朝のデスクおすすめ
おはようございます。4月11日(日)です。磐田、掛川、袋井、伊豆の国の4市では、今月23日の任期満了に伴う市長選と市議選が告示されました。
記事まとめ「知っとこ」のコーナーはきょうも4回更新を予定しています。この時間は昨日から今朝にかけて公開した記事の中から、私のおすすめ記事をピックアップしてご紹介しますね♪ お読み逃しはありませんか?
〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・松本直之〉
新東名延伸/国道138BP開通 御殿場、小山「素通り」警戒
10日の新東名高速道延伸と国道138号バイパス(BP)開通。静岡県東部と甲信越のアクセス向上による波及効果が期待される一方、箱根(神奈川県)や富士五湖(山梨県)、伊豆といった大観光地に囲まれる御殿場市や小山町では「地域が通過点になってしまう」との不安も大きい。観光事業者らは来訪者に立ち寄ってもらえるよう、地域資源の強化と発信に知恵を絞る。

「通り掛かりに訪れる人が少なくなる」と懸念するのは、ウイスキーを製造するキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所(同市柴怒田)の担当者。工場見学は「単価が高く試しにくいウイスキーに興味を持ってもらう機会」と位置付け、近年見学コースを全面リニューアルした。コロナ禍で休止している見学者受け入れを5月にも再開予定で、新たな道路の影響を注視する。
同BPと、山梨県側につながる東富士五湖道路の接続点に位置する小山町須走。須走まちづくり推進協議会の菅沼茂明会長(69)は「生活は便利になるが、旅館や商店にとっては厳しい」と受け止める。そば店を営む勝又芳行さん(63)も「通り抜けの町になる。遠方からの客が減ってしまうかも」。地区には世界遺産富士山の構成資産の冨士浅間神社が鎮座し、池谷晴一町長は「降りていただくような施策を講じる必要がある」と語る。
御殿場市観光協会も素通りを警戒しつつ、移動時間短縮によって中継地点だった市域に立ち寄る人が増えると捉える。芹沢明彦事務局長(56)は「ここでしか買えないもの、味わえないものを磨き上げてPRしたい」と言葉に力を込める。
書家・金澤さん「言霊の墨」開幕 三島・佐野美術館、力強い筆遣い50点
ダウン症の書家金澤翔子さん(35)の作品を紹介する「言霊の墨 金澤翔子の世界」(静岡新聞社・静岡放送など主催)が10日、三島市の佐野美術館で開幕した。金澤さんが繊細な感性と激しい情熱をしたためた代表作を中心に、約50点が一堂に集まった。

金澤さんの真筆販売は10~18日、29日~5月5日、同21~23日に行う。入館料は一般・大学生1100円、小中学生・高校生550円。休館木曜(4月29日を除く)。
テレワーク仕様「我が家リフォーム」 実例を訪ねました♪
新型コロナウイルス感染症の流行で急速に広がったテレワーク。自宅で仕事をする人が増え、集中して仕事ができる住環境に関心が高まっている。静岡県が創設した補助金制度を活用して自宅を“在宅勤務仕様”にリフォームしたお宅を訪ね、実例を見せてもらった。

磐田市のパート事務職鮫島遥さん(32)は夫、小学校3年生の長女、1年生の長男の4人暮らし。市内の保険代理店「安心総合保険事務所」に勤め、昨年5月から、午前中は出社し、午後は在宅で働く生活が続いている。当初はリビングで仕事をしていたが、社用パソコンを貸与されるようになり、仕事専用のスペースが欲しくなった。「仕事に関わる資料を家族の前で扱うのも抵抗があった」という。
自宅は夫の実家の離れをリフォームした一軒家。2階が三つの小部屋に分かれ、使い勝手が悪かったこともあり、未使用だった2部屋と廊下をつないで一つの広い空間に。一方の壁に机を作り付けて、仕事部屋兼寝室として使うようにした。
工事は2月下旬から2週間ほど。一部は床を張り、通信環境も整えた。工事費用は50万円程度で、25万円分は県の補助を受けた。帰宅した子どもが1階で遊ぶ気配を感じながら、適度に距離を保って仕事ができるようになり、「安心して働けるようになった」と話す。
「休校もあり、在宅勤務が認められなければ仕事を続けられなかった」と振り返り、リフォームを敢行したことで子育てを含めて生活がうまく回るようになったと感じている。
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浜松市中区のシステムエンジニア鈴木崇文さん(40)は、3年前に建てた一軒家に妻と小学校3年生の長女、保育園に通う長男の4人で暮らす。昨年春から在宅勤務になり、子ども部屋や寝室に机を入れて仕事をこなしてきたが、「長時間落ち着いて仕事できる場所がなく」、新築を頼んだ建築会社にリフォームを相談した。
目を付けたのは1階寝室と廊下に隣接する1畳ほどのクローゼット。扉や中の仕切りを取り除き、廊下との境に壁を入れてテーブルや棚を作り付け、ワークスペースにした。天井にライトを付け、壁紙も寝室側の白と異なる薄いグリーンに変えて個室感を出した。
工事は2月下旬、1週間ほどで行った。工事費は約33万円で、県の補助が16万円。鈴木さんは「自宅を建てて日が浅く、迷いはあったがやってよかった。集中できるようになった」と実感する。
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鮫島さん宅、鈴木さん宅をリフォームした浜松市西区の工務店「サン工房」で設計を担当する大西等さん(43)は「在宅勤務に合わせたリフォームの要望は多い。新築でも、あらかじめ仕事用のスペースを確保したいという人が増えている」と話す。
■改装のハードル高い時は…「オンオフ」意識しレイアウト
インテリアコーディネーター山賀史子さん(浜松市)
在宅勤務の環境を見直したいと思っても、「リフォームはハードルが高い」と感じる人もいるのでは。室内レイアウトの工夫でできる対策がある。浜松市北区のインテリアコーディネーター山賀史子さん(46)にアドバイスを聞いた。
―自室がなく、テーブルのあるリビングやダイニングで仕事をしている人は多い。
「リビングやダイニングはくつろぐための場所。テレビなど娯楽の要素が多いので、仕事で使うには気が散るものが目に入らない工夫が必要になる。オンオフの切り替えのためにも“視覚のコントロール”を意識して、仕事とプライベートのスペースを区切ることが重要になる」
―具体的にどんなことができるか。
「専用スペースがあるに越したことはない。ダイニングに仕事用の机を置く場所があれば、ダイニングテーブルを背に壁を向けて配置する。いすはダイニングチェアを共用できる。折りたたみのパーティションや天井から垂らした布で緩く視界を遮ったり、部分的にラグ(小さな敷物)を敷いて視覚的に空間を分けたりしても有効」
―リビングダイニング以外の仕事のスペースとしては。
「オンライン会議が多い場合などは特に、家族の出入りが少ない寝室にワークスペースを設けるのがお勧め。机の配置はベッドが目に入らないよう注意して。部屋全体を抑えた色で統一し、収納も確保して生活感が出ないようにすれば、人気の『ホテルライクインテリア』のような雰囲気に。非日常感は集中力を高める」
―物理的に場所がない人が多い。
「視覚のコントロールはスペースがなくても工夫次第。仕事の道具は出しっ放しにせず、できれば扉付きの収納に納める。調光機能のある照明器具で仕事の時は昼白色、休憩時は電球色などと変化を付けたり、音楽やアロマを取り入れたりして、五感を意識してオンオフのメリハリを付けてみてほしい。自分が楽しめるオフ用のスペースを充実させるのも大事になる」
<メモ>静岡県のテレワーク対応リフォーム補助制度 テレワークをはじめとする「新しい生活様式」に対応するための既存住宅のリフォーム工事に対し、工事費用の2分の1以内、最大35万円を補助する。2020年度に創設し、21年度は予算を拡充して継続する。国の「グリーン住宅ポイント制度」でも21年度から、獲得ポイントをテレワーク対応リフォームなどに充てられるようになった。
やまが・ふみこ 浜松市内のハウスメーカー勤務を経て独立、2015年から「in F(イン・エフ)」として住宅、店舗、オフィスのインテリアを提案する。
アニメ映画「エヴァ」モデル地 天竜二俣駅に「巡礼」続々、転車台見学ツアー急増
3月に公開されたアニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(庵野秀明総監督)のモデル地として描かれる、天竜浜名湖鉄道・天竜二俣駅(浜松市天竜区)に、“聖地巡礼”で静岡県内外から連日多くのファンが詰め掛けている。始発駅の掛川、新所原駅から同鉄道に乗って訪れるファンも多く、同社は「コロナ禍で落ち込む収入回復の起爆剤になる」と期待する。

映画効果で、ツアーの参加者は急増。公開週の日曜日には前週の約12倍にあたる161人が参加し、その後も増加傾向が続く。
天竜二俣駅の転車台や扇形車庫などの施設は、築80年を越え、国登録有形文化財に指定されている。それらの一部が同作の主な舞台となる「第3村」のモデルとして登場。傷ついた主人公が再起する重要な場として描かれる。
庵野総監督本人も2017年6月にロケハンで現地を訪れた。案内した職員によると、転車台や車両区事務所でスタッフに動き方を指示しながら、自ら写真を撮っていたという。同職員は「監督は具体的な場面のイメージがあった上で指示されているようでした」と回想する。
同社の松井宜正社長は「古い施設が残る天浜線の風情が、国民的なアニメ作品に取り上げられ光栄。今後もコロナで苦しい経営の追い風となることを期待している」と語る。
10日から、映画との共同企画として、天竜二俣駅売店と同社公式通販サイトでオリジナルグッズを発売する。