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〈 緊急事態宣言延長 静岡県内の反応は 〉

 政府は静岡県に発令中の新型コロナウイルス緊急事態宣言の期限について、12日から30日まで延長することを決定しました。宣言延長に関する静岡県内の動きをまとめました。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・安達美佑〉

落胆する静岡県内観光・飲食業 「活性化策を」

営業再開に向けた片付けの合間に緊急事態宣言延長のニュースに見入る居酒屋の店主=9日午後、静岡市葵区
営業再開に向けた片付けの合間に緊急事態宣言延長のニュースに見入る居酒屋の店主=9日午後、静岡市葵区
 静岡県への新型コロナウイルス緊急事態宣言が延長された9日。県内の観光や飲食店関係者からは冷静な受け止めや落胆、危機感が入り交じった声が聞かれた。飲食店の営業時間短縮の緩和など、行動制限を緩める方針を示した政府には「早く活性化策を打ち出して」と求める声も上がった。県は10日に対策本部員会議を開き、今後の対応を示す。
 「正直がっくり。9月になってから予約すら入ってこない」。伊豆の国市の伊豆長岡温泉街で老舗旅館「福狸亭小川家」を営む鴨下記久枝さん(63)は嘆いた。行動制限緩和について「お客さまはどうすれば観光や宿泊に来て良いのか新たな情報を待っている。早く具体的な指針を示してほしい」と求めた。
 伊東市の伊東温泉旅館ホテル協同組合の磯川義幸専務理事(68)は、延長に一定の理解を示しながらも「これ以上延びると事業所は経営に行き詰まってしまう。国や県には迅速に経済活性化策を打ち出してほしい」と焦りをにじませた。
 こぢんまりした居酒屋やバーが集まった静岡市葵区昭和町のひょうたん横丁。休業中の自店の片付けに来たという高齢女性は「家にずっとこもっていると気が病んじゃうから」とこぼした。菅義偉首相が宣言延長を表明する様子がテレビに写ると、手を止めて見やった。
 浜松市中区の焼き鳥店「大樹」の堀内将史店主(33)は「苦しいが仕方がない」と声を落としつつ、「緩和によって酒類が提供できることは居酒屋にとって大きい」と話した。一方、同市中区のオーガニックカフェ「サンフェリーチェ」の野口佳美店長(42)は「制限緩和の効果は期待していない。オンラインでの健康講座を行いながら、今後も客とのつながりを創出していきたい」と語った。
 宣言の延長を要請していた県は、県境をまたぐ移動や酒類の終日提供自粛などこれまでの要請を引き続き求める。
 
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店が休業し、ひっそりと静まりかえる「青葉おでん街」。静岡県など19都道府県で緊急事態宣言の延長が決まった=9日午後6時半ごろ、静岡市葵区

​〈2021.9.10 あなたの静岡新聞〉

緊急事態宣言「解除の状況にない」 川勝平太静岡県知事

静岡県庁
静岡県庁
 静岡県の川勝平太知事は7日の定例記者会見で、12日に期限を迎える本県への新型コロナウイルス緊急事態宣言について「解除できる状況にない」との認識を示した。10日に対策本部員会議を開き、国の決定を受けた本県の対応を決める。
 政府は首都圏など大都市部で宣言期間を延長する方向で調整を進めていて、本県については状況を見極めている。9日にも方針を決める見通し。
 川勝知事は、本県の感染者数は減少傾向にある一方、人口10万人当たりの新規感染者数や病床使用率など多くの指標で、国の基準でステージ4(爆発的感染拡大)を上回っていると指摘。「首都圏や愛知県で宣言が延長され、本県が緩くなれば、(感染拡大の)危険性が高まる」と強調した。
 一方、県は感染症対策を講じた飲食店の安全・安心制度について、8月に入って申請件数が大幅に伸び、現在約8600件となっていることを明らかにした。7月末は約1800件だった。
​〈2021.9.8 あなたの静岡新聞〉
 
 ■宣言延長、国に要請 静岡県「医療体制逼迫」
 静岡県は8日、本県を対象にしている新型コロナウイルス緊急事態宣言について「感染状況は解除できる段階にない」として、12日の期限を延長するよう国に文書で要請した。川勝平太知事から菅義偉首相に宛てた。県内の病床使用率は50%を超えていて、医療提供体制は逼迫(ひっぱく)していると強調した。
 県は10日に対策本部員会議を開き、期限後の対応を決める。
〈2021.9.9 あなたの静岡新聞〉
 

出口戦略示し、実効性高めよ 静岡県病院協会長

静岡県病院協会・毛利博会長
静岡県病院協会・毛利博会長
 政府が静岡県などに対する緊急事態措置の延長を決めた9日、静岡県病院協会の毛利博会長(藤枝市病院事業管理者)が受け止めを語った。
     ◇    
 静岡県内の医療体制は病床使用率などほとんどの項目がステージ4(爆発的感染拡大)の目安を超え、逼迫(ひっぱく)している。延長判断は妥当だ。宣言解除の基準を感染者数より医療の負荷を重視するとした政府方針にも納得している。
 一方で東京などは度重なる延長で人々が疲れている。ゴールのないマラソンを走っているようなもので、静岡県民にも宣言の中身がどう響くかが重要だ。出口戦略を描き、メリハリを付けることで実効性を高める必要がある。
 ワクチン接種や陰性証明を条件に社会を動かそうという議論は賛成だ。政府は実証実験した上で酒類提供の制限や移動の自粛を緩和する考えという。失敗を恐れず、試行錯誤を繰り返せばいいと思う。
 県内の「第5波」はピークアウトの兆しが見える。ワクチン効果は明らか。軽症者への抗体カクテル療法も実施機関が増えている。学校が再開し、リバウンド(再拡大)の懸念はあるが、医療を確実に機能させ県民が感染に引き続き気をつける。その両輪で乗り越えたい。
〈2021.9.10 あなたの静岡新聞〉

「緊急事態」協力金申請受付 13日開始

まん延防止等重点措置と緊急事態宣言における協力金支給の概要
まん延防止等重点措置と緊急事態宣言における協力金支給の概要
 静岡県は新型コロナウイルス感染拡大を受けたまん延防止等重点措置に基づき、営業時間の短縮を要請した飲食店への協力金について9月1日から申請を受け付ける。県内は12日まで緊急事態宣言が発令されているが、重点措置分を先行して受け付けを開始し、迅速な支援につなげる。ただ、重点措置と緊急事態宣言は申請時期や支給額が異なり、混乱も想定される。
 県によると、申請対象となるのは、県の要請に応じて酒類やカラオケ設備を終日提供せず、午後8時以降休業した飲食店と大規模集客施設。中小企業は1日当たり3万~10万円が支給される。重点措置が適用されなかった川根本町以外の市町が対象になる。
 一方、緊急事態宣言での休業や時短要請に基づく協力金は9月13日から受け付ける。支給額は1日当たり4万~10万円。協力金は売り上げに応じて自ら計算し申請する。
 県はコールセンターを設置し、協力金に関する問い合わせを受け付けている。担当者は「分かりづらい部分もあると思うので、丁寧な説明を心掛ける」と話す。
 問い合わせは同センター<電050(5211)6111>へ。
​〈2021.8.24 あなたの静岡新聞〉