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長期化する静岡市清水区の断水被害まとめ

 台風15号の被害を受けた静岡市清水区。約6万3千世帯で断水が続いています。原因となった興津川の取水口は9月中の復旧のめどが立ち、市は断水の解消は29日から段階的に解消される見通しとなりました。清水区内の給水車設置場所や罹災証明の申請など、最新の情報をまとめます。
⇒台風15号豪雨の記事一覧
 〈キュレーター:編集局未来戦略チーム 吉田直人〉

29日から段階的解消へ 井戸水や工業用水を使用(26日時点)

 静岡市は26日、台風15号に伴う記録的豪雨により清水区で発生した大規模な断水について、29日から10月2日にかけて段階的に解消できる見通しになったと発表した。井戸水や県の工業用水から応急的に取水し、水道管に水を満たす「充水作業」を27日から開始する体制が整った。

静岡市清水区の充水作業図
静岡市清水区の充水作業図
 市水道総務課によると、清水区を興津、巴川、庵原北部、三保、庵原系小規模配水池、富士見ケ丘の6ブロックに分け、27日から30日にかけて充水作業を実施する。飲用水として使用可能になる目安は、最も早い興津ブロックで29日、最も遅い富士見ケ丘ブロックで10月2日の見通し。各ブロックへの充水作業を迅速に終わらせるため、市は使用可能日を厳守するようウェブサイトで周知していく。
 同区の谷津浄水場に井戸水と県の工業用水から1日3万トンの水を融通する。平時に興津川承元寺取水口から谷津浄水場に送っていた日量7万トンの半分以下で、給水の開始直後は濁りも懸念される。このため市は水が使用可能になっても、当面はトイレの水など生活用水への利用に限定するよう呼びかけている。
 興津川承元寺取水口は24日の被災発覚後、職員や業者が手作業でがれき撤去を行っている。市は現場の状況から人海戦術で作業した方が効率的と判断し、27日に予定していた重機の投入を取りやめた。順調にいけば28日にも取水作業を再開できる見込みだという。
 清水区和田島地区で落下した水管橋の復旧作業は資機材の調達と仮配管の設置を進めているが、復旧のめどは立たず、断水の完全な解消にはしばらく時間がかかる見通しだ。
 田辺信宏市長は26日の定例記者会見で、市所有の仮設・携帯トイレを清水区の被災現場に配備する方針を明らかにした。市危機管理総室によると、27日以降、給水拠点とする小学校や生涯学習交流館のほか、高齢者施設に順次配備する。
〈2022.09.27 あなたの静岡新聞〉

3万1千戸に生活用水供給開始 依然3万戸断水(27日時点)

 台風15号の影響で大規模な断水が続く静岡市清水区で27日、県の工業用水などを谷津浄水場から水道管に流す作業が行われ、約3万1千戸へ生活用水の供給が始まった。断水の原因となった興津川の承元寺取水口では同日、自衛隊が流れ込んだ土砂の撤去を開始。全面復旧へ作業が進むが、同区では依然として約3万戸が断水している。川根本町の孤立集落には、県の防災ヘリが物資を輸送した。

興津川承元寺取水口にたまった土砂や流木を撤去する自衛隊員=27日午後7時10分ごろ、静岡市清水区
興津川承元寺取水口にたまった土砂や流木を撤去する自衛隊員=27日午後7時10分ごろ、静岡市清水区
 静岡市によると、生活用水の供給が可能になったのは、区内6ブロックのうち、巴川ブロック約2万7千戸と興津ブロック約4千戸の計約3万1千戸。飲用ではなく、トイレの洗浄など生活用水としての利用に限られる。供給開始直後に水の使用が集中すると、今後の復旧に支障が出る恐れがあるため、市は最低限の使用にとどめるよう呼びかけている。
 市や県によると、これまでに承元寺取水口上部の柵に挟まった流木の大部分は除去できた。一部取水が可能になっているが、内部には土砂がたまったままとなっている。陸上自衛隊板妻駐屯地の隊員約20人が27日午後6時半ごろから、取水口内部の土砂撤去を始めた。撤去完了まで24時間態勢で作業し、一刻も早い復旧を目指す。
 県は同日、軽傷者数を6人と修正した。川根本町で陥没した道路に転落した車から脱出し、負傷した男性1人が報告に含まれていなかった。死者と行方不明者の数に変わりはない。被災状況について調査中としている市町もあり、被害の全容把握には至っていない。
〈2022.09.28 あなたの静岡新聞〉

26日から罹災証明申請受け付け 独自の見舞金も

 静岡市は台風15号の被害を受け、26日から罹災(りさい)証明書の申請受け付けを開始する。住まいが床上浸水の被害を受けた世帯などへの市独自の見舞金支給も開始する。

静岡市役所
静岡市役所
 罹災証明書の申請には、罹災証明交付申請書、委任状(代理申請の場合)、本人確認書類(郵送の場合はコピー)が必要。
 郵送先〉
 葵、駿河区 市民税課<〒420―8602 静岡市葵区追手町5の1>
 清水区 清水市税事務所<〒424―8701 静岡市清水区旭町6の8>
 持参の場合は各区役所の窓口に提出する。
 〈問い合わせ〉
 葵区 市税課普通徴収第1係<電054(221)1041>
 駿河区 同2係<電054(221)1542>
 清水区 清水市税事務所<電054(354)2072>
 市の見舞金は全壊が1世帯10万円、半壊同5万円、床上浸水同2万円など。身分証明書と罹災証明書、床上浸水の被害が確認できる写真などの書類、印鑑が必要。各区役所の地域総務課で受け付ける。
〈2022.0926 あなたの静岡新聞〉

給水車、災害ごみなど 台風15号豪雨 生活支援情報(随時更新)

 【静岡市】

 ◇清水区の給水拠点 ▽24時間体制 市役所清水庁舎、東海大海洋科学博物館、清水総合運動場▽7~21時 生涯学習交流館(三保、駒越、有度、高部、飯田、袖師、興津、庵原、小島、両河内)、小学校(辻、江尻、入江、浜田、岡、船越、清水、不二見、駒越、三保二、三保一、飯田、飯田東、高部東、有度二、興津、宍原)、承元寺地区八幡橋付近、谷津自治会館、庵原球場、静清浄化センター、清水北部浄化センター、清水清見潟公園、清水駅東口公園▽商業施設(営業時間に合わせ開設) ヤマダ電機テックランド清水店、しずてつストア興津店、同入江店、DCMカーマ清水店。市水道総務課<電054(270)9124>
 >静岡市清水区内の給水車設置場所マップ
 ◇仮設トイレ(7~21時) ▽給水拠点の10生涯学習交流館▽市役所清水庁舎▽小学校 不二見、袖師、駒越、三保二、江尻、辻、高部、岡、浜田、飯田、庵原(トイレットペーパー持参)
 ◇生活用水(飲用以外)提供 ▽8時半~21時、巡視船いず、清水港日の出岸壁▽9~17時、県企業局東部事務所上原配水場(富士市中之郷の富士川浄水場でも同時間に提供)
 ◇シャワー・トイレ開放(9~21時) ▽葵区 中央体育館、駿府城ラン・アンド・リフレッシュステーション(7時から)、東部体育館、北部体育館、西ケ谷総合運動場、ふれあい健康増進館ゆ・ら・ら(10時から)、城北運動場▽駿河区 南部体育館、長田体育館、有度山総合運動公園、南部勤労者福祉センター来・て・こ(21時半まで)。市スポーツ振興課<電054(221)1283>
 ◇入浴支援 清水西里温泉やませみの湯、9時半~18時(最終入場17時)。被災者無料。<電054(343)1126>
 ◇消毒剤の配布 床上浸水した家屋の消毒用。原則自治会や町内会から申し込む。個別対応も可。市保健所生活衛生課<電054(249)3155>
 ◇乳幼児の湯あみ支援 ▽葵区 ミルキードリーム、渡辺助産院、いなば助産院、ファミールリンク、たまがわ助産院、まき助産院▽駿河区 みち助産所、おしか助産院、ぶどうの木助産院、いぶきの助産院、ふじすえよしみ宅。申し込みは各院へ。市助産師会<電090(8159)9247>
 ◇復旧作業をする家庭向けの託児 9時~16時半に常葉大草薙キャンパスで。対象は2~9歳。前日までに同大幼児教育支援センターサイトから申し込む。定員は各日20人。30日まで予定。同センター<電054(297)6134>
 【焼津市】
 ◇駿河湾深層水の無料提供(10月2日まで、10~15時) 市駿河湾深層水脱塩施設で。対象は断水が続く静岡市清水区、川根本町の住民。1家族につき1日1回あたり20リットルまで。漁港振興課<電054(626)1129>
 ◇温泉供給施設「サンライフ焼津」の温泉入浴料割引(10月2日まで) 対象は断水が続く静岡市清水区、川根本町の住民。焼津さかなセンターの大食堂「渚」で使用可能な300円分の割引券も配布する。<電054(627)3377>
 【富士市】
 ◇静岡市清水区居住者を対象に施設(シャワールームなど)を無料開放 富士体育館、富士川体育館(9時~20時半)、富士総合運動公園(9時~17時半)、ふじかぐやの湯(9~21時)。シティプロモーション課<電0545(55)2700>
 【浜松市】
 ◇天竜区の給水所(常設) 横川(横川自治会館ほか3カ所)、下百古里(大杦会館)。市天竜上下水道課<電053(922)0035>
 ◇災害ごみ自己搬入(平日8時半~16時) 南部清掃工場、西部清掃工場、平和最終処分場、浜北清掃センター、天竜ごみ処理工場、水窪・佐久間クリーンセンター。西部清掃工場は可燃のみ。船明ダム運動公園でも10月2日まで受け入れる。災害に伴う連絡ごみは手数料減免する。市廃棄物処理課<電053(453)0011>
 【掛川市】
 ◇原泉地区の給水タンク設置箇所 大和田公会堂、孕丹公会堂。水道課<電0537(21)1717>
 ◇家庭の災害ごみの自己搬入受付(30日まで、9~12時、13~16時) 環境資源ギャラリー(満水)。環境政策課<電0537(21)1145>
 【藤枝市】
 ◇災害ごみの仮置き場(30日まで、9~17時) 浄化センターグラウンド(城南)。対象は水に浸かった畳、大型の家具、テレビ・冷蔵庫・洗濯機など大型家電。環境政策課<電054(643)3183>
 【菊川市】
 ◇災害ごみの仮置き場(28日まで、9~16時) 環境保全センター(棚草)。
 ◇衛生対策の消石灰配布(28日まで、9~16時) 市役所本庁1階。家屋や庭が浸水した市民が対象。環境推進課<電0537(35)0916>
 【御前崎市】
 ◇家庭の災害ごみの自己搬入受付(10月9日まで、平日8時半~12時、13時~16時半) 環境保全センター(牧之原市笠名)。環境課<電0537(85)1162>
 【牧之原市】
 ◇災害ごみの搬入 ▽榛原地区 可燃ごみが清掃センター、資源ごみがリサイクルセンター(10月9日まで、平日は8時半~12時、13~16時)▽相良地区 保全センター(10月9日まで、平日は8時半~12時、13時~16時半)。がれきの場合は環境課<電0548(53)2609>
 【吉田町】
 ◇災害ごみの搬入 可燃ごみが清掃センター、資源ごみがリサイクルセンター(10月9日まで、8時半~12時、13~16時)。がれきの場合は都市環境課<電0548(33)2161>
 【島田市】
 ◇災害ごみの仮置き場(8時半~12時、13~16時半) 田代環境プラザ駐車場、市川根文化センターチャリム21。環境課<電0547(34)1122>
 【川根本町】
 ◇給水場(8~12時、13~22時)山村開発センター
 ◇給水タンク設置箇所(8~12時、13~19時)水川地域振興センター、下泉高齢者コミュニティーセンター、下泉元森林組合事務所。くらし環境課<電0547(56)2236>
地域再生大賞