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朝のデスクおすすめ 4月10日

 おはようございます。週末土曜日の朝、少し寝坊できましたか? あなたの静岡新聞編集部は午前7時前から通常運転です。きょうもよろしくお願いします。
 記事まとめ「知っとこ」のコーナーはきょうも4回更新を予定しています。この時間は昨日から今朝にかけて公開した記事の中から、私のおすすめ記事をピックアップしてご紹介します。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・松本直之〉

アニメ映画「エヴァ」モデル地 天竜二俣駅に「巡礼」続々、転車台見学ツアー急増

 3月に公開されたアニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(庵野秀明総監督)のモデル地として描かれる、天竜浜名湖鉄道・天竜二俣駅(浜松市天竜区)に、“聖地巡礼”で静岡県内外から連日多くのファンが詰め掛けている。始発駅の掛川、新所原駅から同鉄道に乗って訪れるファンも多く、同社は「コロナ禍で落ち込む収入回復の起爆剤になる」と期待する。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のモデル地となった転車台見学に訪れ、写真を撮るツアー参加者=9日午後、浜松市天竜区の天竜二俣駅
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のモデル地となった転車台見学に訪れ、写真を撮るツアー参加者=9日午後、浜松市天竜区の天竜二俣駅
 劇中に描かれる転車台や扇形車庫の見学ツアーには多い日で170人を超える参加者が集う。放射状の転車台に向かって列車が動きだすと、参加者が一斉に写真を撮り始める。大学生の太田惣貴さん(18)=同市中区=は「映画を見て初めて訪れた。こんな近くにあの舞台があるなんて誇らしい気持ち」と興奮気味に話す。
 映画効果で、ツアーの参加者は急増。公開週の日曜日には前週の約12倍にあたる161人が参加し、その後も増加傾向が続く。
 天竜二俣駅の転車台や扇形車庫などの施設は、築80年を越え、国登録有形文化財に指定されている。それらの一部が同作の主な舞台となる「第3村」のモデルとして登場。傷ついた主人公が再起する重要な場として描かれる。
 庵野総監督本人も2017年6月にロケハンで現地を訪れた。案内した職員によると、転車台や車両区事務所でスタッフに動き方を指示しながら、自ら写真を撮っていたという。同職員は「監督は具体的な場面のイメージがあった上で指示されているようでした」と回想する。
 同社の松井宜正社長は「古い施設が残る天浜線の風情が、国民的なアニメ作品に取り上げられ光栄。今後もコロナで苦しい経営の追い風となることを期待している」と語る。
 10日から、映画との共同企画として、天竜二俣駅売店と同社公式通販サイトでオリジナルグッズを発売する。

噴水内モニュメント壊される 静岡市の青葉緑地、静岡中央署が捜査

 静岡市は9日、静岡市葵区常磐町の青葉緑地の噴水内にあるモニュメントが何者かに壊されたと発表した。静岡中央署が器物損壊事件として捜査している。

破壊されたモニュメント=3月15日、静岡市葵区常磐町(市提供)
破壊されたモニュメント=3月15日、静岡市葵区常磐町(市提供)
 市公園整備課によると、3月14日朝、清掃管理業務を委託している市シルバー人材センター職員が、石の台座の上に設置された赤色のアルミ製パイプ6本が折られているのを見つけた。被害額は精査中としている。
 モニュメントの名称は「風を泳ぐ」。1992年に設置された。同課は「同じモニュメントを再び設置するのは難しく、今後、対応を検討する」としている。

キリシマツツジ、赤く染まる 静岡市清水区の秋葉山公園

 静岡市清水区の秋葉山公園でキリシマツツジが見ごろを迎えた。園内の古墳広場が赤く染まり、散策する人たちがスマートフォンに収めていた。

古墳広場を赤く染めるキリシマツツジ=静岡市清水区の秋葉山公園
古墳広場を赤く染めるキリシマツツジ=静岡市清水区の秋葉山公園
 清水袖師中2年生はクラス替え後の生徒同士の親睦を深めるために訪れた。引率の杉山さゆり教諭は「景色もきれいで生徒たちものびのびとしている」と話した。

ミニ統一選・市町長選 過去3回の軌跡 磐田/掛川/袋井/伊豆の国/西伊豆

 任期満了に伴う静岡県内5市町長選と6市町議選が間もなく始まる。「ミニ統一地方選」に位置付けられ、有権者の選択が注目される。このうち、11日告示の磐田、掛川、袋井、伊豆の国の4市長選と、13日告示の西伊豆町長選について、2009、13、17年の過去3回を振り返った。

過去3回の磐田市長選挙結果
過去3回の磐田市長選挙結果

 ■磐田市長選 渡部氏、選挙戦制し3選
 2009年選挙で市議から初当選した渡部修氏が、続く2回の選挙も制した。個人支援者や労組、一部保守層などから幅広く集票した。
 09年は、任期満了で退いた現職とともに市政を担った元副市長の鶴田春男氏、元財団職員大橋仁満氏、渡部氏の新人3氏の戦い。旧5市町村合併の行革推進を訴えた渡部氏が新リーダーに選ばれた。
 13年は財政再建など実績を挙げ再選を目指す渡部氏に、元県議安間英雄氏が市政刷新を訴えて挑んだ。安間氏は保守基盤の組織力などを背景に戦ったが届かなかった。
 17年は世代交代を訴える元県議柏木健氏と激突。豊田地区への市民文化会館移転計画などが争点の一つだったが、柏木氏を振り切って渡部氏が3選した。

 ■掛川市長選 3回いずれも一騎打ち
 掛川市長選は過去3回とも無所属候補2人による選挙戦だった。
 2009年は県議だった新人松井三郎氏が2期目を目指した戸塚進也氏を破って初当選した。松井氏は当時の財政の悪化傾向や政策の計画性の欠如を批判して支持を集めた。
 13年は戸塚氏が再起を懸けて松井氏に挑戦。新病院の医師数の不十分さや補助金削減などを批判したが、連合静岡の推薦を受け自民層にも支持された松井氏が前回より票差を広げて当選した。
 17年は3選を目指す松井氏に対し、告示2カ月前に市を退職して出馬表明した平出隆敏氏が挑んだ。平出氏は駅前再開発の核となる商業施設の苦戦や市役所組織の閉そく感などを訴えて改革を主張したが、及ばなかった。

 ■袋井市長選 2回無投票 原田氏再選
 袋井市長選は、旧浅羽町との合併に伴い行われた2005年の市長選を制し、新市の初代市長に就任した原田英之氏がいずれも当選。計4期務めた。
 09年は原田氏以外に立候補者はなく、無投票による再選を果たした。
 13年は3選を目指す現職原田氏と、元県議で00年の市長選への出馬経験もある新人奥之山隆氏の一騎打ちとなった。奥之山氏は草の根運動で市政刷新を訴えたが、保守や連合、企業などから幅広く支持を集め、組織力に勝る原田氏が選挙戦を優位に展開。1万3千票近い差をつけて圧倒した。
 17年は09年と同様、原田氏の他に立候補はなく、8年ぶりの無投票となった。

 ■伊豆の国市長選 現新激突、三つどもえも
 伊豆の国市長選は過去3回とも現職に新人が挑む構図だった。
 2009年は、再選を目指した望月良和氏が新人の元広告代理店経営の浅井邦容氏を大差で退けた。望月氏は初代市長としての実績を強調し、終始優位に戦いを進めた。
 13年は3選を目指す望月良和氏、元県議の小野登志子氏、元伊豆長岡町長の大川清仁氏による三つどもえ。女性グループを中心に支持を広げた小野氏が初当選し、県内初の女性市長が誕生した。次点の望月氏とは500票ほどの僅差だった。
 17年は現職の小野登志子氏と、いずれも新人で元市議の秋田清氏と柴田三智子氏が立候補。小野氏が産業振興や子育て支援などの実績を強調して票を固め、再選を決めた。

 西伊豆町長選 現職に新人が挑む構図
 西伊豆町長選は過去3回とも現職と新人の一騎打ちが展開された。
 2009年は町議を長く務めた藤井武彦氏が、再選を狙った現職藤井安彦氏を退けた。町政変革や医療費無料化の拡大を訴え、批判票や旧賀茂村地域の浮動票を取り込んだ。
 13年は藤井氏が元町議の大原貞彦氏を抑えて再選した。東日本大震災後で、両候補は防災拠点の整備などについてそれぞれの考えを強く主張し、災害対策に関心が集まった。
 17年は若さと行動力をアピールした元町議の星野浄晋氏が3選を狙った藤井氏に競り勝った。39歳での首長当選は、当時県内最年少。人口減少対策として雇用の創出や福祉の充実などを掲げ、幅広い年代から支持を得た。
地域再生大賞