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鈴与HDが筆頭株主に 中堅航空会社「スカイマーク」とは?

 2015年に経営破綻して経営再建中の中堅航空会社「スカイマーク」。株式を投資会社のインテグラルから11月に取得し、約13%を握る筆頭株主となった鈴与HDは傘下に地域航空会社のFDAや、空港の地上業務「グランドハンドリング」を手がける企業を持つため、様々な反響があります。そもそもスカイマークとはどのような会社なのでしょうか。経緯をまとめます。

FDA傘下の鈴与HD スカイマークの株13%出資 筆頭株主に 

 投資会社のインテグラルは(2023年11月)7日、筆頭株主として保有するスカイマーク株の一部を、物流事業などを手がける鈴与ホールディングス(HD)に売却すると発表した。売却は14日付で、鈴与HDが約13%を握る筆頭株主となる。

 売却額は1株当たり895円で、総額は70億円余り。スカイマーク株の7日終値は千円。
 鈴与HDは傘下に地域航空会社のフジドリームエアラインズ(FDA)や空港の地上業務「グランドハンドリング」を手がける企業を持つ。
 インテグラルは、スカイマークとFDAの連携が具体化すれば「事業価値向上が期待される」とのコメントを発表した。一方、鈴与HD関係者によると、両社は運航機材などが異なり、現時点では具体的な協業を想定していないという。
 両社がホームページで公開している運航路線によると、スカイマークは羽田や福岡など国内12空港、FDAは青森や静岡など国内17空港にそれぞれ就航。スカイマークの2023年3月期の事業収益(単体)は846億円。
〈2023.11.8 あなたの静岡新聞〉

「神戸をハブ空港に」 スカイマーク筆頭株主、鈴与グループ代表が方針

 中堅航空会社スカイマークに出資し、筆頭株主となった鈴与グループの鈴木与平代表は1日、同社傘下のフジドリームエアラインズ(FDA)とスカイマークがともに就航する神戸空港(兵庫県)をハブ空港とすることに「両社ともにメリットがある」と述べ、前向きに取り組む方針を明らかにした。スカイマークの空港地上業務を担うグランドハンドリング(グラハン)を鈴与グループが担うことも検討する。同日の静岡新聞社のインタビューに対し述べた。

鈴木与平 鈴与グループ代表
鈴木与平 鈴与グループ代表
 羽田空港を拠点とするスカイマークは、神戸空港にも多く乗り入れていて、神戸―那覇などの人気路線を持つ。一方、静岡空港や愛知県営名古屋空港を拠点とするFDAも地方と神戸を結ぶ路線を有し、松本空港(長野県)など那覇への直行便を持たない空港利用者にスカイマーク便との乗り継ぎをアピールする。
 例えば、神戸空港では、スカイマークとFDAはそれぞれ自社系列の別々のグラハンを運用している。同様の空港において、鈴与グループとしてスカイマークと空港地上業務を共同で運用することを検討していく。すでに仙台空港(宮城県)で受託実績があり、協業を加速させる。
 鈴木代表は「神戸空港はスカイマークが多く飛び、FDAも飛んでいる。FDAの神戸発着便を増やすなどネットワークが広がれば、もっといろいろなことができる」と述べ、将来的な共同運航(コードシェア)についても「勉強していかないといけない」と述べ、実現に含みを持たせた。
 (清水支局・坂本昌信)
〈2023.12.2 あなたの静岡新聞〉

2022年12月、15年経営破綻から約7年ぶりに再上場 

 中堅航空会社スカイマークは14日、東京証券取引所グロース市場に株式を上場した。2015年3月に上場廃止となっており、約7年9カ月ぶりの再上場。調達した資金を機材の更新費用などに充てる。初値は公開価格の1株1170円を上回る1272円で、初値に基づく時価総額は767億円。午前終値は1284円だった。

 スカイマークは15年に経営破綻。ANAホールディングスなどの支援で再建し、一度は19年10月に再上場を申請したが、新型コロナウイルスの影響が大きく20年4月に取り下げた。今年8月、国内旅客の回復を受けて再申請していた。
〈2022.12.14 あなたの静岡新聞〉

2015年8月 投資会社インテグラルと、ANAが支援の再生案が確定 

 民事再生手続き中のスカイマークの債権者集会が5日、東京地裁で開かれ、ANAホールディングスの支援を柱とするスカイマーク陣営の再生計画案が債権者の投票により可決された。計画案は債権総額の議決権ベースで約6割の賛成を獲得。東京地裁から同日に認可決定を受けた。不服申し立てがなければ9月上旬に確定する見通しだ。

 
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スカイマーク支援での出資枠組み
   追加の路線廃止は当面ない見込みだが、便数の増減はあり得るといい、今後の戦略によっては利用者に影響も出そうだ。米デルタ航空と組んで対抗していた米航空リース会社「イントレピッド・アビエーション」との争奪戦が決着し、経営破綻から半年を経て再建がようやく本格化する。
 ANAの長峯豊之取締役は東京都内での記者会見で、スカイマークとの共同運航について早期の実施に意欲を示した。スカイマークの井手隆司会長は、撤退を決めている米子、仙台の両空港以外では当面、路線の運休や新設をしない方針を表明。神戸空港については拠点としての機能を維持する考えを強調した。
 スカイマークの計画案ではANA、投資ファンドのインテグラル(東京)、日本政策投資銀行と三井住友銀行の折半出資ファンドが計180億円を出資する。ANAが共同運航や整備面で協力して経営を立て直し、5年以内に再上場させることを目指す。
  
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再生案と債権者の構図
イントレピッドの計画案への参加を表明していたデルタの森本大日本支社長も会見し「スカイマークは魅力的な会社と認識しており、支援企業になれなかったことは非常に残念だ」と述べた。
 債権者集会の投票では、スカイマーク案が欧州航空機大手エアバスなど大口債権者の支持を受け、債権総額の議決権ベースで60・25%、投票者数の約8割の賛成を集めた。  スカイマーク  羽田空港を中心に国内線を運航する中堅航空会社。設立は1996年で、規制緩和を受けて新規参入した。日本航空や全日本空輸と異なる路線展開や割安な運賃設定で一時期業績を伸ばした。格安航空会社(LCC)との競争激化や機材戦略の失敗で経営が急速に傾き、ことし1月に東京地裁に民事再生法の適用を申請した。7月1日時点の社員数は約2千人。
〈2015.8.6 静岡新聞朝刊〉
地域再生大賞