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日本アルプス縦断レースの“レジェンド” 望月将悟さん

 富山から静岡まで、日本アルプスを縦断する「トランスジャパンアルプスレース」。大会4連覇を誇るレジェンドが静岡にいるのをご存知ですか。静岡市消防局に勤務する望月将悟さんは一度は大会からの引退を決めたものの、7日に始まる同大会への出場を決めました。レジェンドのこれまでの活躍、大会復帰を決めた思いをご紹介します。
 〈キュレーター:編集局未来戦略チーム 吉田直人〉

“レジェンド”6度目挑戦へ 自分との闘い「どこまでできるか」

 富山県魚津市をスタートし、日本アルプスを縦断して約415キロ離れた静岡市駿河区の大浜海岸のゴールまで駆け抜ける「トランスジャパンアルプスレース」(TJAR)が、7日から始まる。同レースで4連覇を達成した“レジェンド”望月将悟さん(44)=静岡市消防局勤務=が6度目の挑戦に向け、このほど抱負を語った。

故郷で行われた壮行会で、寄せ書き入りの手ぬぐいを渡され笑顔を見せる望月さん=静岡市葵区小河内
故郷で行われた壮行会で、寄せ書き入りの手ぬぐいを渡され笑顔を見せる望月さん=静岡市葵区小河内
 望月さんは「オクシズ」と呼ばれる同市葵区小河内出身。2年に1度開催される同レースには、2010年から出場。18年には、自分が食べる食料を携帯してレースに参加する「無補給走」にもチャレンジした。
 18年のレース後、同レースからの引退を表明した。その後、コロナ禍の影響で全国各地で開催されている同様のレースが続々と中止や延期になり、「自分を試せる場所がなくなり、もやもやした気持ちになった。もう一度、自分が極限状態でどこまで挑戦できるかを確認したくなった」と再び出場を決めた。上位入賞は意識せず、自分との闘いのつもりで臨む。
 今年の大会には、全国から選抜された30人が出場予定。望月さんのほか同市消防局の同僚でもある大畑匡孝さん(焼津市)など、過去最多となる県勢4人が出場する見込みという。7月30日、実家のある同区小河内で開かれた壮行会で住民らの激励を受けた望月さんは「レース終盤の静岡市内は、肉体・精神的に一番きつい場面。出場選手たちの力になるので、密にならないよう応援に来てもらえたらうれしい」と語った。レースの様子は、TJARのホームページで確認できる。(写真部・坂本豊)
〈2022.08.04 あなたの静岡新聞〉

望月さんのこれまでのレースを振り返ります

2010年に初参加、いきなり優勝

 ※2010年8月14日 静岡新聞朝刊

晴れやかな表情でゴール地点に立つ望月さん(左)=静岡市駿河区の大浜海岸
晴れやかな表情でゴール地点に立つ望月さん(左)=静岡市駿河区の大浜海岸
 日本海岸をスタートし、日本アルプスを縦断して太平洋岸にゴールする山岳レース「トランス・ジャパン・アルプスレース」で、静岡市消防局の望月将悟さん(32)=静岡市葵区=が13日(※2010年8月)、大浜海岸(静岡市駿河区)にゴールし、5日と5時間22分の大会新記録で優勝した。
 望月さんは8日午前0時、女性3人を含む他の参加者22人と日本海沿いの富山湾早月川河口(富山県魚津市)を出発した。野営しながら、立山、槍ケ岳、赤石岳、聖岳などの3千メートル峰を含む日本アルプスの山々を越え、スタート地点から433・8キロ離れた大浜海岸に13日午前5時22分、たどり着いた。
 市消防局内でも健脚で知られ、数々のフルマラソンや山岳競技などで入賞歴を持つ望月さんの同レース出場は初めて。「日本一過酷と言われるこのレースに参加し、自分の体力の限界を知りたかったから」と挑戦した理由を語る。
 「レース中の睡眠時間は合計9時間ほど」と振り返った望月さんは、「地元がゴールのレースで勝ててうれしい。終盤は両足の裏がマメだらけになって足首も痛めたが、友人や知人の声援が力になった」と喜びを表した。
 

2016年に大会新記録で4連覇達成

 ※2016年8月12日 静岡新聞夕刊
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4連覇を達成したゴール直後の望月将悟さん(右)=11日夜、静岡市駿河区の大浜海岸

 日本海(富山湾)から太平洋(駿河湾)までの約415キロを8日以内に踏破する過酷な山岳レース「トランス・ジャパン・アルプス・レース(TJAR)」で、静岡市消防局の望月将悟さん(38)=同市葵区=が11日午後11時52分にトップでゴールし、4連覇を達成した。ゴール地点の大浜海岸(静岡市駿河区)には、主将を務める「スポーツショップアラジン」のトレラン部メンバーなど望月さんの知人ら大勢の人々が出迎えた。
 全国から参加した29人は7日午前0時にスタートし、食料や地図などを装備して赤石岳、聖岳などの標高3千メートル級の山々を野営しながらゴールを目指した。望月さんの優勝タイムは4日と23時間52分。2010年に自身が打ち立てた大会記録5日と5時間22分を大幅に塗り替えた。(社会部・仲瀬駿介)
 

前回参加の18年大会では「無補給走」に挑戦

 ※2018年8月19日 静岡新聞朝刊
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無補給完走を成し遂げた望月将悟さん=18日午後、静岡市駿河区の大浜海岸

 日本海(富山湾)から太平洋(駿河湾)までの約415キロを8日以内に縦断する山岳レース「トランス・ジャパン・アルプス・レース(TJAR)」で、4連覇中の静岡市消防局山岳救助隊副隊長、望月将悟さん(40)=同市葵区=が18日(※2018年8月)、ゴール地点の静岡市駿河区の大浜海岸に7位で到達した。5連覇はならなかったが、望月さんは「自分なりの目標を立て、山や自分と向き合えた」と晴れやかな表情を見せた。
 出場は最後と決めた今大会。優勝や連覇の目標を掲げず、消防隊員の活動の中で「順位やスピードではなく、安全に登ることを極めるため、今できる最大のチャレンジをしたい」と決意して臨んだ。無補給完走を目指し、食糧を全て積んで通常より約3倍の重さの荷物を背負い、標高3千メートル級の山々を越えるレースに挑んだ。
 同日午後4時過ぎ、望月さんが海岸に姿を現し、一歩一歩かみしめるようにゴールすると、関係者やファンから大きな歓声が上がった。望月さんの完走タイムは6日16時間7分。「皆さんの応援が力になった」と感謝した。(社会部・吉沢光隆)

年齢、所属等は掲載当時のまま

トランスジャパンアルプスレースって?

 日本海(富山湾)から太平洋(駿河湾)までの約415キロを8日以内に縦断する山岳レースで、2002年に始まった。北アルプス、中央アルプス、南アルプスを自身の足のみで踏破することを目指し、事故やトラブルにも自己対応する過酷なレース。

 富山県魚津市をスタートし、ゴールは静岡市駿河区の大浜海岸。2022年大会は30人が参加し、開催は8月7日から。

井川自然の家には望月さん監修のトレランコースが

 ※2017年4月14日 静岡新聞朝刊を編集

コースを視察する望月さん(左端)=静岡市葵区(静岡市提供)
コースを視察する望月さん(左端)=静岡市葵区(静岡市提供)
 静岡市はこのほど、山道を走るスポーツ「トレイルランニング」のコースを葵区井川に設定した。日本屈指の過酷さで知られる山岳レースで4連覇中の望月将悟さん(39)=市消防局勤務=が監修を務めた。
  開設するのは、南アルプスユネスコエコパーク井川自然の家を発着点にした初級者向けの4キロと8キロの2コース。ハイキングコースとして整備されていた場所で、望月さんが実際に現場を視察し、トレイルランに適しているかを確認した。6月の開設日までに看板などを設置する。
  監修の望月さんは、約415キロを8日間以内に踏破するという山岳レースで4連覇中。井川のコースについて「走るだけでなく、歩いたり、立ち止まったりして、井川の大自然を感じてほしい。若い人から年配の人まで満喫できるコースになってほしい」と話した。(政治部・市川雄一)

表記は掲載当時のまま