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〈 企業決算 明暗分かれる 〉

 静岡県内を拠点とする上場企業の2021年3月期決算が出そろいました。新型コロナウイルスの影響で業績を落とした企業があれば、巣ごもり需要を取り込み、好調に推移した企業も。今期の業績はどう予測しているでしょうか。関連する記事をまとめました。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・尾原崇也〉

静岡、清水はコア業務純増 静岡中央、スルガは苦戦 静岡県内地銀4行決算

 静岡県内地銀4行(静岡、スルガ、清水、静岡中央)の2021年3月期決算が18日までに、出そろった。新型コロナウイルス感染拡大の影響下、企業向けの融資などを増やした静岡と清水は本業の収益力を示すコア業務純益を伸ばした。静岡中央は投資信託解約損益の減少を補えず、スルガも貸出金利息の減少が響いて前年を下回り、明暗が分かれた。

静岡県内地銀4行 2021年3月期決算
静岡県内地銀4行 2021年3月期決算
 単体の純損益は、静岡が3年ぶりの増益になり、清水も黒字転換した。スルガと静岡中央は減益。コロナ禍で業況が悪化する中、取引先の倒産に備える与信関係費用が重荷になった。
 貸出金残高は、個人向けローンの比率が高いスルガを除く3行で増加した。静岡は大・中堅企業向けの貸出金が前期比15・9%増と大幅に伸長した。自己資本比率は各行で上昇し、高い健全性を維持している。
 22年3月期の連結純利益は静岡と清水、静岡中央が増益、スルガは減益を予想した。新型コロナの変異株流行などを念頭に、影響が長期化する想定を織り込んだ。各行は「経営改善や事業承継の支援は重要な役割」(柴田久静岡銀頭取)、「同じ業種内でも二極化が進んでいる。覚悟しながら支援に取り組んでいく」(岩山靖宏清水銀頭取)と取引先のニーズに即した支援を展開していく。
 ■元記事=静岡銀行、清水銀行はコア業務純増 静岡県内地銀4行、3月期決算まとめ〈2021.5.19 「あなたの静岡新聞」〉

静岡県内の上場企業、売上高1割弱減 製造業低調、小売りは堅調

 静岡県内に本社や主要生産拠点を置く上場企業の2021年3月期決算が17日までに、出そろった。静岡新聞社の集計では、売上高の合計が前年に比べて1割弱減った。減収は2年連続。新型コロナウイルス禍が大きく影響した製造業で低調だった企業が多い一方、巣ごもり需要を捉えた非製造業で伸長した企業も目立ち、業種で明暗が表れた。

県内上場企業の2021年3月期決算 県内上場企業の22年3月期見通し(未定のスズキを除く)
県内上場企業の2021年3月期決算 県内上場企業の22年3月期見通し(未定のスズキを除く)
 決算を発表した東証上場企業のうち、金融機関と国際会計基準採用企業を除く33社を集計した。
 感染症拡大の第1波が落ち着いた昨夏から業況は上向いたが、上期前半のマイナスを補い切れずに期末を迎えた。売上高合計は8・2%減(前期は12・8%減)、経常利益合計は4・4%減(同28・2%減)、純利益合計は5・2%減(同20・3%減)だった。
 製造業(22社)は20年9月中間期こそ最終赤字が13社とコロナ禍の打撃を大きく受けたが、中国市場の回復などで業績を大幅に改善し、21年3月期の赤字は8社まで減少した。
 非製造業(11社)はホームセンターやスーパーなどの小売りで堅調ぶりが続いたほか、通信販売向け業務を取り込んだ物流企業が業績を伸ばした。最終減益は2社に限られた。
 ■過半21社 増収予想 22年3月期
 県内上場企業33社(金融機関と国際会計基準採用企業を除く)が公表した2022年3月期の通期業績予想は、新型コロナウイルス禍の影響が続く中でも過半の21社が増収を見込んだ。ただ決算発表では、国内外での変異株感染拡大や半導体不足といった懸念材料に触れ、先行きの不透明さを強調する場面が目立った。
 各社の業績予想は堅調な数字が目立ち、業績予想の合計は、売上高が前期比5・9%増、経常利益5・3%増、純利益17・7%増となった。
 ただ、スズキは主力市場のインドで感染症の再拡大に歯止めがかからないことなどを受け、業績予想を未定とした。ほかにも国内外での新型コロナウイルス変異株の感染拡大を懸念材料の一つに挙げる企業が多い。
 国内でも事業所内での感染者集団(クラスター)発生が増えつつあるとされる。村上開明堂が「今後も在宅勤務率7割を維持する」とするなど、感染拡大の防止が計画数値の実現に必要な条件となっている。
 主力の自動車関連を中心に、世界的な半導体不足への警戒感も強まっているほか、原材料価格の上昇、コンテナ不足による物流費増加なども心配材料とされている。
 ■元記事=静岡県内の上場企業、売上高1割弱減 製造業低調 小売り堅調 21年3月期〈2021.5.18 「あなたの静岡新聞」〉

スズキ 売上高8・9%減の3兆1700億円 22年3月期予想は公表見送り

 スズキが13日発表した2021年3月期連結決算は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う国内外での20年4、5月の需要急減が響いて2年連続の減収ながら、為替差益などの効果で経常利益と純利益は3年ぶりに増益となった。一方、今年4月以降に主力市場のインドで新型コロナの感染再拡大が止まらないことなどを受け、22年3月期の業績予想は「不確定要素が多く未定」と、公表を見送った。

オンラインの決算会見の最後に発言した鈴木修会長
オンラインの決算会見の最後に発言した鈴木修会長
 経常利益は前期比1・2%増の2483億円、純利益は投資有価証券売却益を計上し、9・1%増の1464億円。売上高は8・9%減の3兆1782億円、営業利益は9・6%減の1944億円。
 事業別では四輪車事業の売上高が8・9%減の2兆8766億円。海外と国内合計の四輪生産は10・6%減の265万1千台、販売は9・8%減の257万1千台といずれも前年を下回った。20年4月に生産販売ともゼロとなったインドは秋以降に盛り返し、生産は8・7%減の144万台。パキスタンやインドネシアも苦戦した。国内も4、5月に工場稼働を一部停止したがその後復調し、生産は1・5%減の93万台まで戻した。
 二輪車事業の売上高は14・9%減の2065億円。マリン事業は主に北米でコロナ禍の中で増加したアウトドア需要を取り込み、11・9%増の834億円と伸長した。

 ■コロナ、半導体見通せず ミャンマー工場稼働遅れ
 スズキは13日、主力市場インドでの新型コロナウイルス感染再拡大や世界的な半導体不足などを理由に、2022年3月期の連結業績予想を「未定」とした。鈴木俊宏社長はオンラインで行った21年3月期決算発表で、「コロナがどうなるか予断を許さない。半導体も慢性的な不足が続くのではないか」と述べ、生産への影響を最小限に食い止めるため、情報収集や原料調達への対応に注力する姿勢を強調した。
 通期業績予想を未定としたのは2年連続。治安悪化が続くミャンマーでの9月予定の新工場稼働が遅れる見通しも示すなど、コロナに苦しんだ21年3月期と同様、国内外でリスク要因が解消されない状況が続く。
 鈴木社長はインドの36州のうち28州で都市封鎖が行われている状況を踏まえ、「販売店の80%が閉店していて、再開時期が読めない」と明かした。5月1日から16日までの予定で休業中の同国内全工場については「17日の再開を目指す」と述べるにとどめた。
 インド以外の新市場開拓の可能性を問われると、ミャンマーを引き合いに「簡単なように見えてインド以上にリスクが大きい」と指摘。ミャンマーの新工場の稼働延期に関しては「先行きが読める状況ではない。情勢を見極める」とした。
 今後の半導体不足への対応としては「残業や休日出勤の振り替え、生産機種の入れ替えなどで影響を最小限にとどめる努力を続ける」と述べた一方、今期の具体的な生産への影響は「明確な数字をつかめる状況にない」として示さなかった。
 ■元記事=スズキ3年ぶり最終増益 21年3月期決算 業績予想「未定」〈2021.5.14 「あなたの静岡新聞」〉

ヤマハ発 今期は市場回復基調を予測 4年ぶり増益見通し

 ヤマハ発動機は14日、市場回復基調が続くとして、2021年12月期の通期連結業績予想を上方修正し、純利益を期初予想比25・0%増の900億円に引き上げた。4年ぶりの増益となる見通し。

ヤマハ発動機本社
ヤマハ発動機本社
 売上高予想は2・1%増の1兆7350億円で、リーマン・ショック前の2007年12月期に次ぐ高い水準。営業利益は18・2%増の1300億円、経常利益は22・7%増の1350億円を見込んだ。想定為替レートを米ドル=106円、ユーロ=128円とし、円安方向に見直した。変異株拡大による世界的ロックダウンの影響は反映していないという。
 一方、感染者が拡大する主力市場のインドは15日から月末まで、国内2工場の操業停止を公表している。大川達実取締役は「いつ回復するかは答えられないが、できる限り合理的に見積もった」と説明。コロナ禍のアウトドア需要活発化を「少なくとも今年は極めて旺盛に動く」と見据えた。二輪やマリンの一部モデルで半導体不足が響いているが、全体では大きな影響に至っていないとした。
 ■元記事=ヤマハ発、通期純利益900億円へ 上方修正〈2021.5.15 「あなたの静岡新聞」〉