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〈 特急「踊り子」185系 40年の歴史に幕 〉

 1981年10月に運行開始した特急「踊り子」で本格的にデビューした185系電車が2021年3月12日、定期列車としての運行を終えました。
 東京と伊豆、下田を結ぶ特急列車として観光客や地元住民に愛された185系。最終列車の様子をはじめ、引退を惜しむ沿線の声、乗り入れ開始当初の雰囲気などを往時の記事を交えて振り返ってみましょう。まとめ担当は静岡新聞社編集局TEAM NEXTの寺田将人です。

さようなら185系 伊豆急下田駅 ファンが見送り

 特急列車「踊り子」として40年にわたり東京と伊豆急下田(下田市)、修善寺(伊豆市)の両駅を結んだJR東日本の電車「185系」が12日、定期列車としての運行を終えた。約600人を乗せ、伊豆急下田駅を午後3時7分に出発した最終列車「踊り子16号」を見送ろうと、駅には多くの人が集まった。

185系最後の「踊り子」を撮影しようと、鉄道ファンらが多く集まった=12日午後2時52分、下田市の伊豆急下田駅
185系最後の「踊り子」を撮影しようと、鉄道ファンらが多く集まった=12日午後2時52分、下田市の伊豆急下田駅
 185系は、旧国鉄時代の1981年に登場。「踊り子」を中心に、特急から普通列車まで幅広く活躍。同市の須崎御用邸を訪れる皇族方も乗車された。伊豆急下田駅から最終列車に乗った東京都のバレエダンサー鈴木詠翔さん(25)は「思い出の車両。お別れができて良かった」と話した。踊り子は13日のダイヤ改正後、全てE257系電車で運行される。
 (下田支局・尾藤旭)

沿線から引退惜しむ声 お別れ記念乗車券やポストカード販売

 東京と伊豆急下田駅(下田市)、修善寺駅(伊豆市)を結ぶ特急列車「踊り子」として運行開始時から使用されるJR東日本の電車「185系」が12日、ダイヤ改正に合わせ、同列車から引退する。40年間伊豆に向かう観光客を乗せて走り続けた車両に、沿線の関係者からは引退を惜しむ声が聞かれる。

185系特急「踊り子」の定期運用終了に合わせて発売される記念乗車券とポストカード
185系特急「踊り子」の定期運用終了に合わせて発売される記念乗車券とポストカード
 同社によると、185系電車は1981年1月に登場。同年10月に運行開始した特急「踊り子」で本格的にデビューした。観光客以外にも、下田市の須崎御用邸へ向かう天皇ご一家、皇族方も乗車された。引退は車両の老朽化が理由で、順次廃車にする予定。
 JR伊東駅の駅弁店「祇園」(伊東市)の守谷匡司社長(50)は「白地に緑のストライプの車体が斬新だった」と登場時を振り返る。同社は引退に合わせ、1月15日から3月下旬まで、幕の内弁当の掛け紙を185系電車のイラストに変更している。「駅弁を手に多くの方が乗り込んだ185系へ感謝の気持ちを伝えたい」と語る。
 河津町観光協会の島崎博子事務局長(66)は40年前、東京駅での踊り子号出発式に参加した。列車名の由来である川端康成の小説「伊豆の踊子」にちなみ、踊子姿の女性たちと一番列車を見送った。「かわいらしいヘッドマークが印象的。河津のPRに貢献は大きかった」と感謝する。

 ■お別れ記念乗車券 伊豆急行販売
 伊豆急行は185系特急「踊り子」が12日に定期運用を終えるのに合わせ、8枚組の硬券記念乗車券とポストカード=写真=を発売する。特別企画の第3弾。1部2360円(アルバム付き)で、同日から限定3000部(1人3部まで)を同社ホームページで販売する。
 乗車券は「踊り子」が停車する伊豆高原や伊豆急下田など6駅に、女子プロゴルフ「フジサンケイ・レディース」や海水浴シーズンに臨時停車した川奈、今井浜海岸、蓮台寺の3駅を加えた8区間。ポストカードは往年の勇姿を収めた。アルバムには第2弾で販売した記念自由席特急券も収納できる。
 4月17日からは伊豆高原、伊豆急下田の両駅でも2000部を販売する。(2021/3/11)

踊り子号、伊豆へ初乗り入れ 停車駅で盛大に歓迎式【昔の紙面から】

 秋の国鉄ダイヤ改正を機に、伊豆半島への初乗り入れが実現した新型エル特急「踊り子号」の歓迎式が1日、国鉄伊東駅、伊豆箱根鉄道修善寺駅など各停車・到着駅で行われた。東京ー伊豆を結ぶ待望の新型特急運行とはいえ初めて鉄道が敷かれた時のような大騒ぎに、乗客も驚きの表情を見せていた。

晴れ着姿の保育園児から運転士に花束贈呈=伊豆急下田駅で
晴れ着姿の保育園児から運転士に花束贈呈=伊豆急下田駅で
 東京駅をブラスバンドの演奏に送られて午前9時に出発した一番列車「踊り子3号」は15両編成。途中、熱海駅で修善寺行きの5両が切り離され、残り10両が約700人の乗客を乗せ伊豆急下田へ。
 国鉄伊東駅にグリーンのストライプをデザインした新型特急が滑り込んだのは同10時52分。バンドと太鼓演奏が響くなか伊東温泉のきれいどころが運転士、車掌に花束を贈呈。芸者衆20人によるたるミコシが威勢よくホームを練り歩いた。
 伊東駅では約100人の乗客が降り立ったが、伊東温泉旅館協同組合職員による新茶とおしぼりの無料接待にあい、思わぬサービスぶりに大喜びしていた。
 午前11時47分、予定通り同列車は伊豆急下田駅に到着。プラットホームでは下田名物の下田太鼓が豪快に打ち鳴らされ、芸者衆やハッピ姿の観光協会職員らが“お出迎え”。客足低迷に悩む下田市はじめ隣接観光業者らの「踊り子号」に寄せる期待の大きさをうかがわせていた。
 もっとも従来、平日で1日上下4本運転されていた急行の全廃で同市にとって「踊り子号」が東京などへの唯一の直行鉄道便。商談で東京へ行くという会社員(35)は「東京から下田へ来る観光客には便利でも、下田からは特急の踊り子号しかないのでは、事実上の料金アップ」と批判的。歓迎式に出席した青木義男市長も踊り子号での“千客万来”に大きな期待を寄せながらも、東京と伊東でしか発券されない割安な「平日往復割引乗車券」の下田での発売を希望していた。
 修善寺駅をはじめ伊豆箱根鉄道の特急停車駅でも様々な歓迎式がにぎやかに行われ、社内では踊り子娘らによってミカンなどが乗客にプレゼントされた。
 これまで急行で2時間37分かかっていた東京ー修善寺間が2時間17分になり、これまでの急行より20分ほど短縮された。
 この日、歓迎行事が行われたのは、三島、伊豆長岡、大仁、修善寺各駅。
(1981年10月2日静岡新聞朝刊、表記は当時のまま)

2020年春から運行開始 豪華特急列車「サフィール踊り子」

 東京と伊豆急下田駅(下田市)を結ぶJR東日本の豪華特急列車「サフィール踊り子」が2020年3月14日、運行を開始した。

到着した豪華特急列車「サフィール踊り子」の一番列車=14日午後、下田市の伊豆急下田駅
到着した豪華特急列車「サフィール踊り子」の一番列車=14日午後、下田市の伊豆急下田駅
 伊豆急下田駅では、JRや伊豆急行、地元観光関係者が横断幕を手に、一番列車を出迎えた。
 線路点検の影響で約30分遅れで到着した8両編成の一番列車は、ほぼ満席。伊豆の海や砂浜をイメージした青と白の車体が現れると、待ち構えた鉄道ファンがカメラを向けた。
 乗車した東京都の会社員の男性(43)は「車内が豪華で素晴らしかった。座席もゆったりしていた」と笑顔で話した。
 出迎えた下田市観光協会の山田孝志会長(73)は「伊豆の観光が厳しい状況の中、この列車が伊豆を訪れるきっかけになってほしい」と期待した。
 サフィール踊り子は全座席がグリーン車か、さらに格上のプレミアムグリーン車。4~6人用の個室や、麺類を提供する「ヌードルバー」を備えたカフェテリアを連結する。毎日1往復、多客期は最大2往復運行する。
 同日は特急「踊り子」の一部列車にも、リニューアル車両が導入され、運行を開始した。(2020/3/15)

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