4強決定⚾秋季高校野球東海大会 静岡県勢の戦い振り返ります
第75回秋季高校野球東海大会は23日、草薙、清水庵原の両球場で準々決勝を行いました。常葉菊川(静岡1位)は津商(三重2位)を破り、加藤学園(静岡3位)は中京(岐阜1位)にコールド勝ちし、準決勝に進出しました。常葉大菊川と加藤学園は29日の準決勝で激突します。ここまでの静岡県勢の戦いを振り返ります。
常葉大菊川、津商との接戦を制す【準々決勝】

▽準々決勝(草薙第1試合)
津商(三重2位)
001011010―4
11001200×―5
常葉大菊川(静岡1位)
▽三塁打 杉本(津)▽二塁打 勝亦2、鈴木徠、佐藤2(常)▽捕逸 鈴木叶(常)
▽試合時間 2時間23分
【評】常葉大菊川が終盤までもつれる津商との接戦を制した。
常葉大菊川は初回、勝亦、鈴木徠の連打と鈴木叶の死球で1死満塁とし、佐藤の犠飛で先制。二回は勝亦の犠飛で追加点を奪った。中盤は点の取り合いとなり、同点で迎えた六回に勝亦が中越え2点適時二塁打を放ち、決勝点を挙げた。
先発久保は八つの四死球を与えるなど制球に苦しんだが、要所で踏ん張って大量得点を許さず、完投した。
■勝亦 技あり決勝打
リードを2度追い付かれる重苦しい局面を、常葉大菊川の勝亦が打開した。同点に追い付かれた直後の六回1死一、二塁。値千金の決勝2点適時二塁打を放ったリードオフマンは、塁上で控えめに顔をほころばせた。
勝亦は、カウントや配球を考え直球が来ると予想したが、「頭の片隅に意識を持っていた」という低めのスライダーを拾った。体勢を崩され、片手になりながらも前の肩を残し、ヘッドを利かせて運んだ打球は、中堅の頭上を越えた。
技ありの一打に「自分がかえすしかないと思っていた。しっかり手首を返せて思った以上に伸びてくれた」。力投を続けた同じ1年の先発久保は「苦しい状況で2点入れてくれて気持ちが楽になった」と感謝した。
打線は、右横手の津商・松田のスライダーに右打者が苦戦。勝亦、鈴木徠の左の1・2番が計4安打でけん引した。期待のコンビに石岡監督は「信頼して使っているし、何かやってくれるという思いがある。よく打ってくれた」と活躍をたたえた。
〈2022.10.24 あなたの静岡新聞〉
津商(三重2位)
001011010―4
11001200×―5
常葉大菊川(静岡1位)
▽三塁打 杉本(津)▽二塁打 勝亦2、鈴木徠、佐藤2(常)▽捕逸 鈴木叶(常)
▽試合時間 2時間23分
【評】常葉大菊川が終盤までもつれる津商との接戦を制した。
常葉大菊川は初回、勝亦、鈴木徠の連打と鈴木叶の死球で1死満塁とし、佐藤の犠飛で先制。二回は勝亦の犠飛で追加点を奪った。中盤は点の取り合いとなり、同点で迎えた六回に勝亦が中越え2点適時二塁打を放ち、決勝点を挙げた。
先発久保は八つの四死球を与えるなど制球に苦しんだが、要所で踏ん張って大量得点を許さず、完投した。
■勝亦 技あり決勝打
リードを2度追い付かれる重苦しい局面を、常葉大菊川の勝亦が打開した。同点に追い付かれた直後の六回1死一、二塁。値千金の決勝2点適時二塁打を放ったリードオフマンは、塁上で控えめに顔をほころばせた。
勝亦は、カウントや配球を考え直球が来ると予想したが、「頭の片隅に意識を持っていた」という低めのスライダーを拾った。体勢を崩され、片手になりながらも前の肩を残し、ヘッドを利かせて運んだ打球は、中堅の頭上を越えた。
技ありの一打に「自分がかえすしかないと思っていた。しっかり手首を返せて思った以上に伸びてくれた」。力投を続けた同じ1年の先発久保は「苦しい状況で2点入れてくれて気持ちが楽になった」と感謝した。
打線は、右横手の津商・松田のスライダーに右打者が苦戦。勝亦、鈴木徠の左の1・2番が計4安打でけん引した。期待のコンビに石岡監督は「信頼して使っているし、何かやってくれるという思いがある。よく打ってくれた」と活躍をたたえた。
〈2022.10.24 あなたの静岡新聞〉
加藤学園は中京に7回コールド勝ち【準々決勝】

▽準々決勝(草薙第2試合)
中京(岐阜1位)
0001100―2
1100223x―9(7回コールド)
加藤学園(静岡3位)
▽二塁打 菅沢(中)大木、太田、安東(加)▽暴投 酒井、吉川(加)
▽試合時間 1時間54分
【評】加藤学園は打線がつながり、13安打で9得点してコールドで中京を下した。
加藤学園は同点の五回、連続安打と犠打で好機をつくり、4番大木の適時打、続く北條の犠飛で2点を勝ち越した。六回にも太田の適時二塁打などで2点を加え、七回に1死満塁から安東が走者一掃の二塁打を放ち、サヨナラコールドとした。
先発酒井は直球を軸に2失点と役割を果たし、後を受けた吉川も強気に内角を攻め、後続を断った。
■勝負強い打撃光る
適時打5本に犠飛1本。点を取りたい場面での勝負強い打撃が、加藤学園の「徹底力」を物語った。米山監督は「初戦はあごが上がっていたところがあった。今日はつなげようという意識が結果になったと思う。出来過ぎ」と強豪撃破に充実感をにじませた。
主将太田の言葉がチームを引き締めた。初戦後のミーティングで「自分の結果よりもチームを最優先にしよう」とナインに働きかけて意志を統一。自身もこの日は左投手に対し逆方向の左翼側へ低い打球を徹底し、2、4打席目には2死から適時打を放った。
4番大木も3安打2打点と勝負どころで活躍。前日は先発のマウンドで試合をつくれず打席でも精彩を欠いた。「自分勝手な打撃が多くなってしまったので、今日はチーム打撃をする」と逆方向に狙いを定めた。
各打者が好機の場面でもコンパクトなスイングを心がけ、鋭い打球を飛ばした。サヨナラ二塁打の安東は「低いライナーでつなぐことを考えた。みんなチーム打撃ができている」と手応え十分。準決勝でもつなぎの打撃で常葉大菊川に挑む。
〈2022.10.24 あなたの静岡新聞〉
中京(岐阜1位)
0001100―2
1100223x―9(7回コールド)
加藤学園(静岡3位)
▽二塁打 菅沢(中)大木、太田、安東(加)▽暴投 酒井、吉川(加)
▽試合時間 1時間54分
【評】加藤学園は打線がつながり、13安打で9得点してコールドで中京を下した。
加藤学園は同点の五回、連続安打と犠打で好機をつくり、4番大木の適時打、続く北條の犠飛で2点を勝ち越した。六回にも太田の適時二塁打などで2点を加え、七回に1死満塁から安東が走者一掃の二塁打を放ち、サヨナラコールドとした。
先発酒井は直球を軸に2失点と役割を果たし、後を受けた吉川も強気に内角を攻め、後続を断った。
■勝負強い打撃光る
適時打5本に犠飛1本。点を取りたい場面での勝負強い打撃が、加藤学園の「徹底力」を物語った。米山監督は「初戦はあごが上がっていたところがあった。今日はつなげようという意識が結果になったと思う。出来過ぎ」と強豪撃破に充実感をにじませた。
主将太田の言葉がチームを引き締めた。初戦後のミーティングで「自分の結果よりもチームを最優先にしよう」とナインに働きかけて意志を統一。自身もこの日は左投手に対し逆方向の左翼側へ低い打球を徹底し、2、4打席目には2死から適時打を放った。
4番大木も3安打2打点と勝負どころで活躍。前日は先発のマウンドで試合をつくれず打席でも精彩を欠いた。「自分勝手な打撃が多くなってしまったので、今日はチーム打撃をする」と逆方向に狙いを定めた。
各打者が好機の場面でもコンパクトなスイングを心がけ、鋭い打球を飛ばした。サヨナラ二塁打の安東は「低いライナーでつなぐことを考えた。みんなチーム打撃ができている」と手応え十分。準決勝でもつなぎの打撃で常葉大菊川に挑む。
〈2022.10.24 あなたの静岡新聞〉
加藤学園、至学館にサヨナラ勝利【1回戦】

▽1回戦(草薙第2試合)
至学館(愛知2位)
004001000―5
021010011x―6
加藤学園(静岡3位)
▽二塁打 曽根2、池田(加)
▽試合時間 2時間20分
【評】加藤学園が至学館とのシーソーゲームをサヨナラでものにした。
加藤学園は二回に3連打などで2点を先取。三回に四死球でためた走者をかえされて逆転を許したが、曽根の2打席連続適時二塁打や池田の同点二塁打などで食らい付いた。同点で迎えた九回無死一、二塁で片山が左前へサヨナラ打を放った。
先発大木の後を受け三回途中から救援した吉川は、緩急を付けながら低めに球を集めた。
■犠打選ばず 強攻策結実 9回片山、自信の一振り
追う展開が長く続いた苦しい試合。加藤学園の強気の攻撃が実を結んだ。終盤にあえて犠打を選ばず、強攻策に打って出た米山監督は「県3位通過でもあるし怖いもの知らずで思い切らなければと。流れを持っていかれることの方が嫌だった。よくやってくれた」と期待に応えた選手たちをたたえた。
1点を追う八回、連続内野安打で無死一、二塁の好機をつくると、指揮官は5番北條にワンストライク後からヒッティングを指示。結果は遊ゴロ併殺打となるが、続く池田が「北條の思いも背負って自分が打つしかない」と中越え二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。
九回にも無死一、二塁から片山が初球の直球を左翼へ。ここまで4打数無安打の2番打者は「監督からバントをするか?とジェスチャーで聞かれたが首を振った。数多くバットを振ってきたので」と自信を持って打席に立ち、勝負を決めた。「チーム全員で勝ち取った勝利。今日の勢いを次につなげたい」。今大会から背番号2を獲得した片山は気合が入っている。
〈2022.10.23 あなたの静岡新聞〉
至学館(愛知2位)
004001000―5
021010011x―6
加藤学園(静岡3位)
▽二塁打 曽根2、池田(加)
▽試合時間 2時間20分
【評】加藤学園が至学館とのシーソーゲームをサヨナラでものにした。
加藤学園は二回に3連打などで2点を先取。三回に四死球でためた走者をかえされて逆転を許したが、曽根の2打席連続適時二塁打や池田の同点二塁打などで食らい付いた。同点で迎えた九回無死一、二塁で片山が左前へサヨナラ打を放った。
先発大木の後を受け三回途中から救援した吉川は、緩急を付けながら低めに球を集めた。
■犠打選ばず 強攻策結実 9回片山、自信の一振り
追う展開が長く続いた苦しい試合。加藤学園の強気の攻撃が実を結んだ。終盤にあえて犠打を選ばず、強攻策に打って出た米山監督は「県3位通過でもあるし怖いもの知らずで思い切らなければと。流れを持っていかれることの方が嫌だった。よくやってくれた」と期待に応えた選手たちをたたえた。
1点を追う八回、連続内野安打で無死一、二塁の好機をつくると、指揮官は5番北條にワンストライク後からヒッティングを指示。結果は遊ゴロ併殺打となるが、続く池田が「北條の思いも背負って自分が打つしかない」と中越え二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。
九回にも無死一、二塁から片山が初球の直球を左翼へ。ここまで4打数無安打の2番打者は「監督からバントをするか?とジェスチャーで聞かれたが首を振った。数多くバットを振ってきたので」と自信を持って打席に立ち、勝負を決めた。「チーム全員で勝ち取った勝利。今日の勢いを次につなげたい」。今大会から背番号2を獲得した片山は気合が入っている。
〈2022.10.23 あなたの静岡新聞〉
常葉大橘は海星に逆転負け【1回戦】

▽1回戦(清水庵原第2試合)
常葉大橘(静岡2位)
000200000―2
00000220×―4
海星(三重3位)
▽本塁打 白山(海)
▽試合時間 1時間55分
【評】常葉大橘は要所にミスが出て、海星に逆転負けした。
橘は四回、長谷川の内野安打と花房の死球、重盗が決まって無死二、三塁とし、望月の内野安打で先制。続く山本の犠飛で2点目を挙げた。先発杉田はテンポ良く低めに集めてゴロを打たせ、五回まで無失点に抑えた。
だが六回の守備で先頭に本塁打を許すと2死から安打や死球で走者をため、内野安打で同点とされた。七回は投手強襲の内野安打と死球などで1死一、三塁のピンチに、重盗で勝ち越しを許した。
■ミスで主導権失う
常葉大橘は、武器の機動力を駆使して2点を先行する理想的な形で主導権を握った。ところが追加点の好機にオーバーランやけん制死などミスが出てリズムを悪くし、海星に付け入る隙を与えてしまった。片平監督は「もったいないアウト。相手を勢いに乗せてしまった」と残念がった。
「緊張はなく、いつも通りだった」とエース左腕杉田は上々の立ち上がり。ところが後半の出だしで甘く入った直球をスタンドに運ばれた。「2点リードでいけると思ってしまった。油断があった」と杉田。相手の戦略にも苦戦した。右打者にラインぎりぎりに立たれて得意の内角球を投げにくくなり、死球が失点につながった。
4安打2盗塁と躍動した長谷川は「勝っていたら自信になったけれど負けたら終わり」と悔しさしかない。先制打を放った主将の望月も「前半はできていたことを後半もやりきれなかった。1球の失投、1回のミスで負ける」と、苦い教訓を胸に刻み込んだ。
〈2022.10.23 あなたの静岡新聞〉
常葉大橘(静岡2位)
000200000―2
00000220×―4
海星(三重3位)
▽本塁打 白山(海)
▽試合時間 1時間55分
【評】常葉大橘は要所にミスが出て、海星に逆転負けした。
橘は四回、長谷川の内野安打と花房の死球、重盗が決まって無死二、三塁とし、望月の内野安打で先制。続く山本の犠飛で2点目を挙げた。先発杉田はテンポ良く低めに集めてゴロを打たせ、五回まで無失点に抑えた。
だが六回の守備で先頭に本塁打を許すと2死から安打や死球で走者をため、内野安打で同点とされた。七回は投手強襲の内野安打と死球などで1死一、三塁のピンチに、重盗で勝ち越しを許した。
■ミスで主導権失う
常葉大橘は、武器の機動力を駆使して2点を先行する理想的な形で主導権を握った。ところが追加点の好機にオーバーランやけん制死などミスが出てリズムを悪くし、海星に付け入る隙を与えてしまった。片平監督は「もったいないアウト。相手を勢いに乗せてしまった」と残念がった。
「緊張はなく、いつも通りだった」とエース左腕杉田は上々の立ち上がり。ところが後半の出だしで甘く入った直球をスタンドに運ばれた。「2点リードでいけると思ってしまった。油断があった」と杉田。相手の戦略にも苦戦した。右打者にラインぎりぎりに立たれて得意の内角球を投げにくくなり、死球が失点につながった。
4安打2盗塁と躍動した長谷川は「勝っていたら自信になったけれど負けたら終わり」と悔しさしかない。先制打を放った主将の望月も「前半はできていたことを後半もやりきれなかった。1球の失投、1回のミスで負ける」と、苦い教訓を胸に刻み込んだ。
〈2022.10.23 あなたの静岡新聞〉