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7月28日 朝の編集長セレクト

 おはようございます。東京五輪、盛り上がっていますね。きょうも注目競技が目白押し。しばらく寝不足が続きそうです。
 さて、きょうも知る・見る・学ぶ記事まとめ〈知っとこ〉は4回更新を予定しています。この時間は、きょうの注目記事を4本セレクトしてお届けします。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・石岡美来〉

ソフトボール「金」 渥美、山崎(常葉菊川高出)米攻略の要に

 東京五輪第5日の27日、ソフトボールの日本が決勝で米国を2-0で破り、金メダルに輝いた。山崎早紀と渥美万奈(ともにトヨタ自動車、常葉菊川高出)がともに先発し、渥美は四回に先制の内野安打を放った。

ソフトボール決勝で日本が米国を下して金メダルに輝き、上野由岐子(17)と抱き合って喜ぶ渥美万奈。右は山崎早紀=27日夜、横浜スタジアム(写真部・久保田竜平)
ソフトボール決勝で日本が米国を下して金メダルに輝き、上野由岐子(17)と抱き合って喜ぶ渥美万奈。右は山崎早紀=27日夜、横浜スタジアム(写真部・久保田竜平)

 ■米国との大一番 渥美の内野安打で先制
 東京五輪のソフトボール決勝で宿敵米国を破り、2008年北京五輪に続く13年ぶりの金メダルを獲得した日本代表。前日の予選リーグ米国戦で登板を回避した39歳のエース上野由岐子(ビックカメラ高崎)が、相手打線を抑えた。
 米国との大一番。上野は毎回のようにピンチを迎えるが、崩れない。四回、9番遊撃で先発した渥美万奈(トヨタ自動車、常葉菊川高出)の内野安打で1点を先制した。五回には藤田倭(ビックカメラ高崎)の適時打で追加点を奪い、六回に登板した後藤希友(トヨタ自動車)を経由し、最終回は再び上野がマウンドに上がって試合を締めた。
 五輪種目除外から13年。大きな目標を失い、引退した代表選手もいた。だが、上野をはじめ、打の主軸となる山田恵里(デンソー)、捕手の峰幸代(トヨタ自動車)らは歩みを止めなかった。
 ソフトボールは五輪での正式種目復帰を見据え、北京の栄光を知るベテラン組に若手を加え、2015年から国際大会で経験を積んだ。原則20人の強化指定選手を入れ替えながら合宿を重ね、五輪に照準を合わせた。
 12年に代表初招集された渥美は内野の要、遊撃を任され、日本の守備を支えた。16年に代表初招集された山崎早紀(トヨタ自動車、常葉菊川高出)は国際大会で求められる強い打力を買われた。今大会は5試合連続無安打と苦しんだが、決勝で二塁打を放った。俊足を生かした守備と走塁で難敵の攻略に貢献した。
 ソフトボールは24年パリ五輪で再び五輪から姿を消す。それでも山崎は言う。「次でなくなるのは残念だが、今後五輪で競技が復活するように若い世代に伝えたい。見ていて楽しい、やってみたいと思ってもらえればすごくよかった」。その思いが届いた金メダルだった。

 ■非常に誇らしい
 川勝平太知事の話 県民を代表して、心よりお祝い申し上げる。多くの県民が勇気づけられた。卓球混合ダブルスの金メダル獲得に続き、本県から4人の金メダリストを輩出することとなり、非常に誇らしく思う。

高冷地キャベツを試験栽培 JA静岡市、夏場安定供給へ 静岡・井川地区

 JA静岡市は本年度、同市葵区井川地区で高冷地キャベツの試験栽培を始めた。標高1200メートルの冷涼な立地を生かし、供給量が減少しがちな夏場のキャベツの安定供給につなげる狙い。「オクシズキャベツ」として産地ブランド化を図る。

高冷地キャベツの試験栽培に取り組む関係者ら=7月上旬、静岡市葵区
高冷地キャベツの試験栽培に取り組む関係者ら=7月上旬、静岡市葵区

 井川地区大日峠付近にある遊休農地50アールを活用し、4~6月にかけて2万本分を種から定植した。収穫は7月下旬から9月の見通しで、初年度は同JAが運営するファーマーズマーケット「じまん市」を中心に28日から販売する。
 同ファーマーズマーケットでは、例年7~10月に地元産のキャベツの入荷が減少し、他産地から仕入れているという。井川地区が高冷地栽培に適していることに着目し、本年度は同区の生産者、仲野益夫さん(68)が栽培を担い、同JAや市内の種苗店が営農指導に当たっている。
 供給量が減少する夏場の出荷は高単価が見込めることから、今後は井川地区をモデルケースにとし、「オクシズ」と呼ばれる市内中山間地での栽培普及、産地化も模索する。同JAの担当者は「生産者の所得向上や遊休農地の活用にもつなげたい」とする。

掛川のアマ天文家、新彗星発見 “西村彗星”「56年越しの夢」

 掛川市宮脇のアマチュア天文家西村栄男さん(72)が22日未明に新しい彗星(すいせい)を発見し、国際天文学連合(IAU)に「C/2021 O1(西村彗星)」と命名された。アマチュア天文家が彗星を発見するのは国内では数年に1回程度と珍しく、16歳から続けてきた西村さんは「56年越しの夢がかなった」と喜んだ。

デジタルカメラと赤道儀で彗星を探し続けてきた西村栄男さん=27日午前、掛川市
デジタルカメラと赤道儀で彗星を探し続けてきた西村栄男さん=27日午前、掛川市

 同市五明の茶畑で撮影した約540枚の写真を画像処理し、過去の画像と照合したところ、ぎょしゃ座の東に未知の星が見つかった。緑がかった色で周囲にぼんやりとガスが見え、天文家仲間と精査して彗星と確信。IAUに報告した。
 西村さんは年間250日ほど夜空の撮影を続け、国内アマでは屈指の29個の新星を見つけてきた。ただ、発見者の名前が星の名称として残る彗星は容易に見つからず、1994年に一度見つけた時は同時に2人の発見者がいて、3人連名になった。自分だけの彗星探しは長年の夢だった。
 近年は高度な機材がある外国の機関などが先行し、アマチュアが成果を出すのは難しくなっているという。自作の機材と粘り強さで対抗してきた西村さんは「確率はゼロではないと信じてきた。続けてきて良かった」と達成感をかみしめた。

新規99人 27日の静岡県内、クラスター3件【新型コロナ】

 静岡県内で27日、新型コロナウイルス患者1人の死亡と99人の新規感染が確認された。感染者数が90人を超えるのは5月15日以来、約2カ月半ぶり。下田市と三島市で新たに計3件のクラスター(感染者集団)が確認された。県は「首都圏のこれまでにない規模の感染拡大の影響が東部に押し寄せている」として、感染対策の徹底を求めた。

静岡県内の新型コロナウイルス感染者(27日現在)
静岡県内の新型コロナウイルス感染者(27日現在)
 県によると、下田市のクラスターはバー「COCO だっけ」(東本郷)と、接待を伴う飲食店「ナイトパブ・ONE・TWO・THREE」(同)で、それぞれ従業員と客計6人が感染した。4連休などに店を利用した人に拡大検査を受けるよう呼び掛けている。
 三島市のクラスターは大学サークル関係者で、7人の陽性が判明した。県は参加者11人が特定されているとして、大学名などを非公表にした。
 静岡市は14人の感染を確認した。このうち5人が公表済みの陽性者の濃厚接触者で、9人は感染経路調査中という。浜松市が感染確認を発表した13人はいずれも市内在住で、うち1人は航空自衛隊浜松基地に勤務する30代の男性自衛官。
 県内の累計感染者数は1万368人(再陽性者を含め1万369人)となった。
地域再生大賞