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スズキ・キャリイ 発売60年

 スズキが1961年に販売開始した軽トラック「キャリイ」。39年連続(1971~2009年)で国内トラック販売台数1位になるなど軽トラックの代名詞的な存在として愛されてきました。今年で発売60年となる名車の歴史を振り返りました。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・尾原崇也〉

最新仕様は「ぬかるみ脱出機能」追加 発売60周年記念車も

 スズキは軽トラック「キャリイ」シリーズの一部仕様を変更し、18日に発売すると発表した。発売60周年記念車も併せて発売する。磐田工場(磐田市)で生産する。

新機能を搭載したスズキのキャリイ
新機能を搭載したスズキのキャリイ
 タイヤがぬかるみにはまった時に自動制御で車輪の駆動力を高める「ぬかるみ脱出アシスト」機能を追加した。積載時の車体の沈み込みを防ぐため、一部機種に後部サスペンションを支える強化スプリングを付けた。
 特別仕様車の60周年記念車は、キャリイ初の4速AT(オートマチックトランスミッション)を採用した。
 キャリイは1961年10月に発売。個人商店や農業の現場などで使われ、国内累計販売台数は468万台。
 〈2021.8.18 あなたの静岡新聞〉

国内累計販売台数468万台 いろいろな顔を持っています

■ダンプなど特装車シリーズ

〈2013.10.23 静岡新聞朝刊〉
〈2013.10.23 静岡新聞朝刊〉
■「軽トラ市」出店を想定したコンセプトモデル
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〈2017.10.27 静岡新聞朝刊〉

■釣りを楽しむためにスズキが提案したカスタマイズカー
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〈2017.12.29 静岡新聞朝刊〉

■派生モデル「スーパーキャリイ」 誤発進抑制機能搭載
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〈2018.5.17 静岡新聞朝刊〉

■スーパーキャリイ、2019年に夜間歩行者検知機能の新機能搭載
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〈2019.9.3 静岡新聞朝刊〉

 

現行モデルは11代目 2013年にフルモデルチェンジ

 スズキは29日(※2013年8月29日)、14年ぶりにフルモデルチェンジした軽トラックの新型「キャリイ」を発表した。軽トラックではトップの燃費性能を実現し、小回りなどの使い勝手も良くした。9月20日発売。年間5万5千台の販売を目指す。

14年ぶりに全面改良したスズキの新型「キャリイ」=都内
14年ぶりに全面改良したスズキの新型「キャリイ」=都内
  ガソリン1リットル当たりの走行距離は18・6キロ。軽自動車用の最新エンジンの採用と最大50キロの軽量化で、現行モデルから約13%向上した。車体のレイアウトも見直し、荷台の広さを確保しながら室内空間も拡大。ホイールベース(車軸間距離)を短い仕様にすることで、小回り性能も高めた。
  価格は66万5700~113万5050円。磐田工場で生産する。従来のマツダに加え、日産自動車、三菱自動車にもOEM(相手先ブランドによる生産)供給する。
  キャリイは1961年に販売開始し、今回発表したモデルが11代目。国内累計販売台数は約420万台と軽トラックでは最多を誇る。
 〈2013.8.29 静岡新聞夕刊〉

スズキ、軽商用車の電動化対応を加速 ダイハツ、トヨタなどと連携 「地方の足」さらなる進化へ

 スズキは21日(※7月21日)、ダイハツ工業、トヨタ自動車などと軽商用車を軸にした電動化対応で連携する方針を打ち出した。世界的な電動化と脱炭素の波の中で、軽自動車シェアで計約6割を占めるトップ2社が協業を深める態勢が固まった。スズキの鈴木俊宏社長は「軽自動車をさらに磨き上げる」、トヨタの豊田章男社長は「軽をなくしてはいけない」と声をそろえ、「地方の足」とされる軽を次世代技術の活用でさらに進化させる決意を示した。

オンラインでの記者会見後、撮影のために並んだ(左から)トヨタ自動車の豊田章男社長、ダイハツ工業の奥平総一郎社長、スズキの鈴木俊宏社長
オンラインでの記者会見後、撮影のために並んだ(左から)トヨタ自動車の豊田章男社長、ダイハツ工業の奥平総一郎社長、スズキの鈴木俊宏社長
 同日のオンライン記者会見で鈴木社長は、今後のEV開発でバッテリー開発や充電ステーションなどのインフラ整備を課題に挙げ、「軽自動車という芸術品を極め、未来につなぐことが使命。『下駄の代わりに乗る』という軽の開発を極めたい」と語った。
 商用車全体の約6割を軽トラックなど軽自動車が占める現状も示し、「大型トラックの物流とラストワンマイルを担う小口配送の情報連携が課題。コネクテッド技術で一体化すれば大きな効率化につながる」と脱炭素に向けた軽の役割を強調。ダイハツの奥平総一郎社長も「これまでもスズキと一緒にできることはないか議論していた。大きなシナジー(連携)ができると考えている」と応じた。
 豊田章男トヨタ社長は、6月末に会長を退任したスズキの鈴木修相談役について「軽を日本の国民車に育て上げた『おやじ』」と愛着を込めて評した。その上で、「残された現役がしっかりと仕事をして、(修氏に)『自動車業界、軽のためにいいことをしてくれたね、ありがとう』と言わせたい」と述べた。
 〈2021.7.22 あなたの静岡新聞〉
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