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全国に誇るだるま市 富士・毘沙門天大祭へ活気

 富士市今井の妙法寺で1月28日に始まる毘沙門天(びしゃもんてん)大祭を盛り上げようと、岳南電車は車両にだるまのイラストを装飾した「だるま電車」の運行を始めました。近年の毘沙門天大祭の様子や、祭りの盛り上げに向けた今年の動きを1ページにまとめます。

だるま電車発進! 富士・岳南電車 23年1月30日まで

 富士市特産の「鈴川だるま」のPRを目指し、岳南電車(通称・岳鉄)の車両にだるまのイラストを装飾した「だるま電車」が27日、運行を始めた。出発式が開かれた岳南江尾駅では、だるまの絵でかわいらしく飾られた電車を関係者が見守った。運行は2023年1月30日まで。

だるまが描かれたヘッドマークを付けて出発する電車=富士市の岳南江尾駅
だるまが描かれたヘッドマークを付けて出発する電車=富士市の岳南江尾駅
 朱色の7003形車両の前後に、色とりどりのだるまが描かれたヘッドマークを付けた。23年の干支(えと)のウサギの耳が付いただるまの絵が車窓にちりばめられ、折り紙のだるまが車内で乗客を迎え入れる。
 同市今井の妙法寺で1月28日に始まり、控えめなひげが特徴の鈴川だるまが売られる毘沙門天(びしゃもんてん)大祭を盛り上げようと、市まちの駅ネットワーク中部が企画した。
 出発式で同ネットワークの渡辺栄一代表は「全国に誇るだるま市の価値を市民に広めたい」と述べた。妙法寺の高橋尭薫住職が安全運行を祈願した後、電車は鉄道ファンを乗せて発進した。
 〈2022.12.28 あなたの静岡新聞〉

だるまの魅力発信へ デザイン大会や装飾電車 「まちの駅」企画

だるまコンテストの準備を進めるまちの駅吉原エリアのメンバー=11月、富士市の富士商工会議所
だるまコンテストの準備を進めるまちの駅吉原エリアのメンバー=11月、富士市の富士商工会議所
 ※2019年12月27日 静岡新聞夕刊から
 富士市内の商店などでつくる「まちの駅吉原エリア」のメンバーが、だるまを通じた地域活性化に乗り出した。毎年旧暦の1月に開催される同市の妙法寺の「毘沙門天大祭」は日本三大だるま市と称され、露天商や参加者は国内最大規模だが、縮小傾向にある。2020年1月末に始まる祭りを盛り上げようと、だるまコンテストやだるま電車を運行するなどして、「日本一のだるま市のまち」としてアピールする。
 メインプロジェクトは斬新なだるまのデザインを考えるコンテスト。まちの駅メンバーで、市内で薬局を経営する久保田保雄さん(77)が12年間、個人的に取り組んできた。体力の問題から昨年(2018年)限りで終えるつもりだったイベントを、今回まちの駅メンバーが引き継ぐことにした。
 「鈴川だるま」と呼ばれる特産のだるまは、ひげが控えめで優しく愛嬌(あいきょう)のある表情が特徴。だが、約15年前まで2店あっただるま店も、1店が富士宮市に移転するなどして伝統文化は薄れつつある。
 久保田さんはだるまを飾る風習が失われ、露天商の数も減りつつある現状に危機感を覚え、イベントを手掛けてきた。「かつては冬になると赤く塗っただるまが店の軒先に並び、毘沙門天が近づいて来るのを感じる風物詩だった」と久保田さん。まちの駅メンバーが思いをくみ、20年の大祭に合わせてコンテスト開催に踏み切った。
 地元の岳南電車とも協力し、車両にだるまの顔のデザインをラッピングした「だるま電車」を走らせる。まちの駅副代表の渡辺栄一さん(73)は「まずは市民に吉原でだるまが作られていることを知ってもらい、観光資源として市外にも周知したい」と強調した。(富士支局・中川琳)
 ※内容は当時のまま

オリジナルだるま 1月4日から募集

2021年に行われたコンテストの入賞作品を見入る審査員=富士市の市民活動センター(2021年2月撮影)
2021年に行われたコンテストの入賞作品を見入る審査員=富士市の市民活動センター(2021年2月撮影)
 富士市まちの駅ネットワークと富士商工会議所は1月4日から、「第17回開運オリジナルだるまコンテスト」の作品を募集する。応募用の真っさらな白だるまは、すでに同市吉原の「コミュニティf」など市中部のまちの駅で販売している。
 同市今井の妙法寺で1月末に開かれ、日本三大だるま市に数えられる毘沙門天(びしゃもんてん)大祭を地域全体で盛り上げる。
 10号(高さ約14センチ)の鈴川だるまを、高さ、幅、奥行き各20センチ以内の範囲で自由に装飾できる。大人の部と子どもの部(小学生以下)で計12点の入賞作品を決める。前回は干支(えと)のトラ柄が多く、194作品が集まった。
 白だるまは1個500円。完成品は市中部のまちの駅で受け付ける。応募作品は1月17日から「コミュニティf」で展示する。
 問い合わせは同所<電0545(57)1221>へ。 (富士支局・国本啓志郎)
 〈2022.12.11 あなたの静岡新聞〉

全国のだるま一堂に 毘沙門天大祭 2022年、2年ぶり開催

好みのだるまを選ぶ参拝者=7日午前、富士市今井の毘沙門天妙法寺
好みのだるまを選ぶ参拝者=7日午前、富士市今井の毘沙門天妙法寺
 ※2022年2月7日 あなたの静岡新聞から
 日本三大だるま市に数えられる富士市今井の毘沙門天(びしゃもんてん)妙法寺の「毘沙門天大祭」が(2月)7日、規模を縮小して2年ぶりに始まった。境内では全国から集まった約40店のだるま店が軒を連ね、開催を待ちわびた参拝者でにぎわった。9日まで。
 店頭には、富士市の特産「鈴川だるま」をはじめ、全国各地のだるまが所狭しと並ぶ。参拝客は干支(えと)の虎柄や北京五輪にちなんだ金色など特徴的なだるまを次々に手にとり、お気に入りのだるまに無病息災や商売繁盛を願った。
 各家庭や事業所で役目を終えただるまの納所には、複数のだるまを抱えた人が列を作った。50年間欠かさず大祭に来ている島田市の植村幸子さん(65)は「昨年は中止で寂しかった。2年分のだるまを供養できて良かった」と笑顔を見せた。
 同大祭は、旧暦の1月7~9日に合わせて1860年ごろから毎年開催されてきたが、2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で初めて中止した。ことしは出店エリアを境内に限定し、飲食などの露店は例年の半数以下に絞った。11~13日もだるまの供養や祈とうを受け付ける。(富士支局・国本啓志郎)
 ※内容は当時のまま
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