アイリスオーヤマ 裾野市に飲料水工場 狙いは?
生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市)は、裾野市内に富士裾野工場を開設し2021年に新規参入した飲料水事業を増産することを明らかにし、30日には裾野市と立地協定を結びました。新工場開設は、新たな雇用にも繋がりそうですが、進出する狙いは何なのでしょう。新工場の概要、大山会長の記者会見の内容について1ページにまとめます。
トヨタ紡織工場跡地を取得 段階的に増産、新たに緑茶生産も
生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市)は30日、裾野市に富士裾野工場を開設するため、同市と立地協定を結んだ。2021年に参入した飲料水の供給能力を初年度、現在の約2・5倍の5億本に引き上げる。

天然水と炭酸水の飲料水事業の生産拠点は小山町の富士小山工場に続いて2カ所目。同市須山のトヨタ紡織工場跡地を取得した。総投資額は約300億円。段階的に増産する計画で、緑茶の生産にも乗り出す。静岡県内の2工場で新たに約300人を雇用する。
富士裾野工場は敷地面積約6万平方メートル。内装工事などを行い、敷地内で取水して6月から稼働する。延べ床面積約5万平方メートルの倉庫も新設する。
富士小山工場でフル生産が続く中、同社は新たな進出先を探していた。佐賀県の鳥栖工場でも将来的に飲料水の生産を始める。(東部総局・杉山諭)
〈2023.1.31 あなたの静岡新聞〉
富士裾野工場は敷地面積約6万平方メートル。内装工事などを行い、敷地内で取水して6月から稼働する。延べ床面積約5万平方メートルの倉庫も新設する。
富士小山工場でフル生産が続く中、同社は新たな進出先を探していた。佐賀県の鳥栖工場でも将来的に飲料水の生産を始める。(東部総局・杉山諭)
〈2023.1.31 あなたの静岡新聞〉
国内市場堅調に推移 進出の狙いは?
※2023年1月13日 あなたの静岡新聞

生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市)が裾野市内に新工場を開設することが12日までに、関係者への取材で分かった。小山町の富士小山工場に続き静岡県内2カ所目の生産拠点を整備し、2021年に新規参入した飲料水事業を増産する。トヨタグループが国内の生産拠点再編に伴い近年同市から撤退する中、市は企業立地方針を策定して誘致を強化していた。
関係者によると、アイリスオーヤマは同市須山の工業団地に進出する方針。既存の工場跡地を取得し、生産設備を導入するなどして4月に裾野工場として稼働を始める予定という。
同社は21年2月、富士小山工場で天然水と炭酸水の本格生産を始めた。家庭用を中心に国内市場は堅調に推移。今後想定される首都直下地震や南海トラフ地震など大規模災害の発生時に飲料水を迅速に供給する狙いもあり、増産を決めたとみられる。
「富士山の天然水」を利用した飲料水事業の生産拠点に富士山麓の小山町と裾野市を位置付けるほか、裾野工場では将来的に緑茶などの製造に乗り出すことも検討するという。敷地面積6万1千平方メートル、延べ床面積が2万2千平方メートル規模になるとみられ、現地で採水する計画。雇用に関しては地元で100人以上を採用するとしている。
裾野市は首都圏から近い立地と豊富な地下水を生かして新たな工業団地も造成する計画で、村田悠市長が積極的にトップセールスに出向いている。村田市長は「ワン・ストップ・サービスを構築し、市を挙げて誘致を強化する中、新たな企業の進出が決まってよかった」と話した。
市は製造業に加え、トヨタ自動車が建設する未来型都市「ウーブン・シティ」を見据え、次世代産業と新技術開発の集積も目指す。(東部総局・杉山諭)
関係者によると、アイリスオーヤマは同市須山の工業団地に進出する方針。既存の工場跡地を取得し、生産設備を導入するなどして4月に裾野工場として稼働を始める予定という。
同社は21年2月、富士小山工場で天然水と炭酸水の本格生産を始めた。家庭用を中心に国内市場は堅調に推移。今後想定される首都直下地震や南海トラフ地震など大規模災害の発生時に飲料水を迅速に供給する狙いもあり、増産を決めたとみられる。
「富士山の天然水」を利用した飲料水事業の生産拠点に富士山麓の小山町と裾野市を位置付けるほか、裾野工場では将来的に緑茶などの製造に乗り出すことも検討するという。敷地面積6万1千平方メートル、延べ床面積が2万2千平方メートル規模になるとみられ、現地で採水する計画。雇用に関しては地元で100人以上を採用するとしている。
裾野市は首都圏から近い立地と豊富な地下水を生かして新たな工業団地も造成する計画で、村田悠市長が積極的にトップセールスに出向いている。村田市長は「ワン・ストップ・サービスを構築し、市を挙げて誘致を強化する中、新たな企業の進出が決まってよかった」と話した。
市は製造業に加え、トヨタ自動車が建設する未来型都市「ウーブン・シティ」を見据え、次世代産業と新技術開発の集積も目指す。(東部総局・杉山諭)
小山町の工場と合わせ生産柔軟に 大山会長 一問一答
生活用品大手アイリスオーヤマ(仙台市)の大山健太郎会長は30日、裾野市内で記者会見し、進出理由について「適切な工場跡を取得でき、予定していた鳥栖工場(佐賀県)の生産計画を移した」と説明した。主な一問一答は次の通り。

―富士裾野工場(裾野市)の生産計画は。
「とりあえずは強炭酸水と天然水を1ラインずつの計2ライン。来年には新たにお茶のラインを入れ、最終的には6ラインにする」
―裾野市に決めた要因は。
「一番はスピード感。工業用地を取得し、新しいモノを建てて生産を始めるには2年ぐらいかかるが、飲料水にぴったりの工場(の建物)があった。富士小山工場(小山町)と同じ富士山の水も利用できる」
―鳥栖工場の計画に変更はあるか。
「西日本向けに数年後にはいまの計画を進める。富士裾野工場が終わった後、着工していきたい」
―静岡県内2工場のすみ分けは。
「車で30分の立地にあり、それも今回の大きな要因。どちらがどちらではなく、両工場を合わせ『静岡工場』と捉えている。需要に応じて生産体制を柔軟に考えていく」
〈2023.1.31 あなたの静岡新聞〉
「とりあえずは強炭酸水と天然水を1ラインずつの計2ライン。来年には新たにお茶のラインを入れ、最終的には6ラインにする」
―裾野市に決めた要因は。
「一番はスピード感。工業用地を取得し、新しいモノを建てて生産を始めるには2年ぐらいかかるが、飲料水にぴったりの工場(の建物)があった。富士小山工場(小山町)と同じ富士山の水も利用できる」
―鳥栖工場の計画に変更はあるか。
「西日本向けに数年後にはいまの計画を進める。富士裾野工場が終わった後、着工していきたい」
―静岡県内2工場のすみ分けは。
「車で30分の立地にあり、それも今回の大きな要因。どちらがどちらではなく、両工場を合わせ『静岡工場』と捉えている。需要に応じて生産体制を柔軟に考えていく」
〈2023.1.31 あなたの静岡新聞〉