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参院選立候補8人が第一声 静岡選挙区の特徴は

 第26回参院選が22日に告示され、選挙戦が始まりました。静岡選挙区には異例ともいえる8人が立候補しましたが、政党を背負った候補者は少なく、無所属や諸派といった新人も名乗りを上げ乱立状態です。立候補者8人の第一声や選挙区の特徴を分析します。第一声の書き起こし詳報も参考に、立候補者の主張を比べてみてください。
 〈キュレーター:編集局未来戦略チーム 吉田直人〉

静岡選挙区は8氏の争い 第一声詳報

 参院選静岡選挙区(改選数2)は22日、午前中の7人に加え、1人が午後に届け出を済ませ、現職2人、新人6人の計8人による争いが確定した。無所属の現職2人と自民党、共産党の各新人、NHK党の新人2人、諸派、無所属の各新人が18日間の選挙戦をスタートさせた。

 立候補したのは届け出順に、NHK党新人の舟橋夢人氏(56)、共産党新人の鈴木千佳氏(51)、諸派新人の山本貴史氏(52)、無所属現職の山崎真之輔氏(40)=国民推薦=、自民党新人の若林洋平氏(50)=公明推薦=、無所属現職の平山佐知子氏(51)、NHK党新人の堀川圭輔氏(48)、無所属新人の船川淳志氏(65)。
 8人はいずれも静岡市内で第一声を上げ、県内各地で物価高対策や安全保障、憲法改正などを巡り、持論を訴えた。

 各候補の第一声書き起こしを読む(届け出順 敬称略)

>NHK党新人 舟橋夢人(56)
>共産党新人 鈴木千佳(51)
>諸派新人 山本貴史(52)
>無所属現職 山崎真之輔(40)
>自民党新人 若林洋平(50)
>無所属現職 平山佐知子(51)
>NHK党新人 堀川圭輔(48)
>無所属新人 船川淳志(65)
〈2022.06.23 あなたの静岡新聞〉

出陣式の第一声、AIで分析 違いがはっきり

 参院選が公示された22日、静岡選挙区(改選数2)に立候補した8氏のうち、出陣式などを行った現新4氏の第一声を人工知能(AI)で分析した。特徴的な言葉を大小で表示するよう試みたところ、立候補者ごとに違いがはっきり表れた。

 データ分析を手掛けるユーザーローカル(東京)のテキスト分析ツールを利用し、多く使われた言葉や特徴的な言い回しを大きく表示する「ワードクラウド」の手法を用いた。

鈴木千佳氏(共産)

 

 共産新人の鈴木千佳氏(51)の演説で最も大きく表示されたのは「賃金格差」。日本の男女格差は異常事態だと指摘。「憲法9条」や「核兵器」も多用し、改憲反対を強調した。

 

山崎真之輔氏(無所属)

 

 無所属現職の山崎真之輔氏(40)=国民推薦=は物価高対策を訴え、「ガソリン価格」「引き下げる」が目立った。リニア水問題を巡る「大井川」も重要度が高いと示された。

 

若林洋平氏(自民)

 

 自民新人の若林洋平氏(50)=公明推薦=は「新型コロナウイルス」が特徴的だった。疲弊した経済と世界情勢の変化を取り上げ「危機管理を持って選挙戦を走り抜ける」と訴えた。

 

平山佐知子氏(無所属)

 
 無所属現職の平山佐知子氏(51)で最も目を引いたのは「ヤングケアラー」。子どもや子育てを巡る課題を提起し、「伴走型支援が少子化問題解決への道筋となる」と呼び掛けた。
(東京支社・青木功太)
〈2022.06.23 あなたの静岡新聞〉

異例の構図 政治的立ち位置見えづらく 静岡大・井柳美紀教授

 今回の参院静岡選挙区は、異例の構図と言われる。政党の名前を背負った候補者が少ない点、現職が無所属2人である点などから、たしかに異例と言えるだろう。改選数2の静岡選挙区は近年、与党と野党で議席を分け合うことが多かった。参院選は勝敗を大きく左右する1人区への注目度が高く、与野党が議席を分け合う傾向にある静岡のような2人区への注目度は低いが、それでも従来有権者が与野党どの勢力にどう期待したかは結果からうかがえた。しかし、今回は自分の一票がどう国政に直結し、影響するのかが見えにくい。

井柳美紀静岡大学教授(政治学)
井柳美紀静岡大学教授(政治学)
 参院選は、政権選択の選挙ではなく、政権の中間評価とされる。岸田政権は発足後、高い支持率を維持してきた。衆院解散がなければ今後3年間国政選挙がないため、今回の結果次第では安定的な政権運営を担い得るいわゆる「黄金の3年間」を手に入れることになる。政権にどのような評価を与えるのかは今回の選挙が持つ一つの意味である。一方、野党勢力の結果も、与党に接近する政党から、リベラル色があって政権とは距離を置く政党まで、いかなる立ち位置の政党を選択するかは、野党再編の可能性を含めて、今後の野党のあり方に影響を与える。
 ただし、静岡選挙区に限れば野党の選択肢は少ない。比例票は政党選択の重要な一票を投じられるが、選挙区では、県内候補者がどのような政治的立ち位置に立っているか、見えにくい。有権者が知りたい争点はたくさんある。物価高への対応策、防衛力強化やその財源、社会保障や財政の今後、憲法改正の内容や道筋。県内では、リニアや原発の取り巻く環境が変わり、県内選出国会議員としての発言も期待される。「誰を選んでよいか分からない」から選挙に行かないという有権者を増やすのではなく、「この人に投票すれば私たちの将来は変わる」と思える選挙戦を候補者たちには期待したい。
〈2022.06.23 あなたの静岡新聞〉

選挙の豆知識~公示と告示~

 

※写真はイメージ
※写真はイメージ
 「第26回参院選が公示された」。この文言、よく目にしますが「告示」という言葉も選挙の際によく使われます。「公示」と「告示」の言葉の違いやどのように使い分けられるのかご紹介します。

 ■公示 
 公示は憲法7条に基づき、天皇が国事行為として行う衆議院の総選挙、参議院の通常選挙にのみ用いられます。

 ■告示
 
衆参の補欠選挙や都道府県知事選挙、市区町村の首長や議員選挙は、公職選挙法に基づき各自治体の選挙管理委員会が選挙期日を発表します。衆参の補欠選挙は天皇の国事行為をされていないため、「告示」が使われます。