏を会長に迎え、10月に社名をホテルニューアカオからアカオ・スパ&リゾートに変更した。同社広報によると、ホテルニューアカオの改修などの予定は未定。今後は富裕層など新たなターゲットを掘り起こすとともに、文化芸術事業などを通じて付加価値を高めたいとしている。
 〈2021.11.18 あなたの静岡新聞〉

「昭和レトロ」 ロゴ入りTシャツが人気を集めていた

 熱海市への移住者と2拠点生活を送るクリエイターでつくる会社「ハツヒ」が、市内のホテルや喫茶店など老舗の土産をプロデュースするブランド「LEGECLA(レジェクラ)」を展開し、若年層に人気を集めている。観光業が新型コロナウイルス禍の影響を受ける中「現地でしか買えないグッズが、熱海に足を運ぶ契機になれば」と力を込める。

「ホテルニューアカオ」「サンバード」など熱海の老舗をモチーフにしたTシャツや手ぬぐいをデザインした鶴田さん=熱海市
「ホテルニューアカオ」「サンバード」など熱海の老舗をモチーフにしたTシャツや手ぬぐいをデザインした鶴田さん=熱海市
 ブランドのきっかけは、2017年から埼玉との2拠点生活を送る広告プランナーの横須賀馨介代表(31)と、同年に東京から移住したライターの高須賀哲さん(42)が、1973年創業のホテルニューアカオの風景に魅了され、Tシャツとポロシャツ制作をアカオに提案したこと。横須賀代表は「アカオは熱海のシンボル。30~40年前の“昭和レトロ”を、次の100年に伝統として残したい」と意図を語る。
 東京との2拠点生活者のイラストレーター鶴田勇磨さん(28)が看板のロゴをTシャツにデザインした。アカオの売店担当の曽根笙太さん(24)によると「ロゴの印象が強く、最初は社内で『本当に売れるのか』という声もあった」。だが昨年8月に発売すると、累計600枚以上を売り上げる一番の人気商品に。「おしゃれに関心のある20~30代が『かっこいい』と購入していく。先月だけで100枚売れた」といい、手ぬぐい、タオル、トートバッグなど商品を増やしている。
 このほか、喫茶店「サンバード」「ボンネット」や射的などを楽しめる「ゆしま遊技場」、現・つばき屋佐藤油店の「熱海観光ストアー」をはじめ、市内の他店舗の土産も手掛ける。京都市のカルチャーショップ「VOU」への8月の出店を皮切りに、県外の大手セレクトショップや百貨店でも期間限定で販売する。横須賀代表は「熱海など全国各地のお土産開発を核に、観光PRやブランディングを展開し、地域に貢献したい」と先を見据えた。
 〈2020.9.20 あなたの静岡新聞〉
 ​※肩書、年齢などは記事掲載当時のまま。運営会社はホテルのオリジナル商品の販売を今年いっぱいで終了すると発表しました。
 

文化事業に注力 芸術家20人がホテル「アトリエ」に

 熱海市のホテルニューアカオと、文化をテーマにした国際会議などを手掛ける東方文化支援財団(東京)はこのほど、新進気鋭の芸術家が同ホテルに滞在しながら芸術作品を制作するプロジェクトを始めた。同社の広大な敷地や施設の中で芸術家が約1カ月かけて自由に創作し、街の魅力を五感に訴える。

熱海の自然から着想した巨大絵画を制作する大小島さん=熱海市内
熱海の自然から着想した巨大絵画を制作する大小島さん=熱海市内
 「アカオ・アート・レジデンス」と銘打ち、年間20人の芸術家がホテル周辺の自然や建物などから着想を得て作品に反映する。宿泊客だけでなく一般客も制作風景を見学したり、芸術家と交流したりするイベントも開催する。
 現在は画家の大小島真木さん、特殊照明作家の市川平らさんら4人が滞在中。大小島さんは、夏季以外は閉鎖している同ホテルのビーチリゾート施設をアトリエに選び、6メートル四方の絵画「生命の木」を描く。目の前に広がる海に刺激を受けているといい、「環境が変わると物の見え方も変わる。作家として貴重な体験をさせてもらっている」と語った。
 ホテルニューアカオの武茂生企画営業部長(44)は「遊休施設や営業時間外を有効活用した試み。熱海の新たな魅力になれば」と期待した。東方文化支援財団の中野善寿代表理事(77)は「海外にも発信し、20年、30年と続くプロジェクトにしたい」と抱負を語った。
 〈2021.4.20 静岡新聞朝刊〉
 ※肩書、年齢などは記事掲載当時のまま。

観光庭園は営業継続

 熱海市の観光庭園「アカオハーブ&ローズガーデン」で、バラが見ごろを迎えている。園内が1年間で最も華やぐ季節で、来園者は赤やピンク、黄色などの花が放つ甘い香りを楽しんでいる。

満開のバラをカメラに収める来園者=熱海市のアカオハーブ&ローズガーデン
満開のバラをカメラに収める来園者=熱海市のアカオハーブ&ローズガーデン
 園内には約600品種、4千株が植栽されている。今年は開花が例年より1週間ほど早く、見ごろは6月初旬まで続く見込み。
 26日(※5月26日)は平日にもかかわらず、開園直後から多くの観光客が訪れ、満開のバラをカメラに収めたり、園内を散策したりして梅雨の晴れ間を楽しんだ。
 〈2021.5.27 あなたの静岡新聞〉

 ■園内には建築家隈研吾氏設計のカフェも 

 熱海市のホテルニューアカオは19日(※2017年9月19日)、同社が運営する観光庭園アカオハーブ&ローズガーデンに世界的建築家隈研吾氏が設計を手掛けたカフェ「COEDA HOUSE(コエダハウス)」をオープンする。
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オープンに向けて準備が進むコエダハウス=熱海市のアカオハーブ&ローズガーデン

   コエダハウスは室内面積82平方メートル。建物の中心の床から天井まで8センチ角の木材約1500本を積み上げ、「1本の大きな幹」のように建物を支える構造となっている。海抜約150メートルの高台に位置している建物の周囲は全面ガラス張りのため、座席から雄大な相模灘を眺めることができる。
 現在は建物の周囲で仕上げの工事を行っている。19日には隈氏や川勝平太知事らが出席し、オープニングセレモニーを実施する予定。
 〈2017.9.14 静岡新聞朝刊〉