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7月21日 朝の編集長セレクト

 おはようございます。オリンピック開幕まであと2日ですね。きょう午前9時、全競技の口火を切って福島県でソフトボールの競技がスタートしました。
 知る・見る・学ぶ記事まとめ〈知っとこ〉は今日も4回更新を予定しています。この時間は、注目記事を4本セレクトしてご紹介します。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・村松響子〉

東京五輪、医療体制も臨戦 観客入れ開催の静岡県内「成功助けたい」

 東京五輪の開幕を目前に控え、自転車競技を観客入りで開く本県では、選手や関係者、観客に対応した医療体制の構築が進められている。今大会は新型コロナウイルス感染症の対応も加わって医療関係者の負担が増す中、地域住民に向けた医療の提供体制も維持した上で本番を迎える。

競技会場や選手村分村での業務に向けて打ち合わせをする医師ら=17日、伊豆の国市の順天堂大静岡病院(同病院提供)
競技会場や選手村分村での業務に向けて打ち合わせをする医師ら=17日、伊豆の国市の順天堂大静岡病院(同病院提供)
 新型コロナの感染防止策として、選手やコーチら関係者は毎日、検査を受け、行動範囲は宿泊先や練習会場などに限定される「バブル」方式を採用する。観客は競技会場出入り口で検温し、発熱があれば入場できない。マウンテンバイク(MTB)を行う伊豆MTBコース=伊豆市=とトラック種目を行う伊豆ベロドローム=同=の医療責任者を務める順天堂大静岡病院救命救急センター長の柳川洋一医師(58)は「感染防止策を徹底すれば、陽性者の発生率は低いだろう」と見通す。
 仮に選手や関係者が検査で陽性となった場合、一般の市民と同様に保健所が入院、療養先を指定する。ただ、無症状で入院の必要がない場合は「伊豆市の選手村分村で待機してもらうなど、他施設に影響を及ぼさないようにしたい」(東部保健所)という。
 新型コロナの他に懸念されるのが、屋外競技での熱中症患者の発生だ。コロナと同じ発熱症状を伴うため、柳川医師は「コロナを疑って対応する必要があり、労力がかかる」と打ち明ける。ロードレースのゴール地点となる富士スピードウェイ(小山町)を医療圏とする御殿場市医師会は、市救急医療センターの医師や看護師を増員して備える。
 伊豆市と小山町の各競技会場には選手と観客を区別した医務室が設けられ、地域の勤務医や看護師が中心となって対応する。順天堂大静岡病院は選手村分村にも24時間態勢でスタッフを配置する。
 市民へのコロナワクチンの接種も並行し、医療者は“フル稼働”で五輪期間を迎える。医務室への医師派遣や発熱外来での選手の診察などを担う富士病院(御殿場市)を運営する有隣厚生会の鈴木克行法人局長(64)は「職員も大会を応援したい気持ちはある。成功に寄与したい」と心意気を示す。

日常へ一歩 心境複雑...熱海土石流の一部被災者が帰宅 依然避難続く住民思い

 熱海市伊豆山の大規模土石流で、被災者が身を寄せていた市内の熱海ニューフジヤホテルの貸し切り期間が終了した20日、立ち入りが可能な区域に住む一部被災者が帰宅した。「やっと戻ってこられた」。久しぶりに家に帰り、安堵(あんど)する一方で、家屋の流失や損壊、ライフラインの遮断などで避難生活が続く被災者をおもんぱかる声も。複雑な思いを抱えながら、日常生活の一歩を踏み出した。

自宅付近の立ち入り禁止地区を確認する住民=20日午後、熱海市伊豆山
自宅付近の立ち入り禁止地区を確認する住民=20日午後、熱海市伊豆山
 「やっぱりわが家はいい。だけど…」。立ち入り禁止区域から約300メートルの自宅に戻った漁業島久生さん(58)は言葉を詰まらせた。避難先のホテルでは今朝まで、土石流に家がのみ込まれた知人らと過ごしていた。「『悪いけど先に帰るね』と伝えるしかなかった。心の整理ができず、家で何をしようかまとまらない」と話す。
 市によると、同ホテルに避難していた被災者のうち約100人が帰宅し、約350人は別のホテルに滞在する。捜索活動の拠点やライフラインの復旧に時間を要する地域の住民は、いまだ自宅付近に立ち入ることができない。家族での避難生活が続く会社員小松紀代美さん(47)は「衣食住が守られていてありがたい。ただ、いつ家に帰れるのか分からず、精神的な疲れもある」と漏らす。
 帰宅できた住民も、通行規制や立ち入り禁止区域などの制限を余儀なくされ、被災前の日常が遠いことを痛感している。家族6人で家に戻った高橋富江さん(68)は、土煙を上げながら自宅近くを往来する緊急車両やトラックを見つめた。「復旧や捜索活動はまだ続いている。妨げにならないように生活しようと強く意識している」と話す。

自動車減産や楽器納期遅れ 半導体不足、静岡県内にも影 コロナ禍、世界で需給変動

 世界的な半導体不足が静岡県内経済にも影響を及ぼしている。自動車メーカーが工場を停止したほか、電子楽器、家電関連も手探りの操業が続く。生産の遅滞は商品納期先送りなど消費にも影を落とす。新型コロナウイルスワクチンの接種進展で平常化に向かうはずの経済活動を阻害している。

在庫状況を気遣いながら電子ピアノを販売する楽器店=2日午後5時ごろ、浜松市中区のアオイ楽器店
在庫状況を気遣いながら電子ピアノを販売する楽器店=2日午後5時ごろ、浜松市中区のアオイ楽器店
 スズキは1、2日に湖西、1~9日(土日を除く)に相良の各工場で乗用車生産を停止した。工場の一時停止は4月から4カ月連続。8月にも湖西第2工場で1日間、相良で2日間稼働を一時停止する計画で、現在調整している。鈴木俊宏社長は「受注を多く抱えているので生産計画は変えず完遂したい」と意欲をみせる一方、早期の供給回復には慎重な姿勢を示す。
 巣ごもり消費で販売好調な電子楽器を生産する県内の一部楽器メーカーも供給不足で受注残を増やしている。ヤマハは約半年前から電子ピアノの納期遅れを取引先に案内し続ける。昨秋の発売直後から人気のデジタルサックスも受注から商品を届けるまで半年程度かかる状況という。楽器店は在庫状況を気遣いながらの販売を強いられている。
 コロナ禍で高水準の国内出荷額が続く白物家電を手掛ける県内のある工場もフル稼働とはほど遠い様子。ある工場の担当は「半導体の調達状況をみながら生産せざるを得ない状況」と現状を嘆いた。
 半導体不足はコロナ禍による急激な需給変動が原因とみられる。テレワーク普及によるパソコン特需に、一時の冷え込みから早期回復した自動車関連の需要が重なり、各メーカーで半導体を取り合っている状況という。
 国内外の半導体業界で増産対応がみられるが、高額をかけた大型設備が本格稼働するまで時間を要するのは必至。静岡経済研究所の恒友仁常務理事は「より多くの半導体を用いる電気自動車の普及も世界的に進む中、調達難はとても年内に解決しないだろう」と見通す。

 <メモ>半導体 電気を通す導体と電気を通さない絶縁体の中間の性質を備えた物質を指す。その性質がパソコンやスマートフォンなどの電子機器のほか、自動車や家電といった幅広い製品の制御に役立っている。温度を最適に保ったり、車の安全な運転を支援したりするためなどの「頭脳」として機能する。

 

翔洋、掛川西、磐田南など4回戦進出 高校野球静岡大会第5日

 第103回全国高校野球選手権静岡大会第5日は20日、草薙など8球場で3回戦16試合を行った。第5シード加藤学園が島田商に競り負け、第5シード桐陽は御殿場西との東部勢対決をサヨナラで制した。東海大翔洋と常葉大菊川によるノーシードの強豪対決は、翔洋の長村理央が初回に満塁本塁打を放ち、主戦鈴木豪太がリードを守った。磐田南は静岡市立との乱打戦を制した。第1シード藤枝明誠、第4シード静岡はコールド勝ちで4回戦進出を決めた。大会第6日は22日、草薙など4球場で4回戦8試合を行う。


20日の結果(3回戦)
▽あしたか球場
島田商3―1加藤学園
三島南3―1静岡商
▽富士球場
桐陽6―5御殿場西
知徳2―0静岡東
▽清水庵原球場
磐田南8―7静岡市立
浜松市立9―2藤枝西(7回コールド)
▽草薙球場
静岡7―0清水桜が丘(7回コールド)
富士市立7―1浜松北
▽焼津球場
藤枝明誠19―0池新田(5回コールド)
清流館11―2富士東(8回コールド)
▽島田球場
聖隷クリストファー5―1静岡大成
日大三島8―1横須賀(8回コールド)
▽掛川球場
掛川西9―4榛原
東海大翔洋5―2常葉大菊川
▽浜松球場
浜松工7―4浜松湖北
磐田東3―2島田

22日の試合(4回戦)
▽あしたか球場
島田商 ― 聖隷クリストファー
三島南 ― 富士市立
▽清水庵原球場
清流館 ― 掛川西
磐田南 ― 桐陽
▽草薙球場
藤枝明誠 ― 知徳
浜松市立 ― 静岡
▽浜松球場
浜松工 ― 東海大翔洋
日大三島 ― 磐田東