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小山町ウイークリー

 お疲れ様です。週末の夜は「あなたの静岡新聞」ニュースデスクから、ひとつの市や町をピックアップしてニュースや話題のまとめをお届けします。今夜は県東部から駿東郡小山町に注目します。あすは県中部、あさっては県西部の市町にスポットライトを当てたいと思います。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・松本直之〉

小山でサーモン陸上養殖 ノルウェー社、国内最大級施設

 ノルウェーのプロキシマーシーフードは、小山町に日本最大級のサーモンの陸上養殖施設を建設する。26日、現地で着工した。富士山の伏流水を使い、アトランティックサーモンのふ化から加工まで行う。2022年秋ごろに稼働を開始し、24年半ばに出荷を始める計画。国内向けに年間5300トンの出荷を見込む。投資額は約170億円。

建設するアトランティックサーモンの陸上養殖施設の内部イメージ図
建設するアトランティックサーモンの陸上養殖施設の内部イメージ図
 現地で開いた記者会見にオンライン出席したヨアキム・ニールセンCEOは、大都市に近い立地や富士山麓の自然環境を挙げ、「養殖には最高のロケーション。最高鮮度のアトランティックサーモンを届ける」と述べた。
 町と大和ハウス工業が整備した工業団地「新産業集積エリア」に延べ床面積約2万7900平方メートルの施設を造る。完全閉鎖式で外部の影響を受けず、水槽の水温をはじめ魚の成育に最適な環境を保つ。ふ化と成育を別の場所で行う従来型の海面養殖に比べて1年以上早く、22カ月で出荷サイズの5キロに育成させることができるという。
 ニールセンCEOはアジア各国への輸出を視野に、2万トンを生産する施設の建設構想があると明らかにした。町内に建設したいと希望を語った。
 プロキシマーシーフードは日本でサーモン養殖事業を行うため15年に設立した。ノルウェーの食品大手グリーグシーフードの創業家などが出資している。

小山町きんたろうひろば 柏さん 利用3万人目

 小山町子育て支援センターきんたろうひろば(同町阿多野)の利用者が23日、3万人に達した。施設でセレモニーが開かれた。

3万人目の利用者となった(右から)柏莉那さん、侑希ちゃん=小山町子育て支援センターきんたろうひろば
3万人目の利用者となった(右から)柏莉那さん、侑希ちゃん=小山町子育て支援センターきんたろうひろば
 節目の利用者になったのは同町用沢の柏莉那さん(36)と次男の侑希ちゃん(1)。くす玉を割り、高橋正彦教育長から記念品を受け取った。週に2、3回利用しているという柏さんは「先生方が温かく居心地が良い。母親の息抜きの場になる」と施設のありがたみを語った。
 同センターは町総合文化会館敷地内に2018年3月にオープンした。すべり台付き遊具がある室内プレイゾーン、砂場やブランコがある外遊びゾーンなどを備え、子どもの遊び場や保護者同士の交流の場になっている。幼稚園や保育園での勤務経験を持つスタッフがいて、子育てに関する相談ができる。子育て講座やイベントが開催されている。

行方不明者保護 小山の堀田さんに感謝状 御殿場署

 行方不明になった高齢女性を助けたとして、御殿場署は22日、小山町用沢の堀田良さん(38)と綾乃さん(37)夫妻に署長感謝状を贈った。日没後、道に迷って帰宅できなくなっていた70代女性を発見して保護した。

感謝状を手にする堀田良さん(左)と綾乃さん=御殿場署
感謝状を手にする堀田良さん(左)と綾乃さん=御殿場署
 4月8日午後7時すぎ、自宅にいた良さんは、近くに住む女性が行方不明になったと無線放送で聞いた。ほぼ同時刻、車で帰宅中の綾乃さんは1人で歩く女性を目撃した。
 良さんは、帰宅した綾乃さんに無線放送の内容を伝えた。行方不明になった女性の特徴と、綾乃さんが見た女性が一致したため、夫妻は車で捜索を開始。歩いていた女性を見つけて声を掛けた。女性は「暗くなり帰り道が分からなくなった」と話していたという。
 感謝状を手にした綾乃さんは「事故に遭わず元気なうちに見つけることができて良かった」とほっとした表情で振り返った。

小山町長 バイオマス発電所事業、民間共同・委託検討

 小山町の池谷晴一町長は22日、昨年7月の火災により稼働停止している木質バイオマス発電所(同町上野)事業について、民間との共同や民間委託を検討する考えを明らかにした。町議会臨時会の関連議案の質疑で、室伏勉氏に答えた。

 同発電所は町の単独事業で、ことし10月ごろに暫定再稼働する。22年度末までに、23年度以降の継続の可否を判断する。発電の過程で発生する熱を売る「売熱」の実現が事業継続の鍵とされ、熱の供給先の決定に向けて近隣事業者と協議している。
 池谷町長は臨時会の答弁で、再生可能エネルギー利用促進や林業活性化の観点から「事業には公益性があり、継続する必要があると認識している」と述べた。
 臨時会では、火災で損傷した発電所の復旧工事請負契約締結案など6議案が原案通り可決、承認された。
地域再生大賞