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〈 週刊静岡経済 3月14日 〉

 こんにちは♪ 日曜日のお昼、いかがお過ごしですか? 「あなたの静岡新聞」キュレーション担当デスク、静岡新聞社編集局TEAM NEXTの松本直之です。日曜日お昼の「知っとこ」は週刊静岡経済。今週よく読まれた&私のおすすめの県内経済ニュースを4本ピックアップしてお届けします。新しい1週間に向けて、ちょこっとインプットの時間を持ちましょう!

静岡県 茶産出額1位陥落 史上初、鹿児島県に譲る

 農林水産省は12日、2019年の農業産出額を発表し、生産量で日本一の静岡県の茶は前年比18・5%減の251億円と激減、生産量で猛追していた鹿児島県に初めて抜かれた。産出額は鹿児島も13・1%減だったが252億円と静岡県をやや上回った。産出額ベースで静岡県は記録が残る1970年から続いた首位の座から陥落した。

静岡県と鹿児島県の茶産出額と荒茶生産量の推移
静岡県と鹿児島県の茶産出額と荒茶生産量の推移
 茶の産出額は、生葉分と、製品の前段階に加工した「荒茶」分を合計する。静岡県は生葉147億円、荒茶104億円に対して、鹿児島は生葉163億円、荒茶89億円と、生葉の部分で初めて逆転された。静岡県は生葉の生産量が減り、取引価格が安かったことなどが原因とみられる。
 茶の生葉産出額は全国合計でも15・1%減の522億円と落ち込んだ。19年は、春先の冷え込みで新芽の生育が伸び悩み、生産量が落ち込んだ。急須で入れるリーフ茶の需要が低迷し、厳しい相場だった。
 静岡県の茶産出額は1992年の862億円をピークにほぼ右肩下がりの状況。荒茶生産量も減少傾向で、19年は静岡県2万9500トン、鹿児島2万8千トンと1500トン差となっていた。
 ■リーフ消費拡大急務 19年生葉、逆転許す
  産出額ベースでは2019年に首位から陥落していた―。農林水産省が12日発表した19年茶産出額で、静岡県は長年守っていた日本一の座を鹿児島県に明け渡した。静岡県関係者は「荒茶生産量ではなく金額ベースで先に追い越されてしまった。特徴ある茶づくりで、静岡茶ブランドを高めていくしかない」とショックを受けた様子だった。
 「この年は減産と価格低迷が顕著だった。生産者所得向上のためには、(リーフ茶の)消費拡大がまったなしの状況だ」。県お茶振興課の小林栄人課長は危機感を強める。
 19年は、荒茶ベースでは静岡県の生産がトップを維持したものの、気象要因などもあって生葉ベースでは静岡県12万9300トン、鹿児島は13万7300トンと逆転されていた。
 静岡県産は、乗用の大型摘採機の導入などが難しい山の斜面や肥沃(ひよく)な台地での茶づくりが特徴。手間のかかる分、取引価格の高い一番茶の生産比率が高いが、リーフ茶需要の低迷で、供給量が減少しているにもかかわらず、相場も下降基調が続く。
 JA静岡経済連の真田泰伸茶業部長は「効率化できるほ場は基盤整備を進めて生産性を高めなければならないが、静岡は品質をより重視した茶づくりが生命線だ」と言葉に力を込める。
 大規模化した茶園で生産量でも静岡県を猛追する鹿児島に対し、県茶業会議所の伊藤智尚専務理事は「山間部などで生産される静岡茶の価値向上が課題だ」と指摘。「消費者に伝わる付加価値を発信しなければならない。静岡茶の再生に向けて業界を挙げて、消費拡大に取り組んでいきたい」と語った。
 【解説】価格低迷、垣根超え改革を
 静岡県主力の茶の産出額が激減した背景には、担い手の高齢化による茶園面積の減少と、急須で入れるお茶の取引価格のここ数年での急激な低迷がある。
 栽培面積はこの5年で4100ヘクタールも減少した。後継者が育ってないことなどが要因に挙げられるが、ペットボトル飲料などの躍進によるリーフ茶需要の低迷で、品質を売り物にしている静岡の茶業はニーズに合致せず稼げなくなっている。
 荒茶平均単価は1999年の1キロ当たり2400円をピークに下降し、19年は984円。一方、鹿児島県茶市場の平均単価は1048円と静岡茶を上回っている。
 県は本年度、業界内外の知見を取り入れるオープンイノベーションの手法で、静岡茶の新たな価値創造をうたった活性化策「ChaOI(チャオイ)プロジェクト」に着手したが成果はこれから。業界と産地の垣根を超えて一丸となって静岡茶ブランドの再興に向け改革を進めることが急務だ。(2021/03/13)

遠州鉄道、社員55人出向 コロナ禍影響、ヤマハ発動機などに

 遠州鉄道(浜松市中区)は12日、社員をヤマハ発動機と遠州トラックに出向させると発表した。新型コロナウイルスの影響で業績が悪化し、余剰人員を抱えるバスと観光事業の55人程度を出向させる。

 遠州鉄道は昨春以降、余剰人員を食品スーパーや介護などグループ内の成長事業に配置転換していた。雇用関係を維持しながら他社の業務に従事する「在籍出向」を推進する国の助成金制度が新設されたこともあり、グループ外に社員を出向させて人件費を減らす方針。製造業や運輸業は好業績で人手不足感が強く、人材を受け入れる。
 出向者はヤマハ発動機の工場で産業用ロボットを組み立てたり、遠州トラックの事業所で仕分け作業に従事したりする。賃金は出向先が負担。出向期間は3カ月や半年ごとで区切りながら、感染状況を考慮して判断する。
 一部先行して1月から始め、3月12日時点で19人が出向済み。段階的に増やすという。
 路線、高速、観光を合わせたバス事業の2021年3月期の売上高は前年比54・0%減の37億700万円になる見通し。ホテルや遊園地など観光事業も業績が悪化している。(2021/03/13)

下田にワーケーションオフィス 市と三菱地所、今夏開業

 三菱地所と下田市は9日、同市所有の遊休施設「旧樋村医院」をワーケーションオフィス「WORK×ation Site(ワーケーションサイト)伊豆下田」として整備し、今年夏に開業すると発表した。同社のワーケーションオフィスは全国4カ所目で、静岡県内では熱海市に次いで2カ所目となる。

下田市の遊休施設を整備し、開業するワーケーションオフィスのイメージ
下田市の遊休施設を整備し、開業するワーケーションオフィスのイメージ
 同市三丁目の大浦海岸を望む鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ床面積275平方メートルの建物を、同社が市と結んだ包括協定に基づいて賃借、運営する。市は国の補助金を活用し、1億5千万円をかけて耐震化などの改修を進めている。
 開放的な空間や黒船をモチーフにしたワークスペースを1、2階に各1室を設ける。フリーWi-Fiやプロジェクター、感染症対策として非接触式スマートロックなども備える。180平方メートルの庭もあり、同市の企業「ヴィレッジインク」と連携してバーベキューなどのプランも用意する。団体利用に限定し、1日1室10万円(税別)。今後、同社のポータルサイトで予約を受け付ける。
 同社は「目の前が海という立地の良さや、グループの活動の場として広い庭が活用できる点が魅力」としている。同市産業振興課の鈴木浩之参事は「団体向けの施設のため、地域の宿泊、飲食への経済効果を期待したい」と話した。(下田支局・尾藤旭)(2021/03/10)

蜂蜜スイーツ♡に行列 浜松の商店街、長坂養蜂場2号店開店

 浜松市北区三ケ日町に本店がある蜂蜜専門店「長坂養蜂場」の2号店「長坂養蜂場はちみつスイーツアトリエ」が8日、同市中区神明町のゆりの木通り商店街にオープンした。開店後は名物商品や新商品を求め、幅広い年代の来店客が行列をつくった。

オープンした「長坂養蜂場はちみつスイーツアトリエ」。商品を求め行列ができた=浜松市中区
オープンした「長坂養蜂場はちみつスイーツアトリエ」。商品を求め行列ができた=浜松市中区
 2号店は人気商品「はちみつソフトクリーム」や蜂蜜を使ったスイーツのテークアウト専門店。浜松の企業や食材とコラボレーションした季節限定商品にも力を入れる方針で、第1弾として街中の「ウィルコーヒー&ロースターズ」(中区)のエスプレッソを使った「はちみつプレミアムモカソフト」を販売している。
 インターネットでオープンを知り、友人と訪れた八ケ代佳代さん(22)=磐田市=は「蜂蜜を食べる機会は多くなかったが、ソフトクリームは濃厚でくどくなく、まろやかな味でとてもおいしい」と笑顔を見せた。
 浜松市主催の「リノベーションスクール@浜松(企業版)」の一環。コロナ禍の影響でオープンが約9カ月遅れたが、長坂善人社長(43)は地域貢献の新たな創作の場と期待。「出店に際してさまざまなご縁があった。コラボレーションも続け、少しでも市街地活性化の役に立つことができれば」と話した。
 営業時間は午前11時から午後6時。火、水曜定休。(2021/03/09)