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新川モール4月1日供用開始 浜松・中心市街地活性化に期待

 浜松市中区の中心市街地・遠州鉄道高架下に整備された「新川モール」が4月1日、供用を開始します。当初は飲食の屋台村などの構想もありましたが、オープンカフェや朝市、アートイベントなどに利用できる貸し出しスペースを設けます。イベントや憩いの空間として活用し、回遊性向上やにぎわい創出が期待されています。これまでの経緯や中心市街地を巡る動きを1ページにまとめます。
 〈静岡新聞社編集局未来戦略チーム・寺田将人〉

天竜材ふんだんに オープン当日はキッチンカーなど出店

 浜松市は28日、浜松市中区の中心市街地を貫く遠州鉄道高架下に整備した「新川モール」について、4月1日に供用開始すると発表した。イベントや憩いの空間として活用し、回遊性向上やにぎわい創出につなげる。

4月1日に供用を開始する新川モール=28日午前、浜松中区
4月1日に供用を開始する新川モール=28日午前、浜松中区
 同モールは敷地面積2836平方メートル。高架の柱回りやベンチなどに持続可能な森林管理の国際基準「FSC認証」を受けた天竜材をふんだんに使い、親しみやすい空間を演出した。工事費は約2億4千万円。
 
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新川モール

 運営を担う指定管理者には浜松が拠点の企業、経営者が共同出資した会社「HACK(ハック)」(同区)を選んだ。約1016平方メートルが貸し出しスペースで、地場産品を販売する朝市やオープンカフェ、アートイベントなどに利用できる。
 同モールを巡っては、過去に飲食の屋台村とする案なども浮上していた。市は2017年に策定した整備の基本計画に基づき、21年度に工事を実施した。
 4月1日午後3時から同所で記念式典を開き、キッチンカーなども出店する予定。
 〈2022.03.29 あなたの静岡新聞〉

過去に飲食の屋台村構想も 地元の反発で方針転換

 ※2018年9月11日 静岡新聞朝刊から

新川モールのイメージ図(浜松市提供)
新川モールのイメージ図(浜松市提供)
 浜松市は10日(※2018年9月10日)に市役所で開かれた市議会地方創生調査特別委員会で、中区の遠州鉄道高架下の公共空間「新川モール」に多目的空間を整備する方針を正式に表明した。多様なイベントも開催できる中心市街地の憩いの場として住環境に合ったおしゃれな空間にする。
  市は、JR浜松駅前の市ギャラリーモール・ソラモと連携した新たなにぎわい拠点の創出や、来街者の憩いの場と回遊動線の確保を事業目的に示した。
  遠鉄第一通り駅から鍛冶町通りまでの約100メートル区間の床に天竜材を敷き詰めたボードウオークを整備し、ベンチやテーブルを配置する。両側の車道との間に歩道を設ける。照明も整備して夜間の安全性を確保する。
  市が示した事業スケジュールでは、2018年度に床面調査を実施、19年度に基本設計、実施設計を策定し、20年度に施設整備を実施。早ければ21年度に供用開始する。
  新川モールを巡っては、屋台村を18年度に開設する想定だったが、地元からの反発で方針を変更した。市の担当者は「地元への事業説明で大筋で了承された。来街者が腰を下ろせる憩いの場所にしたい」と述べた。
  委員からは、JR浜松駅からソラモ、旧べんがら横丁跡、遠鉄第一通り駅の北側までの動線を意識し、中心市街地の一体的なコンセプトが必要との指摘があった。

近隣の「ザ・ゲート・ハママツ」は解体 跡地は観光PR活用へ

 浜松市議会は12日(※1月12日)、4常任委員会を開いた。市は環境経済委員会で、解体する市有施設「ザ・ゲート・ハママツ」(中区旭町)の当面の跡地利用について、2023年大河ドラマ「どうする家康」放映に関連したPRなど、観光客向けの情報発信に生かす方針を明らかにした。

市が解体の方針を明らかにした「ザ・ゲート・ハママツ」=12日午前、浜松市中区旭町
市が解体の方針を明らかにした「ザ・ゲート・ハママツ」=12日午前、浜松市中区旭町
 市は22年度当初予算案に解体費を計上し、23年1月に完了させる予定。JR浜松駅に近く、ドラマ館を置く浜松城エリアへの動線上に位置するため、更地にした跡地を使って観光案内の仕掛けを検討する。北側に隣接する遠州鉄道高架下の区域「新川モール」で憩いの場の再整備が進んでいて、連携してまちなかの回遊を促進する。
 将来像について、市担当者は遠州鉄道の高架橋脚耐震化工事の完了時期を見据えつつ中長期的な活用法を検討していくと説明した。
 〈2022.01.13 あなたの静岡新聞〉
地域再生大賞