タケノコ王ってどんな人?
いつからかテレビのバラエティー番組でよく見掛けるようになった「タケノコ王」は、富士宮市に実在する人物です。風岡直宏さん(47)。本職ではどんな活動をしているのかな、どんな人なのかな…気になっていた方もおられるのではないでしょうか。まとめてみました!
〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・松本直之〉
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シャキシャキ食感♡こだわり「タケノコ王カレー」開発
テレビのバラエティー番組に出演し、“タケノコ王”として親しまれている風岡直宏さん(47)=富士宮市長貫=がこのほど、真富士屋食品(静岡市)と共同で静岡県産タケノコを使ったレトルトカレー「タケノコ王カレー」を開発した。県産タケノコの普及促進や農家の所得向上を目指す。

パッケージは風岡さんのイメージカラーのピンクを全面に、自身も登場するインパクトあるデザイン。風岡さんは「タケノコが苦手な方にも感動を届けられる商品。すべてにこだわった」と語る。
商品開発は風岡さんが日頃から交流のある福祉施設・市地域活動支援センターバンブーに収益を寄付することも目的の一つ。風岡さんが営む直売所にはセンターの利用者がタケノコ商品やサイン入り色紙を買いに訪れるといい、風岡さんは「商品開発を通じて彼らに恩返しがしたい。今後、彼らと一緒に仕事もできたら」と話す。
「風岡たけのこ園」直売所(同市長貫)や量販店などで販売中。
〈2021.8.17 あなたの静岡新聞〉
地元総菜店と「メンチカツ」を共同開発したことも
“タケノコ王”として知られる富士宮市の風岡直宏さんが1月6日、自身が監修したメンチカツ「タケノコ王メンチきってます」など総菜3品の販売開始に合わせ、富士市南松野の総菜店「フジヤマダイニングえびす」でタケノコをPRした。

会場では、富士市の若手農家でつくる「茶レンジャー」も茶や同店と共同開発したチョコなどを販売した。
〈2021.1.7 静岡新聞朝刊〉
元トライアスロンのプロ選手/タケノコにもプロ魂で挑む
テレビのバラエティー番組に出演し、“タケノコ王”として親しまれる富士宮市のタケノコ農家、風岡直宏さん(47)。静岡市葵区の主婦(30代)から「不思議で魅力的なキャラクター。今後の夢やプライベートが気になる。テレビ出演の際によく着ているピンクのタンクトップについても聞いてほしい」との依頼が届いた。富士宮市の直売所「風岡たけのこ園」を訪ねると、生産に懸ける熱い思いを語ってくれた。

■“日本一の味へ 命懸け”
2016年に経済紙で「タケノコで1億円稼いだ男」などと紹介された時、“タケノコ王”という見出しが付き、そう呼ばれるようになりました。農業は命そのものを扱う大切な仕事ですが、注目される機会は少ないです。テレビ出演を通じてタケノコ農家の仕事や、日本一の味を目指して命懸けで作っているタケノコを多くの人に知ってもらいたいと考えています。
生まれ育った旧芝川町は、自然豊かで交通アクセスも良い魅力的な場所ですが、高齢化や過疎化が止まりません。残念ながら、同級生のほとんどがこの土地を離れました。なので、ここで一緒に新しいことに挑戦したいという人を全国から呼び込みたい、という思いも強いです。
■“プロ魂は前職から”
タケノコ農家になって20年、年間300日以上を山の管理と収穫に当てています。「タケノコは勝手に生えてくる」と言う人がいます。でも、しっかりと研究した肥料を与え、適切に竹の伐採や草刈りを施した山のタケノコは、味が全く違います。私が育てたタケノコはあくが少なく、甘みが強い。ミシュランの星付き料理店でも採用されています。
若い頃、トライアスロンのプロ選手でした。今はタケノコ農家のプロ。プロは「安定した成績を長年にわたって出す人」だと思います。タケノコは通常、豊作の表年と不作の裏年が1年交代ですが、私の山には裏年はない。プロとして、体の故障がないように気を付け、徹底した山の管理をしています。
普段はピンク色とは限りません
選手時代、レースでピンク色のユニホームを着ていたため、テレビでは衣装として着ています。普段はピンク色とは限りません。ただ、春先からはタンクトップを着ることが多いです。もちろん、山では安全のため、袖付きの服を着ています。

体を動かし、忙しく働く今の生活が好きです。生涯現役でタケノコ農家の仕事を全うし、後継者も育てられればと思っています。
<Profile>
かざおか・なおひろ 1973年、旧芝川町(富士宮市)生まれ。短大時代にトライアスロンを始め、23歳までプロチームに所属し、国内レースで13勝。足の故障で引退後は工場勤務などを経て、クワガタとカブトムシの養殖販売を手掛けた。2001年から実家の竹林でタケノコ生産に取り組み、「風岡たけのこ園」を営む。