運命の相手と結婚へ 「婚活」今の主流は?
結婚を目的に意欲的に理想の相手を探す「婚活」。お見合いやイベント...出会う方法は多様化しています。最近では、マッチングアプリが主流になっているようです。県が1月に開設した「ふじのくに出会いサポートセンター」も少しずつ成果を出し始めています。静岡県内で行われている取り組みを1ページにまとめました。
〈キュレーター:編集局未来戦略チーム 安達美佑〉
県と35市町運営のマッチングサービス 22組が結婚を視野
静岡県の八木敏裕健康福祉部長は出会いから結婚までを後押しするため1月に開設した「ふじのくに出会いサポートセンター」で、22組が結婚を視野に入れた交際に至ったと明らかにした。

〈2022.06.18 あなたの静岡新聞〉
■今年1月にセンター開設、会員数順調な伸び 4月から本格運用
少子化対策の婚活支援で静岡県と35市町が運営する「ふじのくに出会いサポートセンター」は4月1日、登録者のマッチングサービスを開始した。1月10日のセンター開設以降、会員登録が順調に伸びて本格運用を迎えた。県こども未来課によると、会員数は3月末までに2千人を超えたという。
会員向けの専用サイト「しずおかマリッジ」で、各会員が登録した顔写真や居住市町、趣味などの情報を閲覧できるようになった。気になる人にシステム内のチャット機能で連絡したり、お見合いを申し込んだりできる。
同課によると、3月24日時点で会員登録の申し込み数は1639人。このうち男性が986人、女性が653人だった。20~30代が約7割で、県全域から申し込みがあった。
県は2022年度、会員向けに地域の観光資源を生かしたイベントや、オンラインでのイベントを開く予定。同課は「登録者が増えると、ビッグデータを活用した支援が効果的になる。会員登録を促進して多くの出会いを支援したい」と話した。(政治部・杉崎素子)
〈2022.04.09 あなたの静岡新聞〉
県、「新しい生活」で機会減少懸念 AIで縁結び
未婚化や晩婚化に伴う合計特殊出生率、出生数の低下を受け、静岡県は2021年度、結婚を希望する若者の出会いから結婚までを総合的に後押しする仕組みの構築に乗り出す。新型コロナウイルス感染拡大で出会いの機会が減少する懸念もある中、人工知能(AI)を活用したマッチングシステムの導入やサポートセンターの設置を検討する。21年度当初予算案への関連事業費の計上を目指す。

県の調査によると、独身者が結婚しない理由として「適当な相手に巡り会わない」との回答が男女ともに半数ほどを占めて最も多かった。効果的なマッチングシステムの運用やきめ細かい相談対応を通じ、結婚の後押しにつなげる意向だ。
県はこれまで、結婚はあくまで個人の選択に委ねられるとして、結婚を促す施策の実施には比較的、慎重だった。34道府県で設置済みの結婚支援センターも本県は設置してこなかった。

しかし、県内は50歳時未婚率や平均初婚年齢の上昇が続き、合計特殊出生率や出生数の低下に歯止めがかからない状況。19年の合計特殊出生率は14年の1・50に対して1・44、出生数は5千人減の2万3457人まで落ち込んでいる。
さらに今後、新型コロナの感染拡大でリモートワークなどを積極的に取り入れた「新しい生活様式」が広がり、実際の出会いの機会がますます減る懸念も浮上。県はこれまでよりも踏み込んだ対応が必要と判断した。
一方、結婚後の新生活についても支援の充実を図る。県が実施する男性向け家事育児参画促進講座に参加した場合、新居の住居費や引っ越し費用に対する国の補助率をかさ上げする制度の採択を目指している。(政治部・宮嶋尚顕)
〈2021.01.26 静岡新聞朝刊〉
わが子の出会い支援 親同士が交流 静岡で「代理婚活」イベント
子どもの結婚を支援するため、子どもに代わって親同士が交流してお見合いのきっかけ作りをする代理婚活イベント(静岡市主催)が19日、同市駿河区で開かれた。30代で独身の息子や娘がいる同市内の7人の父母が参加し、わが子に紹介できそうな相手を探した。

娘の相手を探そうと参加した親は取材に「子どもの将来が心配で、すがるような思いで参加した。(婚活で主流になっている)マッチングアプリは相手がよく分からず不安。行政が主催するイベントなら安心できる」と語った。
市の委託を受けて開催したNPO法人しずおか出会いサポートセンターによると、新型コロナウイルス禍で出会いの機会が減り、成婚カップルが少なくなっている。スタッフの冨田理美さんは「婚活に大事なのは人間性。代理婚活は、育ててきた子どもの良さを親として伝えられる利点がある」と助言した。(社会部・大橋弘典)
〈2022.06.20 あなたの静岡新聞〉
距離保ち、ささやき声で… 糸電話婚活、富士の男女18人参加
富士市はこのほど、糸電話で会話を楽しむ婚活イベント「しあわせの赤い糸電話婚活 DOUZO(ドウゾ)」を市交流プラザで開いた。参加者は、ささやき声に耳を澄ませ、交流を深めた。

表情を見るためにマスクを外す予定だったが、国内の感染者急増を受けてマスク着用を義務付けた。
市内在住か通勤している男女計18人が参加した。紙コップを口と耳に交互に当てて、「休日の過ごし方は」「映画を見ます」といった会話のキャッチボールを楽しんだ。
糸電話を使うのは小学校以来という男性会社員(36)は「最初は恥ずかしかったけれど、聞き取れると一気に楽しくなった」と声を弾ませた。(富士支局・国本啓志郎)
〈2021.08.05 あなたの静岡新聞〉