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3時のアフタヌーンクリップ

 こんにちは。我が家の食卓にシラスがあがるようになりました。シラスはこれからが旬。駿河湾の恵みを堪能します。さて、この時間は今読まれている記事や、編集部で話題に上った記事をピックアップして4本紹介します。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・尾原崇也〉

ピンク以外の服も着ます あの人に聞きたい/タケノコ王 風岡直宏さん(富士宮市)【NEXT特捜隊】

 テレビのバラエティー番組に出演し、“タケノコ王”として親しまれる富士宮市のタケノコ農家、風岡直宏さん(47)。静岡市葵区の主婦(30代)から「不思議で魅力的なキャラクター。今後の夢やプライベートが気になる。テレビ出演の際によく着ているピンクのタンクトップについても聞いてほしい」との依頼が届いた。富士宮市の直売所「風岡たけのこ園」を訪ねると、生産に懸ける熱い思いを語ってくれた。

風岡直宏さん(富士宮市)
風岡直宏さん(富士宮市)

 ■“日本一の味へ 命懸け”
 2016年に経済紙で「タケノコで1億円稼いだ男」などと紹介された時、“タケノコ王”という見出しが付き、そう呼ばれるようになりました。農業は命そのものを扱う大切な仕事ですが、注目される機会は少ないです。テレビ出演を通じてタケノコ農家の仕事や、日本一の味を目指して命懸けで作っているタケノコを多くの人に知ってもらいたいと考えています。
 生まれ育った旧芝川町は、自然豊かで交通アクセスも良い魅力的な場所ですが、高齢化や過疎化が止まりません。残念ながら、同級生のほとんどがこの土地を離れました。なので、ここで一緒に新しいことに挑戦したいという人を全国から呼び込みたい、という思いも強いです。

 ■“プロ魂は前職から”
 タケノコ農家になって20年、年間300日以上を山の管理と収穫に当てています。「タケノコは勝手に生えてくる」と言う人がいます。でも、しっかりと研究した肥料を与え、適切に竹の伐採や草刈りを施した山のタケノコは、味が全く違います。私が育てたタケノコはあくが少なく、甘みが強い。ミシュランの星付き料理店でも採用されています。
 若い頃、トライアスロンのプロ選手でした。今はタケノコ農家のプロ。プロは「安定した成績を長年にわたって出す人」だと思います。タケノコは通常、豊作の表年と不作の裏年が1年交代ですが、私の山には裏年はない。プロとして、体の故障がないように気を付け、徹底した山の管理をしています。

 ■普段はピンク色とは限りません
 選手時代、レースでピンク色のユニホームを着ていたため、テレビでは衣装として着ています。普段はピンク色とは限りません。ただ、春先からはタンクトップを着ることが多いです。もちろん、山では安全のため、袖付きの服を着ています。
 体が資本なので、毎晩午後8時には寝ています。お酒は飲みません。休みは少ないですが、伊豆シャボテン動物公園などにカピバラを見に行くのが好きです。自衛隊の活動をPRする富士宮市自衛隊協力会の会長を務めていて、戦車などに乗車させてもらえるのも楽しみの一つです。
 体を動かし、忙しく働く今の生活が好きです。生涯現役でタケノコ農家の仕事を全うし、後継者も育てられればと思っています。

 <Profile>
 かざおか・なおひろ 1973年、旧芝川町(富士宮市)生まれ。短大時代にトライアスロンを始め、23歳までプロチームに所属し、国内レースで13勝。足の故障で引退後は工場勤務などを経て、クワガタとカブトムシの養殖販売を手掛けた。2001年から実家の竹林でタケノコ生産に取り組み、「風岡たけのこ園」を営む。

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男子もブルマーはいていた... 記憶の真相は?【NEXT特捜隊】

 Q 小学生の時、男子なのにブルマーを着用していました。なぜだったのでしょう

清水市立飯田小学校開校100周年記念誌に掲載されたブルマー着用の児童(画像の一部を加工しています)
清水市立飯田小学校開校100周年記念誌に掲載されたブルマー着用の児童(画像の一部を加工しています)
 
 最近見かけなくなったが、ブルマーは女性向けの衣類だったはず…。静岡市清水区出身の長利正弘さん(55)から本社「NEXT特捜隊」に気になる問いが寄せられた。
 早速連絡した。長利さんは1972年、小学1年生の時に清水市立飯田小(現・静岡市立清水飯田小)に転校。以前通っていた近隣の高部小では体育の授業で白の短パンを着用していたが、飯田小では低学年は男女ともブルマーが体操服だった。小学3年生の頃に男子だけ白の短パンに変わったと記憶している。長利さんは現在、大阪市に暮らし、当時の写真は残っていないという。
     
 静岡市教委に尋ねると、体操服の決定権は学校ごとにあり、“男子ブルマー”も把握していなかった。現在の清水飯田小にも当時の資料は残っていない。体操服を製造する全国規模のメーカー、清水区の小売店に問い合わせたが、男子向けブルマーの製造や販売の事実は確認できなかった。
 調査を諦めかけていたその時、市教委の担当者の助言で飯田小の開校100周年記念誌に目を通し、道が開けた。ブルマーを着用した男子児童の写真をついに発見した。「男子がブルマーをはいたことも…」との説明も添えられていた。
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清水市立飯田小学校開校100周年記念誌に掲載されたブルマー着用の児童(画像の一部を加工しています)

 当時から飯田小の体操服を卸している置地規秀さん(81)に写真を見せた。「男子用にブルマーを卸していた記憶はないな。サイズの小さな黒や濃紺のショートパンツじゃないかな」
 飯田小の近くで洋品店を営む同校出身の植田一正さん(57)は「間違いなく男子も当時、はいていた。あれはブルマー」ときっぱり。店でも体操服を扱うだけに言葉に説得力があった。「『なんだかおかしいな』と気付き始めた小学3年生ぐらいに白い短パンに変わった」。依頼を寄せた長利さんと同年代で話の内容も一致する。
 老舗の制服販売店などに写真を見せて見解を尋ね歩いた。関係者の話を総合すると「ブルマーに見える子もいるが、丈の短いショートパンツのような男児もいる」とのこと。
 1899年創業の制服専門店「SCHOOL SHOP SUGIYAMA」(清水区銀座)の5代目代表杉山弘一さん(38)は「幼稚園では動きやすいように丈の短い体操着を採用する傾向があります。小学校に上がっても使えることや販売側の在庫リスクを減らす観点から幼稚園のデザインを流用した結果、低学年はブルマーのような体操着になったのではないでしょうか」と想像した。
 杉山さんの父勝政さん(72)は「戦後すぐ生まれの私たちの世代は色さえ同じなら、制服や体操服は何でもよかった。昭和40年代はちょうど体操服を各学校で統一する動きが出始めた時期だったのかもしれない」と当時を振り返った。
     
 静岡県学校生活協同組合連合会の影山滋樹用品部長(58)は「決して男子用にブルマーが製造されていたわけではないが、飯田小独自のルールとして色だけ指定され、結果的に男子もブルマーをはくようになったのでは」と推測。「他校でも採用された可能性は低いと思います。各家庭の経済事情も踏まえ、幼稚園の体操服の使用も可能だったのかもしれない」と語った。
 男子にブルマーを採用した明確な理由は判然としなかったが、長利さんに写真を送り、関係者の声を伝えた。「写真の雰囲気は当時に近い気がします。確かにブルマーの子もいれば、ショートパンツのような子もいますね」と懐かしそうに話した。

 ■体操服の移り変わり
 体にフィットするニットタイプのブルマーが学校現場で定着し始めたきっかけは1964年の東京五輪という説がある。金メダルを獲得した女子バレーボール日本代表などが着用していた。それまでは「ちょうちんブルマー」との俗称で知られる布帛[ふはく]タイプのブルマーが一般的だったという。
 ニットタイプは女子生徒から不評で、売買されるなどの社会問題もあり、2000年代にはほとんど採用されなくなった。
 男子はかつて綿の白いショートパンツが主流だったが、近年男女兼用で丈の長いクオーターパンツやハーフパンツを取り入れている学校が増えている。

富士山激走、自転車ロードレース 五輪コースも周回

 国際自転車連合(UCI)公認の自転車ロードレースのステージレース「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」第1戦、富士山ステージが28日、小山町で開かれた。15チームの74人がエントリー。厳しい上り坂「激坂」として名高い「ふじあざみライン」を含む難コースに挑んだ。

ツアー・オブ・ジャパン富士山ステージで、東京五輪自転車ロードレースのタイムトライアルのコースを走る選手=小山町
ツアー・オブ・ジャパン富士山ステージで、東京五輪自転車ロードレースのタイムトライアルのコースを走る選手=小山町
 富士スピードウェイ西ゲートを出発し、富士山須走口5合目にゴールする78・8キロ。五輪イヤーを記念し、東京五輪ロードレースのタイムトライアル(TT)のコースを取り入れた。
 選手は五輪TTの周回コースを4周半した後、平均勾配10%のふじあざみラインを駆け上がった。チームの戦略に基づきチームメートと協力してゴールを目指した。
 町はコース各所に職員を配置。五輪・パラリンピックを見据え、交通規制による影響などを調査した。
 TOJは2年ぶりの開催。例年は8ステージだが、ことしは首都圏と近郊の3ステージで、国内チームのみの参加になった。

イノシシ、2日連続出没 JR熱海駅付近 注意呼び掛け

 熱海市のJR熱海駅構内の線路に28日午前6時半ごろ、イノシシ1頭が侵入した。市や地元猟友会が捕獲を試みたが神奈川県方面に逃げたという。人的被害はなかった。同駅付近では27日にも目撃情報があり、市などは警戒を強めている。

 市や熱海署によると、イノシシは体長約50センチ。JR東日本関係者から同署を通じて連絡を受けた市職員らが網で捕獲しようとしたが逃げられた。市と猟友会は付近にわなを設置して、引き続き捕獲を試みている。
 同駅周辺では、この日を含め2週間で3回イノシシが目撃されている。市の担当者は「遭遇したら刺激をしないでゆっくり離れてほしい」と話し、屋外にイノシシの餌になり得る食べ物や家庭ごみを置かないよう呼び掛けている。
地域再生大賞