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〈 ワクチン 予約混乱の静岡市陳謝 〉

 新型コロナウイルスワクチンの予約を巡り混乱が続いていた静岡市。田辺信宏市長は4日の定例記者会見で「予約を待っている皆さんに迷惑をかけて申し訳ない」と陳謝し、改善に取り組む意向を示しました。一時停止している予約の再開の見通し、これまでの経緯などをまとめました。
〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・松本直之〉 

接種予約再開は6月14日に 当初予定からずれ込む

 新型コロナウイルスワクチン接種の予約枠が定員に達し、予約を一時停止している静岡市は4日、予約再開が当初予定していた12日から14日にずれ込むと発表した。田辺信宏市長は同日の定例記者会見で「予約を待っている皆さんに迷惑をかけて申し訳ない。高齢者の7月中の接種完了に向けて見直し、改善を図る」と陳謝した。

静岡市役所
静岡市役所
 接種を加速するために設置する大規模接種会場を、大型商業施設「静岡マルイ」跡(葵区)とJR静岡駅南口のホテルグランヒルズ静岡(駿河区)に決めたと正式に発表した。さらに、追加で大規模接種会場の増設を検討していることも明らかにした。
 市は高齢者のワクチン接種を年代の高い順に段階的に接種券を発送している。75~84歳の市民に接種券が届いた5月末から予約が急増し、6月2日までに予約可能な6万人分の枠が埋まった。予約再開後の申し込み集中や混乱を緩和するため、65~74歳の接種券発送日を当初の11日から5日程度遅らせる。
 〈2021.6.4 あなたの静岡新聞 ▶元記事

市の制度設計に甘さ 医療機関から憤りの声

 新型コロナウイルスワクチンの予約が進まず医療機関が接種者探しに追われた静岡市で、今度は一転、予約の殺到で市が受け付けを一時停止する事態になった。一連の混乱について接種に協力する地元の医師からは3日までに、市の制度設計の甘さを指摘する声が上がった。接種の加速に向けて、予約システムの改修など制度の迅速な見直しが欠かせない。

医療機関から連絡を受け、接種に臨んだ介護従事者(左)。予約が埋まらなかった医療機関は接種者探しに追われた=5月下旬、静岡市葵区(写真の一部を加工しています)
医療機関から連絡を受け、接種に臨んだ介護従事者(左)。予約が埋まらなかった医療機関は接種者探しに追われた=5月下旬、静岡市葵区(写真の一部を加工しています)
 「市の計画では、混乱が生じることは目に見えていた。4月から混乱を抑える方法を求めていたのに…」。静岡市静岡医師会の福地康紀会長は、医師会側の要望を聞き入れずに予約を始めた市や関係先に憤りを隠せない。
 同市では市内297の医療機関が協力し、個別、集団、巡回の3方式を用意した。高齢者は85歳以上、75~84歳、65~74歳に区分し、段階的に接種券を発送、予約を受け付ける方法を取った。だが、85歳以上(約4万2千人)の予約は進まず、設定した予約枠が埋まらない医療機関は接種者探しを強いられた。
 低調な予約状況を受け、市は75~84歳への接種券を前倒して発送した。だが、システム上に設けた予約枠は対象者数より少なく、予約の取れない高齢者が続出するのは必然だった。同医師会は、予約枠と接種対象人数のバランスを考えて第2弾の予約対象を80~85歳に絞るよう要望していた。
 田辺信宏市長は5月28日の定例記者会見で「医師会とのコミュニケーションが欠如していた」と陳謝し、事業の改善が必要との認識を示していた。
 市は新しい予約システムの導入などに向けて、医師会と協議を続けているという。福地会長は「緻密な計画を立て、予約再開時期を早く市民に周知すべき」と訴えた。
 
 ■接種の間隔をそろえる機能 要望反映されず
 静岡市の予約システムは、市が大手旅行会社「JTB」に委託した。システムは、2回の接種間隔を3週間にそろえる機能などが設定されず、医療機関からは「現場の負担軽減どころか、間違った予約を修正する作業が増えた」と不満が続出した。
 同市静岡医師会は市とJTBに対し、2回の接種間隔を3週間にそろえ2回とも同じ接種会場にするため、1回目の予約時に自動的に2回目が予約される機能の設定を求めたという。しかし要望は反映されず、2回目の接種日は1回目から最大1カ月後まで選択できる形に。医療機関は予約者に、2回目の接種日や接種会場を正しく修正するように促す作業などに追われたという。
 市は今後、大規模接種会場も設ける予定で、システムの運用は一層重要になる。市の担当者は「医師会の意見を聞きながら、システムを練り直し体制を整えたい」と話した。
 〈2021.6.4 あなたの静岡新聞 ▶元記事

予約枠埋まらず…当初は余剰ワクチンの接種者確保に苦慮

 静岡市で24日、85歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルスのワクチンの個別接種が始まった。ワクチンの廃棄防止のため先週末に市と地元医師会が協議した結果、余ったワクチンの接種対象を65歳以上に広げる方針を急きょ決めてスタートさせたが、市内の各医療機関は外来患者に声を掛けるなどして余剰が出た際の接種対象者確保を強いられている。かかりつけの高齢患者がいない小児科などは余剰分の接種対象者探しに苦労するなど、課題は山積だ。

静岡市で始まった新型コロナウイルスのワクチン個別接種。接種者の確保に苦労する医療機関は少なくない=24日午後、静岡市葵区の「はとりこどもクリニック」
静岡市で始まった新型コロナウイルスのワクチン個別接種。接種者の確保に苦労する医療機関は少なくない=24日午後、静岡市葵区の「はとりこどもクリニック」
 同市駿河区の東新田福地診療院では再来週に余剰が発生する可能性があり、高齢患者が来院した際に予約を呼び掛けている。市静岡医師会会長の福地康紀院長は「対象者が広がり、廃棄を避けられそう」と受け止める。
 一方で「高齢者や介護施設とのつながりがなく、接種者を探すのは非常に困難」と訴えるのは、「はとりこどもクリニック」(同市葵区)の水野恵介院長。初日は4人分の予約が埋まらず、近隣の介護施設に声を掛け、介護従事者に接種して廃棄せずに済んだ。今後も接種対象者を探す必要があり、水野院長は「行政が介護施設の所在などを具体的に示してほしい。自院で探すのは現実的ではない」と指摘する。
 同医師会は市ケアマネット協会に介護事業所の情報提供を依頼したという。市保健予防課の杉山智彦課長は「情報提供にできる限り協力し、高齢者の接種券発送の前倒しも検討する」と話す。
 同市のワクチン接種は、接種券の交付を受けた人がインターネットや電話で接種日や接種会場を決めて予約する。総合病院のほか、内科、小児科、外科、耳鼻科など297の医療機関が協力する。関係者によると、当初の接種対象を85歳以上に絞ったことなど複数の要因が重なり、ワクチンが余る状況が発生した。
 同医師会は予約枠が埋まらずに大量の余剰ワクチンが廃棄されると問題視。市は余剰分の接種対象を拡大したほか、医療機関がワクチン配送時にバイアル(瓶)を市保健所に返却することを可能とした。返却分は集団接種で活用する。
 〈2021.5.25 あなたの静岡新聞 ▶元記事

85歳以上の予約は5月10日に始まった

 静岡市は10日、85歳以上の高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの接種の予約受け付けを開始した。電話とインターネットで受け付けたが、専用コールセンターは電話が殺到してつながりにくい状況が続き、市新型コロナウイルスワクチン接種推進本部などに苦情が相次いだ。

静岡市民からの問い合わせに応じる市職員ら=10日午後、市役所静岡庁舎(写真の一部を加工しています)
静岡市民からの問い合わせに応じる市職員ら=10日午後、市役所静岡庁舎(写真の一部を加工しています)
 コールセンターの電話回線を当初の32回線から64回線に倍増して円滑化を図ったが、対応が追いつかなかった。インターネットは午前9時の開始直後はサイトにつながりにくかったものの、1時間程度で復旧した。
 市は「85歳以上」「75歳以上84歳以下」「65歳以上74歳以下」と年代の高い順に段階的に接種券を発送する方針を定め、85歳以上は最も早く4月30日から発送した。初日の午後2時時点で対象者約4万2千人のうち2479人が予約した。推進本部によると、予約のうち電話が333人、ネットが2146人だった。
 接種の開始日は5月24日。同本部は現時点で約6万7500人分のワクチンが確保されているとし、担当者は「慌てずに申し込みを」と呼び掛けている。
 他の世代の接種券の発送は、75歳以上84歳以下が5月下旬、65歳以上74歳以下が6月中旬、17歳以上64歳以下が7月下旬を予定している。
 〈2021.5.11 あなたの静岡新聞 ▶元記事