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〈 農家「がく然」 相次ぐ作物窃盗 〉

 静岡県内で野菜や果樹が農地から盗まれる被害が相次いでいます。静岡市でビワ、森町でトウモロコシ、焼津市でマンゴー…。丹精込め育ててきた生産者はやり場のない憤りにさいなまれています。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・松本直之〉

果樹園からビワ10キロ盗まれる 静岡市駿河区

 9日午前、静岡市駿河区大谷の果樹園で収穫時期を迎えたビワの果実約10キロが盗まれているのを同園を管理する農業の男性(61)が見つけた。静岡南署によると、被害は2万円相当とみられ窃盗事件として捜査している。

果実がもぎ取られたビワの木(果樹園を管理する男性提供)
果実がもぎ取られたビワの木(果樹園を管理する男性提供)
 男性によると、果樹園内に生えているビワの木は1本で、果実がほぼ全てもぎ取られていた。7日午前に同園で作業をした際には異常はなかったとみられる。ビワは実の状態が良い年は出荷することもあるといい、男性は「これまでに少量の被害は度々あったが、ここまで大量に盗まれたのは初めて。憤りを感じる」と唇をかむ。また「付近でミカンやキウイフルーツも育てているので、今後の被害も心配」と話す。
 同署は巡回などの強化とともに、犯人につながる情報提供を呼び掛けている。
 県内では同市清水区や焼津市、森町などでも農作物の窃盗被害が相次ぎ、県警が警戒を強めている。

森町では最盛期「甘々娘」3千本 50万円相当

 5日未明、森町谷中の畑でトウモロコシ約3千本が盗まれているのを同町内の所有者の男性農業者(59)が見つけた。強い甘みが人気の品種「甘々娘」で、5月末に収穫が始まり、今が最盛期。袋井署によると、被害は50万円相当とみられ、同署が窃盗事件として捜査している。

森町特産のトウモロコシ「甘々娘」
森町特産のトウモロコシ「甘々娘」
 被害に遭った生産者によると、5日午前3時から同4時ごろ畑に向かうと、収穫を予定していた箇所のトウモロコシが大量にもぎ取られていた。前日の4日朝の作業以降に盗まれたとみられる。男性は「がく然とした。過去にごく少量の被害はあったが、こんなに大規模に盗まれたのは初めて」と肩を落とした。
 周辺一帯はトウモロコシ畑や田んぼが広がる。同署によると、同日までに近隣で同様の被害の届け出は無かった。今後巡回を強化するという。

焼津ではマンゴー100個盗難 16万円相当

 4日夕方から5日朝にかけて、焼津市惣右衛門の農業用ビニールハウス内からマンゴーの果実約100個(16万円相当)が盗まれた。焼津署が窃盗事件として調べている。

静岡県警
静岡県警
 同署によると、ハウスを管理する農業男性(72)が5日午前6時半ごろに被害に気付いた。前日午後6時ごろまでに異常はなかったとみられる。ハウスは無施錠だった。
 収穫は1カ月ほど先の予定で、まだ熟していなかったという。マンゴーは1個1500円前後で販売されるという。

静岡県警、警戒を強化 生産者にも注意呼び掛け

 焼津署、焼津地区防犯協会、JA大井川は10日、焼津市内で発生したマンゴーの窃盗事件を受けて、農業生産者に対する啓発活動を市内のJA直売施設「まんさいかん焼津」で実施した。

生産者(左)に注意を呼び掛ける署員=10日午前、焼津市のまんさいかん焼津
生産者(左)に注意を呼び掛ける署員=10日午前、焼津市のまんさいかん焼津
 署員や防犯指導員、JA職員の計約15人が、商品納入に訪れる生産者に「今、農作物が狙われている」と書かれたチラシを配りながら、ビニールハウスに鍵を掛けることや、防犯カメラやセンサーライトの設置など防犯上の注意を呼び掛けた。
 同市では4日夕方から5日朝にかけて、農業用ビニールハウスから、収穫を控えたマンゴーの果実約100個が盗まれる事件が発生している。
 市内で農家を営む松下典夫さんは「収穫前の農作物を盗むことは許せない。地域で連携して対策をしていきたい」と話した。同署の佐野拓也生活安全課長は「地域住民の目が重要。不審者を発見したら警察署に連絡してほしい」と呼び掛けた。