知っとこあなたにおすすめ

〈 五輪事前合宿 静岡の動きは 〉

 東京五輪に出場する卓球のシンガポール代表選手団が27日来日し、事前合宿先の島田市に到着しました。海外選手の静岡県内入りは初めてで、大会に向けた最終調整を行います。コロナ対策をはじめ、受け入れの変更や中止など各自治体の動きをまとめました。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・寺田将人〉

卓球シンガポール選手団、島田市に到着 コロナ対策徹底

 東京五輪に出場する卓球のシンガポール代表選手団が27日来日し、事前合宿先の島田市に到着した。事前合宿を行う海外選手の静岡県内入りは同市が初めて。新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し、市総合スポーツセンター「ローズアリーナ」を拠点に7月18日まで滞在、大会に向けた最終調整を行う。

マスクを着け一定の距離を取り、滞在先のホテルに到着したエディ・テイ・ハンチョン監督(右)ら卓球のシンガポール代表選手団=27日午後、島田市内
マスクを着け一定の距離を取り、滞在先のホテルに到着したエディ・テイ・ハンチョン監督(右)ら卓球のシンガポール代表選手団=27日午後、島田市内
 選手団は今後合流するメンバーを含めた16人で、全員ワクチン接種を済ませているという。この日は女子団体のリン・イエ選手(24)ら6人が午前9時ごろ、直行便で愛知県の中部空港に到着。空港検疫で全員の陰性を確認し、午後1時過ぎにバスで島田市内の滞在先のホテルに到着した。
 一般利用客との接触を避けるため、正面玄関とは別の入り口から貸し切りフロアへと移動した。数人ずつ時間差でバスを降りるなど感染防止対策を徹底する中、選手らは報道陣に笑顔で手を振り、ホテルに入った。期間中はホテルと練習会場の往復のみで、買い物などは市職員が代行する。スタッフを含めて毎日PCR検査を受ける。
 島田市での合宿は2019、20年に続き3回目。エディ・テイ・ハンチョン監督(43)は「再び島田に戻って来れることを楽しみにしていた」、リン・イエ選手も「ベストを尽くしてメダルを取りたい」と市を通じてコメントした。
 29日に練習を開始し、週2回程度、一般公開する方向で調整している。市文化資源活用課の松本知保美課長は「感染対策をしっかり行って市民にも安心してもらい、選手を全力でサポートしたい」と話した。7月以降、各国選手団が県内自治体に入る見込み。

 ■元記事=卓球シンガポール選手団 五輪事前合宿、島田市に到着(「あなたの静岡新聞」2021年6月28日)

練習風景の見学など可能な範囲の交流模索 受け入れ先の島田市

 東京五輪・パラリンピックの出場国・地域を全国各地の自治体が受け入れる事前合宿。新型コロナの影響で中止や規模縮小を余儀なくされる中、静岡県内では27日に来日するシンガポール卓球選手団を受け入れる島田市が県内初のケースとなる見込みだ。9日時点で同市を含めた13市が準備を進める。職員は「安心して練習に打ち込んでほしい」と感染防止対策の徹底を図りつつ、練習風景の見学など可能な範囲での交流を模索している。

練習会場の受け入れ準備を進める職員=8日、島田市総合スポーツセンター「ローズアリーナ」
練習会場の受け入れ準備を進める職員=8日、島田市総合スポーツセンター「ローズアリーナ」
 シンガポールの卓球選手団はメダル候補も含めた男女の選手4人に監督、練習パートナーを加えた計18人が6月27日~7月18日に島田市に滞在する予定。宿泊先のホテルは1フロアを貸し切り、期間中は原則、ホテルと練習会場の市総合スポーツセンター「ローズアリーナ」の往復のみ。選手は毎日PCR検査を受ける。期間中の買い物は職員が代行し、選手がエレベーターに乗る際も同行するなど徹底して一般客との接触を避けるという。
 対面式の交流は行わないが、「一流のプレーを見ることのできるチャンス」(市文化資源活用課)としてメインアリーナ2階席からの見学を受け入れる方針。会場には、市民に親しみを持ってもらおうと選手の紹介パネルを展示した。
 袋井市にはアイルランドの選手団が7月5日から入る。陸上、バドミントン、乗馬など種目も多く、スタッフを含め予定通り来日すれば約100人と規模が大きい。スポーツ政策課の担当者は「感染症対策を考えると職員の増員も難しい」と苦悩を語る。選手と市民の動線を分けることが可能なエコパスタジアムでの見学受け入れを計画中だ。
 7月10日以降4競技79人のブラジル選手団を受け入れ予定の浜松市も「ホストタウンとして何らかの市民交流は実現したい」(市スポーツ振興課)という立場だが、担当者は「日本のワクチン接種が遅れているという面で選手側の警戒感もある」と明かす。観客席と会場でマイクを使ったやりとりなどが可能か、慎重に協議を進めているという。

 ■元記事=海外勢もうすぐ静岡へ シンガポール卓球、27日島田入り 「安心して合宿を」準備入念(「あなたの静岡新聞」2021年6月10日)

イタリア柔道チームは藤枝から御殿場に合宿地を変更

 藤枝市が受け入れ準備を進めてきた東京五輪イタリア柔道チームの事前合宿場所について、同国空手チームの合宿地である御殿場市の「時之栖」に変更する方向で両市が調整していることが21日、関係者への取材で分かった。宿泊、食事、練習の各施設が一つの敷地内にある御殿場会場の方が、「バブル方式」を導入しての新型コロナウイルス感染症対策を進めやすいことなどが決め手になったとみられる。

イタリア空手代表チームと交流する子どもたち。藤枝市の児童も参加した=2019年8月、御殿場市の時之栖
イタリア空手代表チームと交流する子どもたち。藤枝市の児童も参加した=2019年8月、御殿場市の時之栖
 月内にも両市長らが合同で記者会見して表明する見通し。受け入れ主体は藤枝市で変わらず、同市職員がチームに帯同し、同市が費用を負担する。御殿場市が空手チーム向けに構築した感染症対策を用いる。
 関係者によると6月上旬、同国の柔道や空手の関係組織が加盟するイタリア格闘技連盟から藤枝市に会場変更の打診があった。一般市民ら外部と、チーム関係者との接触を防ぐ「バブル」の形成には膨大な準備が必要になり、会場を統一することで負担軽減を図る。コロナ禍で新幹線が利用できず車移動になるため、首都圏の空港や競技会場への移動距離を考慮して御殿場市への変更を決断した。
 藤枝市は、市街地にある県武道館とホテルの2施設を使って対応する方針だった。
 時之栖での事前合宿は柔道が7月中旬から、空手が同下旬からの予定。それぞれ20~25人程度を受け入れる。藤枝市民と柔道選手たちの交流については、当初の予定通りオンライン形式で実施する見込み。

 ■交流活発な2市 連携実現
 連携してイタリアチームの事前合宿を受け入れる方向で調整を進めている御殿場市と藤枝市はともに、東京五輪・パラリンピックのホストタウンとして同国の格闘技連盟と関係を深めてきた。
 日本国内で空手と柔道の国際大会が開かれた2019年夏、イタリアの空手チームは御殿場市、柔道チームは藤枝市でそれぞれ強化合宿に臨んだ。両競技に取り組む2市の子どもたちも互いの市の練習会場を訪れ、選手たちと触れ合った。
 五輪・パラ大会を見据え、国境や市域を越えて活発な交流を図ってきたことが、さまざまな行動制限がかかるコロナ禍でスムーズな協力態勢を構築することにつながった。
 同国には多くの強豪選手がいてメダル獲得の期待も大きい。御殿場市の関係者は「選手たちにベストな状態で大舞台に臨んでもらうことが最優先。できる限りの支援をしたい」としている。

 ■元記事=イタリア柔道チーム事前合宿場所、藤枝から御殿場へ変更 コロナ対策 東京五輪代表(「あなたの静岡新聞」2021年6月22日)

事前合宿中止や縮小の自治体も コロナ禍で動き拡大

 東京五輪・パラリンピックに出場する国・地域の選手を事前合宿で受け入れる予定だった静岡県内16市のうち、静岡、焼津、下田、伊豆の国、掛川、浜松の6市が中止、または規模縮小の対応を取ることが22日(※5月22日)までの取材で分かった。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴う判断。五輪開幕まで約2カ月に迫るものの感染収束の兆しはなく、「協議中」と回答した自治体も複数あった。中止や規模縮小の動きはさらに拡大する可能性がある。

東京五輪・パラリンピック事前合宿の県内状況
東京五輪・パラリンピック事前合宿の県内状況
 事前合宿の開始時期は五輪競技が6、7月、パラ競技が8月に集中する。静岡市は「コロナの影響による相手方の意向」を理由に、スペインの五輪・バドミントンとモーリシャスの五輪パラ8競技による事前合宿の中止を決めた。一方、スペインのパラ・バドミントンは「調整中」、台湾の五輪・陸上は「延期」とそれぞれ説明した。
  浜松市はブラジルの事前合宿について、五輪の7競技162人を4競技79人の規模に縮小する。パラの19競技に関しては「調整中だが、規模縮小が濃厚」だという。米国の五輪・水泳飛び込みは計画通り受け入れる予定。
  事前合宿を受け入れる自治体の多くはホストタウンとして大会後も交流の継続を目指している。沼津、三島、富士宮、島田、御殿場、袋井、牧之原の7市は計画通り事前合宿を実施予定。コロナ禍を踏まえ「選手と市民の交流はオンラインを検討する」(御殿場)などの意見が上がった。下田市で中止になった米国の五輪・サーフィンの事前合宿は牧之原市に統合された。
  スイス、ラトビア、モンゴルが事前合宿を行う富士市は、日程を協議中の一部競技を除いて計画通り。湖西市はスペインの五輪・卓球の受け入れに向けた協議を続けていて「コロナから選手の身を守る方法を検討中」とした。藤枝市は相手国のイタリアと「協議中」という。

 ■元記事=県内事前合宿 中止・縮小6市 コロナ禍見通せず 本社調べ 感染次第で動き拡大も(2021年5月23日静岡新聞朝刊)