浜松市の新区名 市民公募の候補公表 いつどう決まる?
浜松市は現行の7行政区を2024年1月を目標に3区に再編します。区域を変更しない天竜区以外の2区の市民公募結果が公表されました。今後市民アンケートなどを経て、11月上旬ごろに新区名を決定します。上位の候補案を紹介し、現在の議論の状況をまとめます。
〈キュレーター:編集局未来戦略チーム 寺田将人〉
まずは区名候補を見てみましょう
浜松市は5日、行政区再編を協議する市議会特別委員会で、新区名案の市民公募結果を報告した。応募数が多く、事前に設けた条件を満たす案として、仮称A区(中、東、南、西区と北区の一部)については「奏(かなで)区」「灘区」「曳馬野区」「渚区」「青区」、同B区(浜北区と北区の大部分)は「緑区」「みどり区」「万葉区」「橘区」「青葉区」の各5案を説明した。

同市は現行の7行政区を2024年1月1日を目標に3区に再編する。区名公募は、区域を変更しない天竜区以外の仮称A、Bの2区が対象で、今年7月26日から1カ月間にわたって行った。A区に1万1838件、B区に1万1691件が寄せられた。重複を除くとA区2315案、B区2400案だった。
応募数の多かった上位3案はA区が中央区(1206件)、遠州区(1105件)、家康区(494件)。B区は浜名区(1258件)、緑区(911件)、北浜区(661件)。市は「特定地区を想起させない」「区域外を想起させない」「固有名詞を使わない」など6条件を設け、いずれかに抵触する案は除外した。A区については応募数の上位18位までが外れた。
区名は今後検討を重ねた上で、同審議会で候補数点に絞り、市民対象のアンケートを行って最終案を決める。
〈2022.09.05 あなたの静岡新聞〉
応募上位は除外 市民の意見尊重されていない指摘も
行政区再編を進める浜松市は5日の市議会特別委員会で、天竜区以外の新たな2区の名称について、市民公募の上位で条件を満たした各5案に、行政区画等審議会の意見などを踏まえた数点を加え、最大各10案を新区名の候補として選択式の市民アンケートを実施する考えを説明した。

市が公募前に示した「一体感や協調に配慮して選定する」との方針に沿い、「特定の地域を想起させる」「固有名詞を使っている」など六つの除外条件を設けて選んだ結果、A区では応募数の上位18位までが除外される結果となった。
この点について、特別委の委員から「市民の意見を尊重したと言えるのか」などと疑問を呈する見方が相次いだ。市の担当者は「特別委の指摘を含めて審議会に諮る。過程をオープンにして説明に努める」などと答えた。
区名公募はA区に1万1838件、B区に1万1691件が寄せられた。応募数の多かった上位3案はA区が「中央、遠州、家康」、B区は「浜名、緑、北浜」だった。
アンケートは9月下旬から10月にかけて行う。結果を基に審議会に諮り、11月上旬ごろ区名を決定する。
〈2022.09.06 あなたの静岡新聞〉
7区から3区に 2024年1月施行 天竜区のみ変わらず
浜松市の行政区再編を協議する市議会特別委員会は13日、現行7区を3区にする新しい区割りを2024年1月1日から施行するとの市の再編案を委員会として決定した。区名や区協議会の在り方など一部検討課題は残るが、新しい区の線引きや出先機関の配置、区政の組織体制などの骨格部分はほぼ確定した。

この日、委員12人中11人が「十分な議論ができた」などとし、再編案を了承。「人口のアンバランスが地域格差を招かないよう配慮が必要」との付言が複数挙がったほか、共産党市議団の1人は「住民合意が不十分」と反対したが、特別委の総意として「再編案は妥当」と結論づけた。
市は決定された再編案とパブコメの回答を今月下旬に公表する。今後は特別委で条例制定への詰めの協議に入る。
〈2022.05.14 あなたの静岡新聞〉