⚽アスル本拠地、照明改修へ前進 沼津市が費用負担
ホームスタジアムである県営愛鷹広域公園多目的競技場の照明設備がJリーグの基準を満たさず、ライセンスはく奪の可能性もあったJ3アスルクラロ沼津。沼津市が改修費用の一部拠出を決めたことで、光明が見えてきました。そもそもの始まりとなった照明設備問題、支援を決めた沼津市の思いをまとめました。
〈静岡新聞社編集局未来戦略チーム・石岡美来〉
照明改修費 残り2000万円、沼津市が拠出
沼津市は31日(2022年5月)までに、懸案となっているサッカーJ3アスルクラロ沼津のホームスタジアムである県営愛鷹広域公園多目的競技場(同市足高)の照明設備改修に向け、一般財源から2千万円を支出する方針を決めた。クラブや市はこれまで改修費約1億円のうち、約8千万円をクラウドファンディングや企業版ふるさと納税で集めていて、改修実現に向け大きく前進する。
同競技場はJリーグの照明基準を満たさず、来季のライセンス申請期限の6月までに工事日程の決定が必要になっている。改修費は運営クラブによるクラウドファンディングで約3500万円、市の企業版ふるさと納税で約4500万円が集まり、残りの2千万円の調達が課題となっていた。
市は企業版ふるさと納税を含め計6500万円を支出する方針。
〈2022.5.31 あなたの静岡新聞〉
Jリーグ基準では1500ルクス必要だけれど…
サッカーJリーグ3部(J3)アスルクラロ沼津が来年度(22年度)、ホームスタジアムの愛鷹広域公園多目的競技場(沼津市足高)の照明設備を改修する方針を固めたことが、16日までの関係者への取材で分かった。現状の夜間照明はJリーグのスタジアム基準の照度を満たさず、2023年シーズンからJ3ライセンスが発行されない可能性もあり、対応が求められていた。県東部唯一のJリーグチームとして、クラブは資金調達を進め、ライセンスの維持を図る。
同競技場は県営施設のため、クラブと沼津市が改修に向けて県と調整を続けていた。工事は都市公園法に基づき県から許可を受け、クラブが主体となって行う。近く業者を募集するという。工事費用は約2億円を見込み、クラブは資金の調達方法を調整している。
J2ライセンスを得るための同競技場の改修に関する検討は難航している。観客席増設▽大型映像装置の設置▽照明の改修▽ドーピングコントロール室など諸室の整備▽座席を覆う屋根の設置-の5項目が必要。映像装置は県が整備し、クラブは照明の改修後に諸室の改築を目指すという。観客席増設と屋根の設置は、J1基準の新スタジアム構想があれば免除されるが、見通しは立っていない。
〈2021.12.17 あなたの静岡新〉
静岡県東部唯一のJチーム 頼重市長「経済波及大きい」
沼津市が31日、Jリーグ基準に満たない県営愛鷹広域公園多目的競技場(同市足高)の照明改修を支援する方針を決めたのを受け、同競技場を本拠地とするサッカーJ3アスルクラロ沼津の運営会社は謝意を示した。一方、支援を決めた頼重秀一市長は「県東部唯一のJリーグチーム。経済波及効果は大きい」と同クラブが沼津に本拠地を置くメリットを強調し、市が一般財源から2千万円を支出することに理解を求めた。
同日の報道陣の取材に頼重市長は、支援の決定理由として、サッカー以外での幅広い経済波及効果の他、同社がサッカー以外のスポーツや、教育分野でも活動している点を挙げた。
市は一般財源と企業版ふるさと納税計6500万円を改修費として同社に補助する方針。同社は改修計画を前提とした来季のJリーグライセンス申請期限が6月末に迫っていることから、市議会の議決後に速やかに申請できるよう準備を進める。
〈2022.6.1 あなたの静岡新聞〉