天竜の風力発電事業撤退 これまでの経緯は
浜松市天竜区の山中で風力発電所の設置を計画していたJR東日本エネルギー開発が、事業撤退を決断しました。約10キロの区画に最大12基の風車を設置する予定でしたが、地元から反対の声が上がっていました。事業内容やこれまでの経緯をまとめました。
市に撤退方針「事業化困難」 地元は「不同意」提出
浜松市天竜区の山中で風力発電所の設置を計画していたJR東日本エネルギー開発(東京都)が11日、市に対して事業撤退の方針を伝えたことが分かった。同日、一部が計画区域にかかる同区春野町の自治会連合会が計画への不同意書を同社に提出し、同自治連との会談でも撤退の意向を説明した。

計画では、JR飯田線水窪駅東側の常光寺山から佐久間駅南東の竜頭山の尾根を結ぶ南北約10キロに、最大12基の風車を設置予定だった。2024年に着工、26年の運転開始を目指していたが、現在は環境影響評価(アセスメント)方法書を示す段階にあった。
同社の担当者は「風況調査を進めてきたが、風が弱く事業化は難しいと判断した」と撤退理由を語った。
計画をめぐっては、地元から反対の声が上がっていた。春野地区自治連では昨年3月に環境アセスメントに対する意見書を提出。地盤や景観への影響などに対する懸念点を挙げ、計画の見直しを求めたが満足な回答がなく、今年9月に不同意の方針を決めた。
11日、同社を招いて不同意書を提出した際、撤退の意向を伝えられた。同自治連の村松秀明会長は「まるで賛成できる計画ではなかった。結果的に止められたことはよかった」と話した。
同社は同日、市の担当課にも計画中止を報告。今後正式な廃止届けの手続きを行う。
〈2022.11.12 あなたの静岡新聞〉
同社の担当者は「風況調査を進めてきたが、風が弱く事業化は難しいと判断した」と撤退理由を語った。
計画をめぐっては、地元から反対の声が上がっていた。春野地区自治連では昨年3月に環境アセスメントに対する意見書を提出。地盤や景観への影響などに対する懸念点を挙げ、計画の見直しを求めたが満足な回答がなく、今年9月に不同意の方針を決めた。
11日、同社を招いて不同意書を提出した際、撤退の意向を伝えられた。同自治連の村松秀明会長は「まるで賛成できる計画ではなかった。結果的に止められたことはよかった」と話した。
同社は同日、市の担当課にも計画中止を報告。今後正式な廃止届けの手続きを行う。
〈2022.11.12 あなたの静岡新聞〉
風車20基、最大出力6万キロワットを想定

※2019年8月23日 静岡新聞朝刊より
JR東日本の子会社が浜松市天竜区水窪町などの山中で市内最大規模の風力発電事業を計画していることが22日、分かった。プロペラ形風車20基を設置し、最大出力6万キロワットを想定。同社は同日、環境影響評価(アセスメント)の第1段階の「計画段階環境配慮書」の公開を市役所などで始めた。
事業者はJR東日本が再生可能エネルギー推進のため設立した「JR東日本エネルギー開発」(東京都)で、事業名は天竜風力発電事業(仮称)。着工や運転開始時期は未定としている。
事業の想定区域はJR飯田線水窪駅の東側にある常光寺山(標高1438メートル)から佐久間駅南東の竜頭山(同1352メートル)までを南北に結ぶ尾根沿いのエリア。区域面積は約2200ヘクタールを見込む。
市によると、同社は環境調査の実施前に地元説明会を開催しているが「まだ環境アセスの入り口段階で、何も正式には決まっていない」と説明している。
市は再生可能エネルギー事業を支援する方針で、3月に風力発電候補地19カ所を示す「風力発電ゾーニング計画」を策定。同社は同計画の候補地数カ所を含むエリアを事業の想定区域に選んだ。
風力発電機1基の最大出力は3千キロワットと想定する。3枚翼でプロペラ回転部分の直径は最大120メートル、支柱を含む全体の高さは同172メートル。工期は3年程度と見込んでいる。
JR東日本の子会社が浜松市天竜区水窪町などの山中で市内最大規模の風力発電事業を計画していることが22日、分かった。プロペラ形風車20基を設置し、最大出力6万キロワットを想定。同社は同日、環境影響評価(アセスメント)の第1段階の「計画段階環境配慮書」の公開を市役所などで始めた。
事業者はJR東日本が再生可能エネルギー推進のため設立した「JR東日本エネルギー開発」(東京都)で、事業名は天竜風力発電事業(仮称)。着工や運転開始時期は未定としている。
事業の想定区域はJR飯田線水窪駅の東側にある常光寺山(標高1438メートル)から佐久間駅南東の竜頭山(同1352メートル)までを南北に結ぶ尾根沿いのエリア。区域面積は約2200ヘクタールを見込む。
市によると、同社は環境調査の実施前に地元説明会を開催しているが「まだ環境アセスの入り口段階で、何も正式には決まっていない」と説明している。
市は再生可能エネルギー事業を支援する方針で、3月に風力発電候補地19カ所を示す「風力発電ゾーニング計画」を策定。同社は同計画の候補地数カ所を含むエリアを事業の想定区域に選んだ。
風力発電機1基の最大出力は3千キロワットと想定する。3枚翼でプロペラ回転部分の直径は最大120メートル、支柱を含む全体の高さは同172メートル。工期は3年程度と見込んでいる。
風力発電計画相次ぐ天竜区 撤退事業以外に2社が動き
東京都の「浜松陸上風力発電」が浜松市天竜区佐久間町、春野町の山中で風力発電事業を計画していることが22日、同社などへの取材で分かった。来月4日から、周辺への影響を予測した環境影響評価(環境アセスメント)の配慮書の縦覧が区役所や各協働センターなどでできる。

浜松陸上風力発電は、洋上風力発電事業を手がける「インフラックス」(東京都)のグループ会社。「仮称浜松陸上風力発電事業」の想定区域は、佐久間町上平山、春野町豊岡、気田の天竜スーパー林道沿い。竜頭山から秋葉神社の間に風力発電を設置する。
同社によると、事業の想定区域は約1500ヘクタールで、風力発電機を設置する想定範囲は約200ヘクタール。発電機は最大12基を建設し、最大出力は約5万キロワットを見込んでいる。着工時期は決まっていない。
環境アセス手続きの初期段階にあたる配慮書は10月4日から11月4日まで同社ホームページのほか、市役所や区役所、佐久間、龍山、春野各協働センターで閲覧できる。
天竜区の風力発電事業計画を巡っては既に、2社の環境アセスの手続きが進んでいる。JR東日本エネルギー開発(東京都)は、JR水窪駅東側の常光寺から竜頭山の尾根を結ぶ南北約10キロに最大12基を設置する計画を進める。中部電力子会社「シーテック」(名古屋市)も佐久間町、龍山町の山中で最大17基の設置を計画している。両社とも2024年の着工を目指す。
浜松陸上風力発電の担当者は「計画を進めていく中で、住民の皆様に丁寧に対応する」としている。
〈2022.9.23 あなたの静岡新聞〉
同社によると、事業の想定区域は約1500ヘクタールで、風力発電機を設置する想定範囲は約200ヘクタール。発電機は最大12基を建設し、最大出力は約5万キロワットを見込んでいる。着工時期は決まっていない。
環境アセス手続きの初期段階にあたる配慮書は10月4日から11月4日まで同社ホームページのほか、市役所や区役所、佐久間、龍山、春野各協働センターで閲覧できる。
天竜区の風力発電事業計画を巡っては既に、2社の環境アセスの手続きが進んでいる。JR東日本エネルギー開発(東京都)は、JR水窪駅東側の常光寺から竜頭山の尾根を結ぶ南北約10キロに最大12基を設置する計画を進める。中部電力子会社「シーテック」(名古屋市)も佐久間町、龍山町の山中で最大17基の設置を計画している。両社とも2024年の着工を目指す。
浜松陸上風力発電の担当者は「計画を進めていく中で、住民の皆様に丁寧に対応する」としている。
〈2022.9.23 あなたの静岡新聞〉