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⚽ゴン中山監督就任 J3アスルクラロ沼津、新体制始動

 サッカーJ3アスルクラロ沼津の新監督に、元日本代表でクラブOBの中山雅史氏(55)が就任しました。昨季18チーム中15位と低迷した沼津を立て直すため、中山新監督は「結束 熱く闘え!」をスローガンにチームで結束して戦う考えを強調しています。目指すサッカー像や就任の経緯など1ページにまとめます。

古巣で監督として再スタート「勝利へ全身全霊」

 サッカーJリーグ3部(J3)アスルクラロ沼津は17日、中山雅史新監督(55)の就任記者会見を沼津市内で開いた。古巣で監督としてのキャリアをスタートさせた中山監督は「全身全霊を込めて勝利に向かっていきたい。野心いっぱい」と、熱っぽく語った。

就任会見で今季のスローガンを発表する中山雅史新監督=17日午後、沼津市内(東部総局・山川侑哉)
就任会見で今季のスローガンを発表する中山雅史新監督=17日午後、沼津市内(東部総局・山川侑哉)
 沼津は昨季、18チーム中15位。得点やシュート数などからも「足りない部分が多すぎる」と課題を挙げた。目指すサッカー像は「攻守一体」。コースを作りポジションをとって「当たり前のことを当たり前にやって、その上でいいプレーを表現できるようにしたい」と話した。
 同席した高島雄大社長は中山監督を起用した経緯にも触れ「モチベーターで質の高いトレーニングを構築できる人をリストアップして、最初に候補に挙がった。クラブのことも知り尽くしている」と期待感を示した。中山監督は今季のスローガンを「結束 熱く闘え!」とすることも明らかにした。(東部総局・山本萌絵佳)
​ 〈2023.1.18 あなたの静岡新聞〉

就任の経緯や目指す監督像は

 沼津市内で17日に就任記者会見に臨んだサッカーJリーグ3部(J3)アスルクラロ沼津の中山雅史監督(55)は、慢心せずチームで結束して戦う考えを強調した。

記者会見で抱負を述べる中山雅史新監督=17日午後、沼津市内(東部総局・山川侑哉)
記者会見で抱負を述べる中山雅史新監督=17日午後、沼津市内(東部総局・山川侑哉)

 -就任の経緯は。
 「監督経験がなく不安だったが高島雄大社長から、皆でサポートするとの言葉をいただいた。選手時代に勝利に関われなかった悔しさがあった。自分が以前なし得なかったチームの力になることができれば、それが一番だと引き受けた」
 -目指す監督像は。
 「選手をどのように配置するかが重要だと思っている。選手が自身の判断で試合を進められるように導くのが一番。多くを語らず練習の中で落とし込み、選手が吸収して試合に生かすのが理想」
 -磐田でのコーチ経験で得られたものは。
 「もくろみを甘くしてはいけないこと。チーム、選手、自分に対しても厳しい姿勢が必要だと感じた」
 -選手に伝えたことは。
 「自分との戦いに勝ち、チーム内でポジションが重なる選手、あるいは11人に入るために自分を高めていけるのか。どれだけ強い気持ちを持ってアプローチできるかが大事だと伝えた」(東部総局・山本萌絵佳)
​ 〈2023.1.18 あなたの静岡新聞〉

日本代表として53試合出場、21得点 沼津ユースの指導経験も

中山雅史氏
中山雅史氏
 ※2022年11月14日 あなたの静岡新聞から
 サッカーJリーグ3部(J3)アスルクラロ沼津は(2022年11月)14日までに、来季新監督に、クラブOBで今季J1ジュビロ磐田のコーチを務めた中山雅史氏(55)が就任すると発表した。
 中山氏は藤枝東高、筑波大を経て1990年、磐田の前身のヤマハ発動機に入団。主力選手として黄金期を支えたほか、日本代表として53試合に出場し、21得点を決めた。JFL時代の沼津に2015年に加入し、19~20年には沼津ユースを指導した。21年にコーチとして12年ぶりに磐田に復帰したが13日、退団を発表した。
 今季の沼津はシーズン開幕から勢いに乗れず低迷。8月、成績不振を理由に今井雅隆氏が監督を解任され、強化部長だった望月一仁氏が後任を務めていた。沼津は(2022年11月)14日現在、8勝7分け18敗の15位。
 ※内容は当時のまま

初練習で熱血指導 早速「中山イズム」注入

 J3沼津は17日、沼津市の愛鷹広域公園スポーツ広場で今季のチーム初練習を行った。中山新監督が初めて指揮に臨み、新加入も含めた25選手に早速「中山イズム」を植え付けた。

中山新監督(左奥)の下、初練習に臨む選手ら=愛鷹広域公園スポーツ広場(東部総局・山川侑哉)
中山新監督(左奥)の下、初練習に臨む選手ら=愛鷹広域公園スポーツ広場(東部総局・山川侑哉)
 ランニングやパス回し、ミニゲームなどで1時間半、体を動かした。ペアになってのトラップやワンツーなど、新加入選手も大きな声をかけ合いながら取り組んだ。
 ミニゲームでは新監督が「ワンタッチでシュートまで」「浮き球にせずボールを止めないこと」とポイントを指示。現役時代、磐田でチームメートだった鈴木ヘッドコーチもアドバイスした。昨季主将を務めたMF菅井は「元気よく、活気があふれてた。メリハリのついた練習だった」と振り返った。
 指揮官はプレーの内容や選手の気づいた点をメモしながら臨み「練習が移る時にだらけたくない。試合で相手の休む時間を与えないことにつなげたい」との考えを話した。選手が積極的に取り組んでくれたといい、「質の高い練習の継続が今季の躍進のきっかけになると考えている」と期待した。
 昨季はリーグ15位に沈んだ沼津。27得点はリーグワースト2位で、中山監督は攻撃面で足りない部分が多いと強調する。「シュートまでにどういうプレーや崩しが効果的かを今後伝えていく」と見据えた。(東部総局・小西龍也)
 〈2023.1.18 あなたの静岡新聞〉