⚽J1清水の頼れる点取り屋 FWチアゴサンタナ
J1清水エスパルスのブラジル人FWチアゴサンタナ選手が好調です。10日に行われたリーグ29節、湘南戦では11点目を挙げ、得点ランキング首位に躍り出ました。J1残留に向け、チームの大黒柱として期待がかかるチアゴ選手の活躍を1ページにまとめました。
〈キュレーター:編集局未来戦略チーム 村松響子〉
今季はけがで出遅れも ハイペースでゴール積み上げ
J1清水のブラジル人FWチアゴサンタナ(29)が10日の前節湘南戦で3試合ぶりのゴールを挙げ、得点ランキングで首位に躍り出た。チームが残留争いに巻き込まれる中、頼れる点取り屋の好調ぶりは明るい材料だ。

湘南戦の前半12分。味方のヒールパスに反応して相手の最終ラインの背後に抜け出すと、迷わず自慢の左足を振り抜いた。ペナルティーエリアの手前からとやや遠めだったが、力強い弾道で相手GKの手をはじき、ネットに沈めた。
今季は開幕前にけがで出遅れ、リーグ戦出場は4月10日の第8節から。ただ、以降の22試合で11得点とハイペースでゴールを積み上げてきた。攻撃的な戦いを打ち出す同郷のリカルド監督のサッカーとは特に相性が良く、同監督就任後の13試合で8得点を稼ぐ。
本人が口にする要因は、「日本2年目でリーグにも慣れてきた」という異国のスタイルへの適応。母国のリーグでプロ生活を始め、2016年に渡ったポルトガルでも2部から1部へとステップアップしながら着実に結果を残してきた。Jリーグ1年目の昨季は37試合13ゴールで得点ランク5位タイ。今季はトップを視野に入れ、「得点王も目指したい」と意欲を隠さない。
今季から家族を日本に呼び寄せて一緒に暮らし、「幸せ」と私生活の充実ぶりもかいま見せる。2人のわが子からは、毎試合ゴールを求められるという。残り5試合、子どもたちの期待にさらに応え、チームを救う大黒柱となれるか。(市川淳一朗)
〈2022.9.14 あなたの静岡新聞〉
今季は開幕前にけがで出遅れ、リーグ戦出場は4月10日の第8節から。ただ、以降の22試合で11得点とハイペースでゴールを積み上げてきた。攻撃的な戦いを打ち出す同郷のリカルド監督のサッカーとは特に相性が良く、同監督就任後の13試合で8得点を稼ぐ。

8月20日に行われた清水ー柏戦 前半8分、ヘディングでゴールを決める清水・チアゴサンタナ(右)=アイスタ日本平(写真部・杉山英一)
本人が口にする要因は、「日本2年目でリーグにも慣れてきた」という異国のスタイルへの適応。母国のリーグでプロ生活を始め、2016年に渡ったポルトガルでも2部から1部へとステップアップしながら着実に結果を残してきた。Jリーグ1年目の昨季は37試合13ゴールで得点ランク5位タイ。今季はトップを視野に入れ、「得点王も目指したい」と意欲を隠さない。
今季から家族を日本に呼び寄せて一緒に暮らし、「幸せ」と私生活の充実ぶりもかいま見せる。2人のわが子からは、毎試合ゴールを求められるという。残り5試合、子どもたちの期待にさらに応え、チームを救う大黒柱となれるか。(市川淳一朗)
〈2022.9.14 あなたの静岡新聞〉
J1残留争う湘南との大一番 11点目を決め、単独トップに

明治安田J1リーグは10日、8試合を行い、清水は湘南に1-1で引き分けた。
②アイスタ(清水1勝1分け)▽観衆17751人
清水 7勝11分け11敗(32) 1(1―0 0―1)1 湘南 7勝9分け12敗(30)
▽得点者【清】チアゴサンタナ(11)【湘】ウェリントン(2)
【評】清水はラストプレーで失点し、湘南と引き分けた。
序盤は鋭い出足で攻勢に出た。最前線のチアゴサンタナを起点にヤゴピカチュウ、カルリーニョスらが絡んで好機をつくった。12分に白崎のヒールパスにチアゴサンタナが抜け出して先制した。
だが、前半途中から湘南にボールを保持され、後半は防戦一方。GK権田を中心に再三のピンチをしのいだが、試合終了間際にウェリントンに押し込まれた。
■鮮やか先制弾
すでに追加時間の目安5分は過ぎていた。J1残留を争うライバル湘南との大一番。ラストプレーで90分間耐えてきた清水の守備ブロックが崩れた。昨季も2失点を喫した天敵ウェリントンに押し込まれ、痛恨のドロー。今季最多1万7751人が詰めかけたアイスタ日本平が悲鳴に包まれた。
先制弾は鮮やかだった。前半12分、浮き球に対するMF白崎の意表を突くバックヒールを、FWチアゴサンタナが予測していたように飛び出す。「本来は(出し手と受け手の)役割が反対だが、素晴らしいボールが来た」。エースが得点ランク単独トップの11点目を豪快に蹴り込んだ。
だが、清水の時間はここまで。その後は湘南の攻勢にさらされた。前半途中でMFヤゴピカチュウを最終ラインに組み込む5バックで打開を図ったが「これだけ長い時間の5バックは考えていなかった」とCB立田。攻め手を欠いたまま重心だけが下がり、後半だけで10本のシュートを浴びる。最後は「全員がペナルティーエリア(付近)に下がり、フリーでクロスを上げられた」と白崎。必然の失点だった。
残留を懸けた下位との3連戦の初戦はショックが残る結果。ただ、連敗は回避し、最低限の勝ち点1は死守した。「これを意味あるものにするために、次こそ勝たなければいけない」とMF乾。下を向く時間はない。(市川淳一朗)
〈2022.9.11 あなたの静岡新聞〉
②アイスタ(清水1勝1分け)▽観衆17751人
清水 7勝11分け11敗(32) 1(1―0 0―1)1 湘南 7勝9分け12敗(30)
▽得点者【清】チアゴサンタナ(11)【湘】ウェリントン(2)
【評】清水はラストプレーで失点し、湘南と引き分けた。
序盤は鋭い出足で攻勢に出た。最前線のチアゴサンタナを起点にヤゴピカチュウ、カルリーニョスらが絡んで好機をつくった。12分に白崎のヒールパスにチアゴサンタナが抜け出して先制した。
だが、前半途中から湘南にボールを保持され、後半は防戦一方。GK権田を中心に再三のピンチをしのいだが、試合終了間際にウェリントンに押し込まれた。
■鮮やか先制弾
すでに追加時間の目安5分は過ぎていた。J1残留を争うライバル湘南との大一番。ラストプレーで90分間耐えてきた清水の守備ブロックが崩れた。昨季も2失点を喫した天敵ウェリントンに押し込まれ、痛恨のドロー。今季最多1万7751人が詰めかけたアイスタ日本平が悲鳴に包まれた。
先制弾は鮮やかだった。前半12分、浮き球に対するMF白崎の意表を突くバックヒールを、FWチアゴサンタナが予測していたように飛び出す。「本来は(出し手と受け手の)役割が反対だが、素晴らしいボールが来た」。エースが得点ランク単独トップの11点目を豪快に蹴り込んだ。
だが、清水の時間はここまで。その後は湘南の攻勢にさらされた。前半途中でMFヤゴピカチュウを最終ラインに組み込む5バックで打開を図ったが「これだけ長い時間の5バックは考えていなかった」とCB立田。攻め手を欠いたまま重心だけが下がり、後半だけで10本のシュートを浴びる。最後は「全員がペナルティーエリア(付近)に下がり、フリーでクロスを上げられた」と白崎。必然の失点だった。
残留を懸けた下位との3連戦の初戦はショックが残る結果。ただ、連敗は回避し、最低限の勝ち点1は死守した。「これを意味あるものにするために、次こそ勝たなければいけない」とMF乾。下を向く時間はない。(市川淳一朗)
〈2022.9.11 あなたの静岡新聞〉
2020年加入会見「長くプレーし清水の歴史に名前を残す」

※2020年12月28日 静岡新聞朝刊より
J1清水は(※2020年12月)27日、加入が内定したポルトガル1部サンタ・クララのブラジル人FWチアゴ・サンタナ(27)のオンライン会見を開いた。母国から取材対応したチアゴは「15点以上決めたい。勝利に向けて全力を出し切る」と活躍を誓った。
ブラジルのクラブを経て2016年からポルトガルでプレーし、今季は1部リーグの得点ランキング2位タイにつけていたストライカー。自身を前線でボールを収めるセンターFWタイプと紹介し、「最大の仕事はフィニッシュ」と得点への強い意欲を示した。
同郷の選手から話を聞き、Jリーグに好印象を持っていたことが移籍の背景にあったという。清水のDFエウシーニョからは早速歓迎の電話を受け、「仲間と力を合わせて良いシーズンにしたい。長くプレーして清水の歴史に名前を残す」と力を込めた。
ポルトガルリーグで対戦し、清水加入が決まっているGK権田については「決まったと思ったシュートをスーパーセーブで止められたことがある。今度は一緒に勝利を得たい」と笑った。(市川淳一朗)
J1清水は(※2020年12月)27日、加入が内定したポルトガル1部サンタ・クララのブラジル人FWチアゴ・サンタナ(27)のオンライン会見を開いた。母国から取材対応したチアゴは「15点以上決めたい。勝利に向けて全力を出し切る」と活躍を誓った。
ブラジルのクラブを経て2016年からポルトガルでプレーし、今季は1部リーグの得点ランキング2位タイにつけていたストライカー。自身を前線でボールを収めるセンターFWタイプと紹介し、「最大の仕事はフィニッシュ」と得点への強い意欲を示した。
同郷の選手から話を聞き、Jリーグに好印象を持っていたことが移籍の背景にあったという。清水のDFエウシーニョからは早速歓迎の電話を受け、「仲間と力を合わせて良いシーズンにしたい。長くプレーして清水の歴史に名前を残す」と力を込めた。
ポルトガルリーグで対戦し、清水加入が決まっているGK権田については「決まったと思ったシュートをスーパーセーブで止められたことがある。今度は一緒に勝利を得たい」と笑った。(市川淳一朗)