2022年 十大ニュース振り返り(静岡・全国・国際・運動)
共同通信社と静岡新聞社など全国の加盟新聞社の編集・論説責任者らが選ぶ今年の十大ニュースが決まった。1位は国内が安倍晋三元首相銃撃、国際はロシアによるウクライナ侵攻で、いずれも歴史的な大ニュースだった。
国内2位は円安と物価高、3位は東京五輪汚職事件となった。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)被害者救済、知床観光船事故も上位に入った。新型コロナウイルス関連は、1日当たり最多感染者を出した第7波と対策の緩和の動きが6位。年末に焦点となった安全保障関連3文書改定と防衛費増額は10位だった。
国際では2位にウクライナ侵攻の影響による燃料価格高騰と食料危機懸念。中国共産党の習近平総書記が異例の3期目、北朝鮮の相次ぐミサイル発射が3、4位となり、英国のエリザベス女王死去が5位に入った。
静岡新聞社が選ぶ県内ニュースの1位は台風8号や15号、県西部豪雨などにより各地で相次いだ風水害。2位に牧之原市のこども園で園児バス置き去り死亡事件、3位にJ1磐田と清水が共にJ2降格、J3藤枝のJ2昇格が入った。
風水害爪痕深く/園児バス置き去り死/磐田、清水J2降格

①相次ぐ風水害、県内各地に爪痕
台風や記録的な豪雨が各地で猛威を振るった。9月23日夜から翌未明の台風15号では、中西部で土砂崩れや川の氾濫が相次ぎ、12月26日時点で3人が死亡、7人が重軽傷。建物の浸水害は約1万件に上った。島田市と浜松市天竜区では盛り土が崩落し、静岡市清水区では大規模断水があった。8月は台風8号が伊豆半島に上陸。松崎町雲見地区では温泉の供給が止まり、複数の旅館が営業停止した。9月初旬の県西部豪雨では内水氾濫による浸水害が発生した。
②バスに置き去り、牧之原で園児死亡
学校法人榛原学園が運営する牧之原市静波の認定こども園「川崎幼稚園」で9月5日、園児が送迎バスに約5時間にわたり置き去りにされ、熱射病で死亡した。事件直後から市と県による特別監査、県警による捜査が行われ、今月5日に業務上過失致死容疑で同園の前理事長兼園長ら4人が静岡地検に書類送致された。事件を巡り、全国各地で保育施設などの安全管理対策が見直され、国は来年4月から送迎バスへの安全装置設置を義務付けた。
③J1から県内チーム消える
サッカーJリーグ1部(J1)で今季清水エスパルスが17位、ジュビロ磐田が最下位の18位に沈み、来季J2降格が決まった。Jリーグ発足以来2クラブがそろってJ1から消えるのは初めて。Jリーグ発足初年度から加わる清水は夏場に5戦負けなしと一度は浮上したが、終盤に失速。3度の年間優勝を成し遂げた磐田は世代交代ができず3度目の降格となった。来季はJ3から昇格した藤枝MYFCを加え、県勢3クラブがJ2で戦う。
④サッカーW杯、日本が強豪撃破で決勝T進出
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本は優勝経験国のドイツ、スペインに歴史的勝利を挙げ、1次リーグを首位で突破。決勝トーナメント1回戦でPK戦の末に敗れ、初の8強入りはまたも逃したが、健闘が光った。清水エスパルスの権田修一が正GKとして貢献。浜松市出身の伊藤洋輝もピッチに立った。
⑤裾野の保育園で虐待事件
裾野市の私立さくら保育園で保育士3人による虐待行為が繰り返されていたことが11月29日、本紙報道で明らかになった。裾野署は12月4日、暴行容疑で3人を逮捕した。園や市によると、3人は6~8月、園児に対して「宙づりにする」「たたいて泣かせる」「容姿をからかう」など16事例の行為を日常的に行っていたとされる。
⑥政令市長選、現職が不出馬表明
任期満了に伴う2023年4月の浜松と静岡の両政令市長選で、いずれも現職が不出馬を表明した。鈴木康友浜松市長(65)は4期16年、田辺信宏静岡市長(61)は3期12年での退任となる。浜松市長選は元総務官僚の中野祐介氏(52)、静岡市長選は自民県議の山田誠氏(60)と元副知事の難波喬司氏(66)が出馬を表明した。
⑦小山で観光バス横転、29人死傷
小山町須走の県道(通称ふじあざみライン)で10月13日午前11時50分ごろ、富士山須走口5合目から下っていた観光バスが横転した。乗客乗員36人のうち乗客の女性1人が死亡、28人が重軽傷を負った。運転手の男性(26)=処分保留で釈放=について、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで捜査が続いている。
⑧雑居ビル火災で消防隊員1人死亡
8月13日夜に静岡市葵区呉服町の雑居ビルから出火し、火元検索に当たっていた市消防局駿河特別高度救助隊の山本将光さん=当時(37)=が死亡した。同局は事故翌日に「活動に問題はなかった」と強調したが、屋内進入の装備や手順のあり方を問題視する有識者もいる。第三者による事故調査委員会が活動の検証を進めている。
⑨土石流遺族らが県と熱海市を提訴
死者・行方不明者計28人に上る熱海市伊豆山の土石流災害の遺族らが9月5日、起点となった盛り土が不適切に造成されたことを知りながら黙認したなどとして、県と熱海市に計約64億円の損害賠償を求めて静岡地裁沼津支部に提訴した。遺族らは起点の現旧土地所有者らを相手取った訴訟も起こしていて、来年1月から併合審理される。
⑩選抜高校野球、選出で波乱
第94回選抜高校野球大会の出場校が1月28日に発表され、秋の東海大会を制した日大三島が38年ぶりの出場を決めたのに対し、東海準優勝の聖隷クリストファーが落選。同4強の大垣日大(岐阜県)が選出される波乱は全国的な議論を呼んだ。選考委員が「個々の能力」「勝つ可能性」などを選考理由に挙げたことも不信を買った。
台風や記録的な豪雨が各地で猛威を振るった。9月23日夜から翌未明の台風15号では、中西部で土砂崩れや川の氾濫が相次ぎ、12月26日時点で3人が死亡、7人が重軽傷。建物の浸水害は約1万件に上った。島田市と浜松市天竜区では盛り土が崩落し、静岡市清水区では大規模断水があった。8月は台風8号が伊豆半島に上陸。松崎町雲見地区では温泉の供給が止まり、複数の旅館が営業停止した。9月初旬の県西部豪雨では内水氾濫による浸水害が発生した。
②バスに置き去り、牧之原で園児死亡
学校法人榛原学園が運営する牧之原市静波の認定こども園「川崎幼稚園」で9月5日、園児が送迎バスに約5時間にわたり置き去りにされ、熱射病で死亡した。事件直後から市と県による特別監査、県警による捜査が行われ、今月5日に業務上過失致死容疑で同園の前理事長兼園長ら4人が静岡地検に書類送致された。事件を巡り、全国各地で保育施設などの安全管理対策が見直され、国は来年4月から送迎バスへの安全装置設置を義務付けた。
③J1から県内チーム消える
サッカーJリーグ1部(J1)で今季清水エスパルスが17位、ジュビロ磐田が最下位の18位に沈み、来季J2降格が決まった。Jリーグ発足以来2クラブがそろってJ1から消えるのは初めて。Jリーグ発足初年度から加わる清水は夏場に5戦負けなしと一度は浮上したが、終盤に失速。3度の年間優勝を成し遂げた磐田は世代交代ができず3度目の降格となった。来季はJ3から昇格した藤枝MYFCを加え、県勢3クラブがJ2で戦う。
④サッカーW杯、日本が強豪撃破で決勝T進出
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本は優勝経験国のドイツ、スペインに歴史的勝利を挙げ、1次リーグを首位で突破。決勝トーナメント1回戦でPK戦の末に敗れ、初の8強入りはまたも逃したが、健闘が光った。清水エスパルスの権田修一が正GKとして貢献。浜松市出身の伊藤洋輝もピッチに立った。
⑤裾野の保育園で虐待事件
裾野市の私立さくら保育園で保育士3人による虐待行為が繰り返されていたことが11月29日、本紙報道で明らかになった。裾野署は12月4日、暴行容疑で3人を逮捕した。園や市によると、3人は6~8月、園児に対して「宙づりにする」「たたいて泣かせる」「容姿をからかう」など16事例の行為を日常的に行っていたとされる。
⑥政令市長選、現職が不出馬表明
任期満了に伴う2023年4月の浜松と静岡の両政令市長選で、いずれも現職が不出馬を表明した。鈴木康友浜松市長(65)は4期16年、田辺信宏静岡市長(61)は3期12年での退任となる。浜松市長選は元総務官僚の中野祐介氏(52)、静岡市長選は自民県議の山田誠氏(60)と元副知事の難波喬司氏(66)が出馬を表明した。
⑦小山で観光バス横転、29人死傷
小山町須走の県道(通称ふじあざみライン)で10月13日午前11時50分ごろ、富士山須走口5合目から下っていた観光バスが横転した。乗客乗員36人のうち乗客の女性1人が死亡、28人が重軽傷を負った。運転手の男性(26)=処分保留で釈放=について、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで捜査が続いている。
⑧雑居ビル火災で消防隊員1人死亡
8月13日夜に静岡市葵区呉服町の雑居ビルから出火し、火元検索に当たっていた市消防局駿河特別高度救助隊の山本将光さん=当時(37)=が死亡した。同局は事故翌日に「活動に問題はなかった」と強調したが、屋内進入の装備や手順のあり方を問題視する有識者もいる。第三者による事故調査委員会が活動の検証を進めている。
⑨土石流遺族らが県と熱海市を提訴
死者・行方不明者計28人に上る熱海市伊豆山の土石流災害の遺族らが9月5日、起点となった盛り土が不適切に造成されたことを知りながら黙認したなどとして、県と熱海市に計約64億円の損害賠償を求めて静岡地裁沼津支部に提訴した。遺族らは起点の現旧土地所有者らを相手取った訴訟も起こしていて、来年1月から併合審理される。
⑩選抜高校野球、選出で波乱
第94回選抜高校野球大会の出場校が1月28日に発表され、秋の東海大会を制した日大三島が38年ぶりの出場を決めたのに対し、東海準優勝の聖隷クリストファーが落選。同4強の大垣日大(岐阜県)が選出される波乱は全国的な議論を呼んだ。選考委員が「個々の能力」「勝つ可能性」などを選考理由に挙げたことも不信を買った。
安倍元首相 銃撃、死亡/円安、物価高 暮らし直撃

①安倍元首相が撃たれ死亡、国葬実施に反対も
自民党の安倍晋三元首相が7月8日、奈良市で参院選の街頭演説中に銃撃され死亡。岸田文雄首相は6日後に「国葬」実施を発表、9月27日に行われた。法的根拠や多額の国費支出、容疑者が恨みを抱いていた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と安倍氏ら自民党との関係から、国葬を巡って国民の賛否は割れた。
②歴史的な円安、物価高が暮らし直撃
日米金利差の拡大や国力低下を背景に10月21日、円相場は1ドル=151円台と32年ぶりの安値を記録、政府・日銀が覆面介入した。円安による輸入物価の上昇から食料品などが軒並み値上がり。11月の全国消費者物価指数は40年11カ月ぶりの伸び率となった。実質賃金は下がり続け、物価高が暮らしを直撃している。
③東京五輪汚職で元理事ら逮捕
東京地検特捜部は8月17日、受託収賄容疑で東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者を逮捕した。賄賂の受領額は5ルートから計約2億円とされる。11月末には談合事件にも発展し捜査が続く。札幌市が招致を目指す2030年冬季五輪の開催地決定は12月、来秋から先送りされた。
④旧統一教会に初の質問権行使、被害者救済法が成立
安倍元首相銃撃事件の後、旧統一教会への高額献金の被害や宗教2世の実態が社会問題化した。これを受け解散命令請求を視野に文部科学相が11月22日、宗教法人法に基づく質問権を初めて行使した。被害者救済法は12月10日の参院本会議で可決、成立したものの実効性の確保が課題だ。
⑤知床観光船事故、乗客乗員26人が死亡・行方不明
北海道・知床半島沖で4月23日、知床遊覧船が運航する観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した。船は水深約120メートルの海底で発見され6月1日に陸揚げされた。乗客乗員26人のうち20人が死亡、6人が行方不明。海上保安庁は業務上過失致死容疑で運航会社社長の立件も視野に事故原因を捜査している。
⑥コロナ第7波で過去最多感染者、緩和も進む
新型コロナウイルス感染症の流行は夏に「第7波」を迎え8月19日には1日当たり26万人超の感染が報告され過去最多を記録、11月中旬から「第8波」に。感染拡大防止と社会経済活動の両立を理由に7波以降は国による行動制限はなく、外国人観光客の受け入れを6月10日から再開、10月に入国上限を撤廃した。
⑦岸田内閣の閣僚辞任相次ぐ、支持率低迷
旧統一教会との接点が次々発覚した山際大志郎経済再生担当相が10月24日、死刑執行を巡る軽口発言の葉梨康弘法相が11月11日、政治資金問題で寺田稔総務相が11月20日、同様の問題で秋葉賢也復興相が12月27日に辞任。岸田内閣の支持率は11月下旬と12月の世論調査でいずれも33・1%と発足以来最低だった。
⑧ヤクルト村上、ロッテ佐々木朗が最年少で大記録
プロ野球ヤクルトの村上宗隆内野手が打率3割1分8厘、日本選手シーズン最多の56本塁打、134打点をマークし史上最年少、22歳で三冠王を獲得。たたえる呼び方「村神様」は流行語大賞に。ロッテの佐々木朗希投手は4月10日のオリックス戦で史上最年少の20歳5カ月で完全試合を達成。
⑨改正民法を施行、18歳から成人に
成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が4月1日に施行された。明治以来140年以上続いた大人の定義が変更され、クレジットカードや携帯電話などの契約に親の同意が不要となった。18、19歳を「特定少年」と位置付ける改正少年法も同時施行され、起訴後は実名報道が可能となっている。
⑩安全保障関連3文書を改定、防衛費増額
政府は12月16日、防衛力強化に向けた「国家安全保障戦略」など安保関連3文書を閣議決定した。反撃能力(敵基地攻撃能力)保有を明記、巡航ミサイルの配備も目指す。中国の軍事動向を「最大の戦略的な挑戦」と位置付けた。23年度から5年間の防衛費は約43兆円と増額、財源確保策として増税方針も決定した。
自民党の安倍晋三元首相が7月8日、奈良市で参院選の街頭演説中に銃撃され死亡。岸田文雄首相は6日後に「国葬」実施を発表、9月27日に行われた。法的根拠や多額の国費支出、容疑者が恨みを抱いていた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と安倍氏ら自民党との関係から、国葬を巡って国民の賛否は割れた。
②歴史的な円安、物価高が暮らし直撃
日米金利差の拡大や国力低下を背景に10月21日、円相場は1ドル=151円台と32年ぶりの安値を記録、政府・日銀が覆面介入した。円安による輸入物価の上昇から食料品などが軒並み値上がり。11月の全国消費者物価指数は40年11カ月ぶりの伸び率となった。実質賃金は下がり続け、物価高が暮らしを直撃している。
③東京五輪汚職で元理事ら逮捕
東京地検特捜部は8月17日、受託収賄容疑で東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者を逮捕した。賄賂の受領額は5ルートから計約2億円とされる。11月末には談合事件にも発展し捜査が続く。札幌市が招致を目指す2030年冬季五輪の開催地決定は12月、来秋から先送りされた。
④旧統一教会に初の質問権行使、被害者救済法が成立
安倍元首相銃撃事件の後、旧統一教会への高額献金の被害や宗教2世の実態が社会問題化した。これを受け解散命令請求を視野に文部科学相が11月22日、宗教法人法に基づく質問権を初めて行使した。被害者救済法は12月10日の参院本会議で可決、成立したものの実効性の確保が課題だ。
⑤知床観光船事故、乗客乗員26人が死亡・行方不明
北海道・知床半島沖で4月23日、知床遊覧船が運航する観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した。船は水深約120メートルの海底で発見され6月1日に陸揚げされた。乗客乗員26人のうち20人が死亡、6人が行方不明。海上保安庁は業務上過失致死容疑で運航会社社長の立件も視野に事故原因を捜査している。
⑥コロナ第7波で過去最多感染者、緩和も進む
新型コロナウイルス感染症の流行は夏に「第7波」を迎え8月19日には1日当たり26万人超の感染が報告され過去最多を記録、11月中旬から「第8波」に。感染拡大防止と社会経済活動の両立を理由に7波以降は国による行動制限はなく、外国人観光客の受け入れを6月10日から再開、10月に入国上限を撤廃した。
⑦岸田内閣の閣僚辞任相次ぐ、支持率低迷
旧統一教会との接点が次々発覚した山際大志郎経済再生担当相が10月24日、死刑執行を巡る軽口発言の葉梨康弘法相が11月11日、政治資金問題で寺田稔総務相が11月20日、同様の問題で秋葉賢也復興相が12月27日に辞任。岸田内閣の支持率は11月下旬と12月の世論調査でいずれも33・1%と発足以来最低だった。
⑧ヤクルト村上、ロッテ佐々木朗が最年少で大記録
プロ野球ヤクルトの村上宗隆内野手が打率3割1分8厘、日本選手シーズン最多の56本塁打、134打点をマークし史上最年少、22歳で三冠王を獲得。たたえる呼び方「村神様」は流行語大賞に。ロッテの佐々木朗希投手は4月10日のオリックス戦で史上最年少の20歳5カ月で完全試合を達成。
⑨改正民法を施行、18歳から成人に
成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が4月1日に施行された。明治以来140年以上続いた大人の定義が変更され、クレジットカードや携帯電話などの契約に親の同意が不要となった。18、19歳を「特定少年」と位置付ける改正少年法も同時施行され、起訴後は実名報道が可能となっている。
⑩安全保障関連3文書を改定、防衛費増額
政府は12月16日、防衛力強化に向けた「国家安全保障戦略」など安保関連3文書を閣議決定した。反撃能力(敵基地攻撃能力)保有を明記、巡航ミサイルの配備も目指す。中国の軍事動向を「最大の戦略的な挑戦」と位置付けた。23年度から5年間の防衛費は約43兆円と増額、財源確保策として増税方針も決定した。
ロシアがウクライナ侵攻 燃料高騰 食料危機も

①ロシアがウクライナ侵攻、核威嚇で緊張
ロシアは2月24日、ウクライナを侵攻、ゼレンスキー政権がロシア系住民を迫害しているとして侵略を正当化したが、首都キーウ(キエフ)攻略は失敗、欧米の武器支援を受けるウクライナ軍に苦戦を強いられた。ロシア軍が一時占拠した地域で多数の民間人虐殺が見つかり国際社会は震撼(しんかん)。核の威嚇を繰り返すロシアのプーチン大統領は9月に4州併合を宣言、死者が万単位となるが出口は見えない。
②ウクライナ侵攻で燃料価格高騰、食料危機も
ウクライナ侵攻後、調達環境が不透明さを増したエネルギーや穀物の価格が高騰、世界的なインフレに。ロシア産天然ガスへの依存度が高い欧州はエネルギー政策を大幅に見直し。穀物の主要輸出国ウクライナの南部主要港をロシア軍が攻撃、農作物が一時輸出できず、中東やアフリカに食料危機の懸念。
③中国共産党の習近平総書記が異例の3期目に
第20回中国共産党大会が10月に開かれ、習近平総書記が異例の3期目をスタート。新しい最高指導部7人のうち4人の新任ポストを習氏の側近が独占、元部下で上海市トップの李強氏が序列2位となり次期首相への就任をほぼ確実に。個人独裁を防ぐための集団指導体制は事実上瓦解(がかい)。米中対立が激化する中、台湾情勢の緊張が心配される。
④北朝鮮ミサイル発射相次ぐ、核実験準備も
金正恩[キムジョンウン]朝鮮労働党総書記の号令の下、ミサイルを相次ぎ発射、過去最多の30回を超えた。11月18日には新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星17を最高高度約6千キロに達する高角度で打ち上げ、北朝鮮メディアは成功と報道。射程は米本土を収める1万5千キロ超の可能性。変則軌道や極超音速の技術開発も推進、7回目の核実験の懸念も。
⑤英国のエリザベス女王死去
1953年に戴冠したエリザベス女王が9月8日、96歳で死去。後の国王ジョージ6世の長女として生まれ、父の病死に伴い王位を継承し75年に英国元首として初訪日。2007年に英史上最高齢の君主、15年に在位期間が英史上最長に。
⑥ソウル・梨泰院雑踏事故で158人死亡
10月29日夜、ハロウィーンを前に大混雑したソウル・梨泰院[イテウォン]の幅約3メートルの細い坂道で、大勢の人が折り重なるように倒れ多数が圧死。158人の犠牲者のうち20代が大半を占め、20代と10代の2人の日本人女性も犠牲になった。雑踏警備の不手際が指摘された。
⑦FRBが大幅利上げ
米連邦準備制度理事会(FRB)は3月16日、主要政策金利を事実上ゼロに抑える措置を終了し、金利0・25%の引き上げを決定。3年3カ月ぶりの利上げ。新型コロナウイルス禍での景気下支えのためのゼロ金利を2年で解除。ウクライナの戦争やコロナ明けの景気回復を受け物価高騰とガソリン高が進む中、5月4日には22年ぶりとなる0・5%の大幅利上げも。余波で空前の円安に。
⑧大谷翔平がルース以来の2桁勝利2桁本塁打
米大リーグ・エンゼルスの大谷は8月9日、オークランドでのアスレチックス戦に先発。6回を4安打無失点、5奪三振と好投、自己最多の10勝目を挙げ1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりの2桁勝利、2桁本塁打を達成。
⑨コロナ感染累計6億人超、各国緩和傾向
米ジョンズ・ホプキンズ大の集計で世界の新型コロナ感染者が8月26日に累計6億人を突破。この時点で死者は648万人超。国別の感染者は米国が最多。5億人から6億人に増えるまでに136日、4億人から5億人は63日、3億人から4億人は32日と増加ペースは鈍化。一方オミクロン株まん延で水際対策の意義が薄れ、各国は人の往来を復活させ経済活動を活性化。ワクチン普及もあって緩和が進んだ。
⑩米中間選挙で民主党善戦
インフレに苦しむバイデン政権の支持率低迷にもかかわらず、上院(定数100)は民主党が接戦州を制し多数派を堅持。下院(同435)は共和党が222議席を獲得し4年ぶりに多数派を奪還するも事前の予想を覆す僅差。接戦州でトランプ前大統領が推薦した候補の敗退が目立ち「トランプ離れ」の兆候も。
ロシアは2月24日、ウクライナを侵攻、ゼレンスキー政権がロシア系住民を迫害しているとして侵略を正当化したが、首都キーウ(キエフ)攻略は失敗、欧米の武器支援を受けるウクライナ軍に苦戦を強いられた。ロシア軍が一時占拠した地域で多数の民間人虐殺が見つかり国際社会は震撼(しんかん)。核の威嚇を繰り返すロシアのプーチン大統領は9月に4州併合を宣言、死者が万単位となるが出口は見えない。
②ウクライナ侵攻で燃料価格高騰、食料危機も
ウクライナ侵攻後、調達環境が不透明さを増したエネルギーや穀物の価格が高騰、世界的なインフレに。ロシア産天然ガスへの依存度が高い欧州はエネルギー政策を大幅に見直し。穀物の主要輸出国ウクライナの南部主要港をロシア軍が攻撃、農作物が一時輸出できず、中東やアフリカに食料危機の懸念。
③中国共産党の習近平総書記が異例の3期目に
第20回中国共産党大会が10月に開かれ、習近平総書記が異例の3期目をスタート。新しい最高指導部7人のうち4人の新任ポストを習氏の側近が独占、元部下で上海市トップの李強氏が序列2位となり次期首相への就任をほぼ確実に。個人独裁を防ぐための集団指導体制は事実上瓦解(がかい)。米中対立が激化する中、台湾情勢の緊張が心配される。
④北朝鮮ミサイル発射相次ぐ、核実験準備も
金正恩[キムジョンウン]朝鮮労働党総書記の号令の下、ミサイルを相次ぎ発射、過去最多の30回を超えた。11月18日には新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星17を最高高度約6千キロに達する高角度で打ち上げ、北朝鮮メディアは成功と報道。射程は米本土を収める1万5千キロ超の可能性。変則軌道や極超音速の技術開発も推進、7回目の核実験の懸念も。
⑤英国のエリザベス女王死去
1953年に戴冠したエリザベス女王が9月8日、96歳で死去。後の国王ジョージ6世の長女として生まれ、父の病死に伴い王位を継承し75年に英国元首として初訪日。2007年に英史上最高齢の君主、15年に在位期間が英史上最長に。
⑥ソウル・梨泰院雑踏事故で158人死亡
10月29日夜、ハロウィーンを前に大混雑したソウル・梨泰院[イテウォン]の幅約3メートルの細い坂道で、大勢の人が折り重なるように倒れ多数が圧死。158人の犠牲者のうち20代が大半を占め、20代と10代の2人の日本人女性も犠牲になった。雑踏警備の不手際が指摘された。
⑦FRBが大幅利上げ
米連邦準備制度理事会(FRB)は3月16日、主要政策金利を事実上ゼロに抑える措置を終了し、金利0・25%の引き上げを決定。3年3カ月ぶりの利上げ。新型コロナウイルス禍での景気下支えのためのゼロ金利を2年で解除。ウクライナの戦争やコロナ明けの景気回復を受け物価高騰とガソリン高が進む中、5月4日には22年ぶりとなる0・5%の大幅利上げも。余波で空前の円安に。
⑧大谷翔平がルース以来の2桁勝利2桁本塁打
米大リーグ・エンゼルスの大谷は8月9日、オークランドでのアスレチックス戦に先発。6回を4安打無失点、5奪三振と好投、自己最多の10勝目を挙げ1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりの2桁勝利、2桁本塁打を達成。
⑨コロナ感染累計6億人超、各国緩和傾向
米ジョンズ・ホプキンズ大の集計で世界の新型コロナ感染者が8月26日に累計6億人を突破。この時点で死者は648万人超。国別の感染者は米国が最多。5億人から6億人に増えるまでに136日、4億人から5億人は63日、3億人から4億人は32日と増加ペースは鈍化。一方オミクロン株まん延で水際対策の意義が薄れ、各国は人の往来を復活させ経済活動を活性化。ワクチン普及もあって緩和が進んだ。
⑩米中間選挙で民主党善戦
インフレに苦しむバイデン政権の支持率低迷にもかかわらず、上院(定数100)は民主党が接戦州を制し多数派を堅持。下院(同435)は共和党が222議席を獲得し4年ぶりに多数派を奪還するも事前の予想を覆す僅差。接戦州でトランプ前大統領が推薦した候補の敗退が目立ち「トランプ離れ」の兆候も。
サッカーW杯 日本代表 ドイツ、スペインを撃破

国内
①サッカーW杯8強ならず
サッカーのW杯カタール大会に日本は7大会連続7度目の出場。1次リーグでW杯を制した実績のあるドイツ、スペインを倒す金星を挙げ、初めて2大会続けて16強入りを果たした。決勝トーナメント1回戦でクロアチアに1-1からのPK戦で1-3と敗れて悲願の8強入りは逃した。
②村上、王抜く56発
プロ野球ヤクルトの村上宗隆内野手が56本塁打を放ち、王貞治(巨人)の55本を抜いて日本選手のシーズン最多記録を塗り替えた。本塁打王に加えて首位打者、打点王と主要3部門のタイトルを独占し、22歳の史上最年少で三冠王に輝いた。
③北京五輪、最多18個のメダル
北京冬季五輪で日本選手団は史上最多18個のメダルを獲得した。スピードスケートの高木美帆が金1個を含む4個のメダル、ジャンプの高梨沙羅はスーツの規定違反で失格となった。パラリンピックで日本勢は金4個。アルペンスキー女子座位の村岡桃佳が3冠。
④佐々木朗が完全試合
プロ野球ロッテの佐々木朗希投手がオリックス戦で完全試合を史上最年少の20歳5カ月で達成。13者連続奪三振の新記録や1試合19奪三振のタイ記録も樹立。直球が160キロを超える「令和の怪物」が本領を発揮した。
⑤五輪パラ汚職、談合疑惑
東京五輪・パラリンピック汚職事件で、スポンサー企業など5ルートから計約1億9800万円の賄賂を受領したとして、大会組織委員会の高橋治之元理事が起訴された。テスト大会関連事業の入札を巡って談合疑惑も浮上。元理事の強い影響力や組織委のガバナンス不全が浮き彫りに。
⑥東北勢が甲子園初V
第104回全国高校野球選手権大会で仙台育英(宮城)が初優勝。東北勢が甲子園大会で頂点に立つのは春の選抜大会を含めて史上初。同校監督の「青春ってすごく密」の言葉が注目を浴びた。
⑦井上尚が4団体統一
ボクシングのバンタム級で井上尚弥が日本人初の世界4団体王座統一を達成。3団体統一後に米老舗専門誌「ザ・リング」が選定する全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド」で1位に輝いた。
⑧オリックス26年ぶり日本一
プロ野球オリックスが日本シリーズでヤクルトを4勝2敗1分けで下し、阪急時代を含めて5度目の優勝。阪神大震災で本拠地だった神戸市が被災し「がんばろうKOBE」を掲げて戦った1996年以来、26年ぶりに頂点に立った。
⑨大物引退
フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌両冬季五輪王者の羽生結弦が競技会から引退。五輪で体操男子個人総合2連覇の内村航平や平昌のスピードスケート女子500メートル金メダルの小平奈緒も引退した。
⑩燃える闘魂
「燃える闘魂」のキャッチフレーズで昭和、平成のプロレスブームをけん引し、参院議員も務めたアントニオ猪木さんが死去。プロボクシング世界ヘビー級王者のムハマド・アリ(米国)との大一番を実現させるなど「異種格闘技戦」でも注目された。
【次点】北口が銅
陸上の世界選手権女子やり投げで北口榛花が3位に入り、五輪を含めて女子の投てき種目で日本勢初のメダル。男子100メートルでサニブラウン・ハキームが日本勢初の決勝進出を果たし7位。
惜別 大相撲で第56代横綱2代目若乃花の下山勝則さん、マサカリ投法でプロ野球通算215勝を挙げた村田兆治さん、元サッカー日本代表監督で「オシム語録」として親しまれたイビチャ・オシムさんが死去。
世界
①中東初のサッカーW杯
サッカーの第22回ワールドカップ(W杯)カタール大会でアルゼンチンが36年ぶり3度目の優勝を飾り、リオネル・メッシが2度目の大会最優秀選手に輝いた。ポルトガル代表のクリスティアノ・ロナルドが史上初の5大会連続ゴール。中東初開催で、夏の酷暑を避けるため冬にずらした。(写真はFIFA提供・ゲッティ=共同)
②大谷2桁勝利2桁本塁打
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平が15勝、34本塁打で、ベーブ・ルース以来104年ぶりとなる「2桁勝利、2桁本塁打」を達成。ワールドシリーズが始まった1903年以降で投打同時の規定到達は初。2年連続のア・リーグ最優秀選手(MVP)は逃した。
③コロナ、政治、薬物
北京冬季五輪は91カ国・地域(ROC含む)から約2900人の選手が参加。北京は史上初めて夏冬両五輪を開催した。新型コロナウイルス下で厳格なバブル方式で行われた。中国の少数民族などの人種問題に米英などが「外交ボイコット」で対抗し、「スポーツと政治」の問題が議論を呼んだ。フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ROC)のドーピング問題でも揺れた。
④平和への希求
ロシアのウクライナ侵攻により冬季パラリンピックは平和への希求が前面に出る大会に。国際オリンピック委員会はロシアやベラルーシの選手を国際大会から除外するよう全競技の国際連盟や大会主催者に勧告し、大半が受け入れた。
⑤ジャッジ62発でMVP
大リーグ、ヤンキースのアーロン・ジャッジがア・リーグ新のシーズン62本塁打を記録し、MVP。OBのロジャー・マリスの61本を更新した。
⑥フェデラー引退
テニスの男子で四大大会通算20勝のロジャー・フェデラー(スイス)が現役引退し、女子で四大大会通算23勝のセリーナ・ウィリアムズ(米国)も引退を示唆。アシュリー・バーティ(オーストラリア)は全豪オープン制覇の約2カ月後、25歳で電撃的に引退表明。
⑦RマドリードCL優勝
サッカーの欧州チャンピオンズリーグ決勝でレアル・マドリード(スペイン)がリバプール(イングランド)を下し、4季ぶりで大会最多を更新する14度目の優勝を果たした。(写真はゲッティ=共同)
⑧キプチョゲ世界新
マラソンの男子で五輪2連覇中のエリウド・キプチョゲ(ケニア)がベルリン・マラソンで2時間1分9秒の世界新記録で優勝した。自身の記録を30秒縮めた。(写真はAP=共同)
⑨ゴルフ新ツアー開幕
男子ゴルフの新ツアー「LIV招待」が開幕。人権問題などで非難されるサウジアラビアの政府系ファンドが資金源であることや潤沢なオイルマネーで大物選手を米ツアーから引き抜いたことで物議を醸した。米ツアーは大会の賞金増額、高額大会創設など対抗策を打ち出した。(写真はUSAトゥデー・ロイター=共同)
⑩アストロズV
大リーグのワールドシリーズでアストロズ(ア・リーグ)がフィリーズ(ナ・リーグ)を4勝2敗で下し、5年ぶり2度目の優勝を飾った。(写真はAP=共同)
【次点】ウッズ復帰
昨年2月に自動車事故で右脚に重傷を負った男子ゴルフのスター、タイガー・ウッズ(米国)がマスターズ・トーナメントで米ツアー復帰。
惜別 米プロバスケットボールNBAのセルティックスを11度の優勝に導いたビル・ラッセルさん、サッカーのオランダ代表で活躍し、Jリーグ広島の監督を務めたビム・ヤンセンさん、1960年代にボクシング世界王者としてファイティング原田と激闘を繰り広げたエデル・ジョフレさんが死去。
①サッカーW杯8強ならず
サッカーのW杯カタール大会に日本は7大会連続7度目の出場。1次リーグでW杯を制した実績のあるドイツ、スペインを倒す金星を挙げ、初めて2大会続けて16強入りを果たした。決勝トーナメント1回戦でクロアチアに1-1からのPK戦で1-3と敗れて悲願の8強入りは逃した。
②村上、王抜く56発
プロ野球ヤクルトの村上宗隆内野手が56本塁打を放ち、王貞治(巨人)の55本を抜いて日本選手のシーズン最多記録を塗り替えた。本塁打王に加えて首位打者、打点王と主要3部門のタイトルを独占し、22歳の史上最年少で三冠王に輝いた。
③北京五輪、最多18個のメダル
北京冬季五輪で日本選手団は史上最多18個のメダルを獲得した。スピードスケートの高木美帆が金1個を含む4個のメダル、ジャンプの高梨沙羅はスーツの規定違反で失格となった。パラリンピックで日本勢は金4個。アルペンスキー女子座位の村岡桃佳が3冠。
④佐々木朗が完全試合
プロ野球ロッテの佐々木朗希投手がオリックス戦で完全試合を史上最年少の20歳5カ月で達成。13者連続奪三振の新記録や1試合19奪三振のタイ記録も樹立。直球が160キロを超える「令和の怪物」が本領を発揮した。
⑤五輪パラ汚職、談合疑惑
東京五輪・パラリンピック汚職事件で、スポンサー企業など5ルートから計約1億9800万円の賄賂を受領したとして、大会組織委員会の高橋治之元理事が起訴された。テスト大会関連事業の入札を巡って談合疑惑も浮上。元理事の強い影響力や組織委のガバナンス不全が浮き彫りに。
⑥東北勢が甲子園初V
第104回全国高校野球選手権大会で仙台育英(宮城)が初優勝。東北勢が甲子園大会で頂点に立つのは春の選抜大会を含めて史上初。同校監督の「青春ってすごく密」の言葉が注目を浴びた。
⑦井上尚が4団体統一
ボクシングのバンタム級で井上尚弥が日本人初の世界4団体王座統一を達成。3団体統一後に米老舗専門誌「ザ・リング」が選定する全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド」で1位に輝いた。
⑧オリックス26年ぶり日本一
プロ野球オリックスが日本シリーズでヤクルトを4勝2敗1分けで下し、阪急時代を含めて5度目の優勝。阪神大震災で本拠地だった神戸市が被災し「がんばろうKOBE」を掲げて戦った1996年以来、26年ぶりに頂点に立った。
⑨大物引退
フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌両冬季五輪王者の羽生結弦が競技会から引退。五輪で体操男子個人総合2連覇の内村航平や平昌のスピードスケート女子500メートル金メダルの小平奈緒も引退した。
⑩燃える闘魂
「燃える闘魂」のキャッチフレーズで昭和、平成のプロレスブームをけん引し、参院議員も務めたアントニオ猪木さんが死去。プロボクシング世界ヘビー級王者のムハマド・アリ(米国)との大一番を実現させるなど「異種格闘技戦」でも注目された。
【次点】北口が銅
陸上の世界選手権女子やり投げで北口榛花が3位に入り、五輪を含めて女子の投てき種目で日本勢初のメダル。男子100メートルでサニブラウン・ハキームが日本勢初の決勝進出を果たし7位。
惜別 大相撲で第56代横綱2代目若乃花の下山勝則さん、マサカリ投法でプロ野球通算215勝を挙げた村田兆治さん、元サッカー日本代表監督で「オシム語録」として親しまれたイビチャ・オシムさんが死去。

世界
①中東初のサッカーW杯
サッカーの第22回ワールドカップ(W杯)カタール大会でアルゼンチンが36年ぶり3度目の優勝を飾り、リオネル・メッシが2度目の大会最優秀選手に輝いた。ポルトガル代表のクリスティアノ・ロナルドが史上初の5大会連続ゴール。中東初開催で、夏の酷暑を避けるため冬にずらした。(写真はFIFA提供・ゲッティ=共同)
②大谷2桁勝利2桁本塁打
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平が15勝、34本塁打で、ベーブ・ルース以来104年ぶりとなる「2桁勝利、2桁本塁打」を達成。ワールドシリーズが始まった1903年以降で投打同時の規定到達は初。2年連続のア・リーグ最優秀選手(MVP)は逃した。
③コロナ、政治、薬物
北京冬季五輪は91カ国・地域(ROC含む)から約2900人の選手が参加。北京は史上初めて夏冬両五輪を開催した。新型コロナウイルス下で厳格なバブル方式で行われた。中国の少数民族などの人種問題に米英などが「外交ボイコット」で対抗し、「スポーツと政治」の問題が議論を呼んだ。フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ROC)のドーピング問題でも揺れた。
④平和への希求
ロシアのウクライナ侵攻により冬季パラリンピックは平和への希求が前面に出る大会に。国際オリンピック委員会はロシアやベラルーシの選手を国際大会から除外するよう全競技の国際連盟や大会主催者に勧告し、大半が受け入れた。
⑤ジャッジ62発でMVP
大リーグ、ヤンキースのアーロン・ジャッジがア・リーグ新のシーズン62本塁打を記録し、MVP。OBのロジャー・マリスの61本を更新した。
⑥フェデラー引退
テニスの男子で四大大会通算20勝のロジャー・フェデラー(スイス)が現役引退し、女子で四大大会通算23勝のセリーナ・ウィリアムズ(米国)も引退を示唆。アシュリー・バーティ(オーストラリア)は全豪オープン制覇の約2カ月後、25歳で電撃的に引退表明。
⑦RマドリードCL優勝
サッカーの欧州チャンピオンズリーグ決勝でレアル・マドリード(スペイン)がリバプール(イングランド)を下し、4季ぶりで大会最多を更新する14度目の優勝を果たした。(写真はゲッティ=共同)
⑧キプチョゲ世界新
マラソンの男子で五輪2連覇中のエリウド・キプチョゲ(ケニア)がベルリン・マラソンで2時間1分9秒の世界新記録で優勝した。自身の記録を30秒縮めた。(写真はAP=共同)
⑨ゴルフ新ツアー開幕
男子ゴルフの新ツアー「LIV招待」が開幕。人権問題などで非難されるサウジアラビアの政府系ファンドが資金源であることや潤沢なオイルマネーで大物選手を米ツアーから引き抜いたことで物議を醸した。米ツアーは大会の賞金増額、高額大会創設など対抗策を打ち出した。(写真はUSAトゥデー・ロイター=共同)
⑩アストロズV
大リーグのワールドシリーズでアストロズ(ア・リーグ)がフィリーズ(ナ・リーグ)を4勝2敗で下し、5年ぶり2度目の優勝を飾った。(写真はAP=共同)
【次点】ウッズ復帰
昨年2月に自動車事故で右脚に重傷を負った男子ゴルフのスター、タイガー・ウッズ(米国)がマスターズ・トーナメントで米ツアー復帰。
惜別 米プロバスケットボールNBAのセルティックスを11度の優勝に導いたビル・ラッセルさん、サッカーのオランダ代表で活躍し、Jリーグ広島の監督を務めたビム・ヤンセンさん、1960年代にボクシング世界王者としてファイティング原田と激闘を繰り広げたエデル・ジョフレさんが死去。