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球児の夏 激闘2回戦

 全国高校野球選手権静岡大会3日目は、2回戦16試合が県内8球場で行われました。サヨナラ勝ちや延長にもつれこむ激闘など好勝負が目立ちました。静岡商対常葉大橘の強豪校同士の一戦も。ダイジェストをお届けします。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・尾原崇也〉

 ⇒大会第3日の試合結果は速報ページでご確認いただけます

明誠、静岡…シード校順当勝ち上がり 静岡商は延長11回サヨナラ勝ち

 第103回全国高校野球選手権静岡大会第3日は17日、草薙など8球場で2回戦16試合を行い、第1シード藤枝明誠、第4シード静岡などシード校が順当に勝ち上がった。静岡商-常葉大橘の強豪対決は延長11回の激闘の末、静岡商がサヨナラ勝ち。三島南は主砲前田銀治の大会初安打を皮切りに打線がつながり、掛川工を突き放した。静岡は主戦高須大雅が投打に活躍し、浜名をコールドで退けた。熱海・佐久間の連合チームは池新田にコールドで敗れた。大会第4日は18日、草薙など8球場で2回戦の残り16試合を行う。

静岡商―常葉大橘 11回裏静岡商1死二塁、勝ち越しサヨナラ打を放ち、一塁スタンドに向けて拳を挙げる菊池=清水庵原球場
静岡商―常葉大橘 11回裏静岡商1死二塁、勝ち越しサヨナラ打を放ち、一塁スタンドに向けて拳を挙げる菊池=清水庵原球場

 ■17日の結果(2回戦)
▽あしたか球場
三島南10―4掛川工
藤枝西11―4沼津城北(7回コールド)
▽富士球場
知徳11―4三島北(7回コールド)
富士市立7―0浜松南(7回コールド)
▽清水庵原球場
静岡商6―5常葉大橘(延長11回)
日大三島10―2遠江総合(7回コールド)
▽草薙球場
静岡7―0浜名(8回コールド)
浜松北7―5科学技術
▽焼津球場
藤枝明誠9―0静岡北(7回コールド)
横須賀4―3湖西
▽島田球場
静岡東3―2浜北西(延長11回)
池新田13―1熱海・佐久間(6回コールド)
▽掛川球場
島田12―5袋井
清水桜が丘8―5浜松西
▽浜松球場
磐田東3―1浜松学院
浜松市立3―1伊豆中央

静岡商 菊池が殊勲のサヨナラ打 常葉大橘に雪辱 「前監督に恩返し」でチーム一丸

静岡商ー常葉大橘 勝ち越しサヨナラ打を放った菊池を出迎え勝利を祝う静岡商ナイン=清水庵原球場
静岡商ー常葉大橘 勝ち越しサヨナラ打を放った菊池を出迎え勝利を祝う静岡商ナイン=清水庵原球場
 ▽2回戦(清水庵原第1試合)
常葉大橘
10000130000―5
20000000301x―6(延長11回)
静岡商
▽二塁打 菊池3(静)▽暴投 望月(常)中沢2(静)
▽試合時間 2時間57分

 【評】シーソーゲームの末、静岡商が土壇場で追い付き、常葉大橘を延長十一回に振り切った。
 静岡商は3点のリードを許して迎えた九回裏、小松、菊池、曽根が適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。十一回には菊池がサヨナラ適時二塁打で勝負を決めた。
 常葉大橘は安打を重ねたが及ばなかった。


 ■前監督に勝利で恩返し 菊池ら成長披露
 高田晋松前監督が指揮を執った昨秋、常葉大橘に2敗を喫した静岡商。今大会では雪辱を果たそうと相手に食らいついて11回を戦い抜き、劇的なサヨナラ勝ちを演じた。
 1回戦の後、次の対戦相手が決まってから曲田新監督は「勝って高田監督に恩返しだ」と選手に言い続けた。成長した姿を見せて勝利をプレゼントしよう―。静商ナイン全員に共通した思いが、数字に表れない強さを生んだと曲田監督は総括する。
 活躍が光ったのは、昨秋の戦いでファウルボールを4度落球した捕手菊池。4打数3安打2打点で、安打は全て二塁打。半年間の成果をしっかり披露した。
 最大の見せ場は十一回裏、1死二塁の好機で内角に来た変化球を捉えてレフト方向に飛ばし、サヨナラの走者小松を生還させた。小松とは、主将の小西と3人で3年間下宿を共にしてきた仲。「“家族”に好機をつないでもらった」と菊池は笑顔を見せた。

三島南、春夏聖地へ冷や汗発進 プロ注目 前田が決勝打

三島南―掛川工 7回裏三島南2死一塁、前田が勝ち越しの適時二塁打を放つ=あしたか球場
三島南―掛川工 7回裏三島南2死一塁、前田が勝ち越しの適時二塁打を放つ=あしたか球場
 ▽2回戦(あしたか第1試合)
掛川工
100030000―4
10030042×―10
三島南
▽本塁打 深瀬涼(三)
▽三塁打 守谷(掛)▽二塁打 前田(三)▽守備妨害 中村(掛)
▽試合時間 2時間20分

 【評】三島南が終盤の猛攻で掛川工を突き放した。
 三島南は四回、深瀬涼が3点本塁打。同点の七回に2死から死球で出塁すると、前田の適時二塁打など5連打で4点を奪った。先発植松は苦しみながらも要所を締めた。
 掛川工は好機はつくったが残塁10。五回に守谷が2点適時三塁打を放つなど粘ったが、終盤は力負けした。


 ■前田 終盤に本来の姿 7回の5連打口火
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三島南―掛川工 7回裏三島南2死一塁、勝ち越しの適時二塁打を放ち喜ぶ前田(右)=あしたか球場

 今春選抜に出場した三島南は掛川工に苦戦を強いられていた。四回に深瀬涼が3ランを放ったものの追いつかれ、試合は終盤に突入。どちらに流れが傾いてもおかしくなかった。
 沈滞ムードを吹き飛ばしたのは俊足強打でプロ注目の前田だ。七回2死一塁の場面で打席に入ると、ベンチから伝令が飛び出してきた。「顔が怖いぞ。楽しんでプレーしろ」
 稲木監督からの指示で、前田は肩の力が抜けたという。「最後の夏。負けたくない気持ちが強過ぎたが、リセットできた」。その直後、外角直球をきれいにセンター前にはじき返して勝ち越しに成功した。
 打つべき選手が打ち、チームは波に乗った。この回5連打で一挙4得点。口火を切った前田は「切り込み隊長としてエンジンを掛けることができた」と声を弾ませた。
 6月の練習試合でコールド負けしていた掛川工との初戦を乗り切り、稲木監督は「後半は落ち着いて戦えたのでは」と納得の表情。難敵静岡商との20日の3回戦を前に、春夏甲子園出場を目指すナインが本来のプレーを思い出した。

熱海・佐久間 完全燃焼 「被災地に勇気届ける」で団結 池新田に敗戦

試合終了後、持てる力を出し切り、すがすがしい表情を見せる熱海・佐久間の連合チームの選手たち=島田球場
試合終了後、持てる力を出し切り、すがすがしい表情を見せる熱海・佐久間の連合チームの選手たち=島田球場
 ▽2回戦(島田第2試合)
池新田
204304―13
100000―1(6回コールド)
熱海・佐久間
▽三塁打 増田悠(池)▽二塁打 増田陽2、杉村、山下、松下(池)北野谷(熱)▽ボーク 望月(熱)
▽試合時間 2時間5分

 【評】池新田が熱海・浜松湖北佐久間の連合チームに六回コールド勝ちを収めた。
 池新田は初回、増田陽の適時二塁打で2点を先制。三、四回には長短6安打と相手の敵失で7点を追加した。六回にも増田悠の三塁打などで4点を奪い、勝負を決めた。
 連合チームは池新田3投手の継投に打線が沈黙した。


 ■熱海・佐久間 敗退も「最高の仲間」
 熱海の4人と浜松湖北佐久間の5人で挑んだ連合チーム。距離的ハンディを背負いながらも少ない練習機会で結束を強めてきた。古谷田監督は「彼らなりに精いっぱいの力を出してくれた」と涙ながらに選手をたたえた。
 連合チームは週末、主に練習試合、平日は各校で練習し、SNSで連絡を取りあうなどして結束を高めた。大会を目前に控え、熱海市を突如襲った大規模な土石流。古谷田監督は「プレーで被災地に勇気を届けよう」とナインを鼓舞し、チームはより団結した。
 初回に2点を先行されたが、田辺主将の適時打ですぐさま1点を返し、意地を見せた。失策などで追加点を許し、苦しい展開が続いてもナインは声を掛け合い、最後まで戦いきった。
 アルプスには地元住民をはじめ、多くの関係者が詰めかけ、連合チームを後押しした。田辺主将は「最高の仲間と最高の舞台に立てて良かった」とすがすがしい表情でグラウンドを去った。