国際線再開の静岡空港 インバウンド回復への戦略は
新型コロナウイルスの影響で約3年間停止していた静岡空港国際線の運航が25日、韓国発着のチャーター便を皮切りに再開しました。コロナ禍前は地方管理空港としてトップクラスの外国人出入国数を維持していただけに、インバウンド回復を通じた地域経済の活性化に期待がかかります。国際線の再開見通しを含めた静岡空港の戦略を紹介します。
再開第1便は韓国から 25日にチャーター便到着
静岡空港で25日、新型コロナウイルスの影響で全便欠航が続いていた国際線の運航が約3年ぶりに再開し、韓国からのチャーター便が到着した。空港内ではインバウンド(訪日客)拡大への機運を高めようと多彩なおもてなし企画が催され、関係者が一体となりお祝いムードで海外旅客を迎え入れた。

国際線到着口では法被姿の空港関係者や県や空港周辺市町のPRキャラクターが出迎えた。「静岡へようこそ」と韓国語で書かれた横断幕も掲げられ、韓国語の県内マップなどの記念品を搭乗者に手渡した。家族4人でツアーに参加したチャン・フジュさん(44)は「以前東京に住んでいたことはあるが、静岡は初めて。おいしいお茶を飲んでみたい」と笑顔で話した。
午後1時20分の出発便では旅行客に記念品を配布し、空港関係者らが飛び立つ飛行機をお見送りした。
同空港の国際線はコロナ禍前に中国、韓国、台湾の計6路線が就航していた。これまでに今回の韓国チャーター便に加え、3月26日のソウル線定期便再開、3~4月のベトナム発着チャーター便の運航が決まっている。富士山静岡空港株式会社(牧之原市)の西村等社長は「インバウンドの方々が県内の観光地に赴いてもらえるよう、いち早く他の路線も再開させたい」と話した。(榛原支局・足立健太郎)
〈2023.2.26 あなたの静岡新聞〉
訪日客受け入れへ準備万端 国際線チェックインカウンターも増設
新型コロナウイルスの影響により静岡空港で約3年間停止していた国際線の運航が、25日の韓国発着のチャーター便を皮切りに相次いで再開する。2010年度以降は地方管理空港として外国人出入国数のトップクラスを維持していただけに、インバウンド(訪日客)の回復は疲弊した地域経済活性化への足掛かりとして期待がかかる。再開を直前に控え、ターミナルビル内は海外旅客の受け入れ準備を着々と整える。
.jpg)
搭乗受付所は予定していた設備工事を終え、旅客を待つばかり。同空港を運営する富士山静岡空港株式会社(牧之原市)は欠航期間を利用して、国際線チェックインカウンターの増設や保安検査機器の移設に着手。コロナ収束後の需要拡大を見据え、旅客の混雑回避と利用しやすい環境整備を進めた。
CIQ(税関、出入国管理、検疫)を担う関係機関は、1月下旬に官民11機関の総勢約100人が参加して実務の合同訓練を実施。コロナ禍で長らく業務中断を余儀なくされた上、オンラインサービスを活用した新しい取り組みもあり、参加者は利用客の動きを想定して連携を中心に確認した。
静岡空港は国内、国際線を合わせた搭乗者数が19年度に過去最高の73万7940人を記録。そのうち国際線は4割近い27万5643人に上った。同社は国際線の既存路線の復活と新規路線の開拓を狙い、38年度までに搭乗者数135万人とする長期目標を掲げている。西村等社長は「ようやく再開の扉が開いた。コロナ禍で再発見した地域資源を生かしながら、さらなる路線増、利便性向上を着実に取り組んでいく」と意気込む。
国際線はこれまでに2月25、28日の韓国チャーター便のほか、3月26日にソウル線定期便再開、3~4月のベトナム発着チャーター便運航が発表されている。(榛原支局・足立健太郎)
〈2023.2.24 あなたの静岡新聞〉
中国、韓国、台湾の既存6路線の復活目標
新型コロナウイルスの影響で全便欠航が続く静岡空港の国際線の復活に期待が高まっている。今年に入り韓国定期便の再開などが相次いで決定。月内に見込まれる中国からの入国規制の撤廃も追い風になりそうだ。国内線需要は既に回復基調に乗っていて、同空港は東アジアや東南アジアに照準を合わせた戦略で利用底上げを図る。

「常に航空会社に働きかけている状態」
県空港振興課の滝口浩一課長はさらなる就航に向けた取り組みを強調する。差し当たりの目標は中国、韓国、台湾の既存計6路線を復活させることという。
特に気をもんでいるのが中国便の動向。国内線を含め年間搭乗者数の25%程度を占めた主力は、コロナ禍で4路線がすべて運休になった。
中国本土からの直行便は成田や羽田など主要4空港に限定されたままで、先ごろようやく、この規制が解除される見通しが示された。全国の空港でインバウンド(訪日客)の獲得競争となるのは必至で、本県関係者は富士山や多彩な食文化といった魅力を武器に、航空会社と交渉を進める。
一層の利用拡大に向けては定期便未開拓地域の就航も欠かせない。
空港を運営する富士山静岡空港株式会社の渡部勝専務は、タイ、ベトナム、フィリピンをはじめとした東南アジア圏に狙いを定める。今回就航が決まったベトナム・ベトジェットエアのチャーター便は昨年6月に同国ダナンで行われた商談会での営業活動が実を結んだ。「圏域は日系企業も日本への技能実習生も多い。確実に需要はある」と息巻く。
県によると、国内線は観光、ビジネス利用ともに増加傾向。3月下旬以降の夏ダイヤは新千歳や那覇、福岡など7路線週77往復を予定している。
■過去最高は73万人 19年度 全体搭乗者数
新型コロナの感染拡大は静岡空港の利用状況を直撃した。年間搭乗者数は2020年度が過去最低の11万7240人(1日平均321人)、21年度が18万8409人(同516人)。コロナ前5年間の平均約68万6千人から激減した。
過去最高はコロナ禍直前の19年度で、73万7940人だった。1日平均の利用は2022人。
川勝平太知事は同空港に東海道新幹線の新駅設置を主張している。(社会部・河村英之)
〈2023.2.18 あなたの静岡新聞〉
ベトナム発着便 11年ぶり就航決定 3、4月に訪日ツアー
静岡県と富士山静岡空港株式会社(牧之原市)は2日、静岡空港の国際線について、新たにベトナム発着のチャーター便の運航が決まったと発表した。3~4月の桜の季節に合わせた訪日ツアーのため往復計6便が運航される予定で、ベトジェットエアが初就航する。ベトナム便の運航は2012年3月のチャーター便以来、11年ぶり。
富士山静岡空港は、これまで定期便が就航していなかった東南アジア路線の開拓のため、アジア圏の航空会社と商談を行ってきた。同社は「日本からのチャーター便運航や定期便化も目指し、継続的な誘致活動に取り組む」と話した。県空港振興課も「ベトナムは県内企業の進出も著しい国。チャーター便誘致から新たな需要を喚起したい」とした。(政治部・杉崎素子)
〈2023.2.2 あなたの静岡新聞〉