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⚽藤枝MYFC J2昇格へ今季始動

 サッカーJ3の今シーズンが開幕し、藤枝市を拠点に活動する「藤枝MYFC」が開幕戦を勝利で飾りました。2009年のクラブ創設以来、静岡県リーグ、東海リーグ、Jリーグ加盟と着実に歩みを進めてきました。今季は「超攻撃的なサッカー」でJ2昇格条件のリーグ上位2位を目指します。
 〈静岡新聞社編集局未来戦略チーム・吉田直人〉

さらなる高みへ 「超攻撃的サッカー」で昇格目指す

 サッカーのJリーグ3部(J3)が12日、開幕する。2年連続10位に終わった藤枝MYFCは、ホームの藤枝総合運動公園サッカー場でガイナーレ鳥取を迎え撃つ。昨年7月に就任した須藤大輔監督(44)が掲げる「超攻撃的サッカー」でJ2昇格を目指す。

藤枝の攻撃をけん引する岩渕
藤枝の攻撃をけん引する岩渕

 ■相手より1点でも多く
 藤枝は昨季28試合42得点とリーグ3位の総得点を誇った。須藤監督は「相手より1点多く取ることが自分の哲学。選手もサポーターも楽しませたい」と攻撃を重視した戦いに上積みを図る。世代交代を加速し、昨年は特別指定選手として2得点を挙げたMF久保ら大卒新人4人を含む14人が加入した。
 システムは3―6―1が主体。昨季は攻撃時に両アウトサイドとトップ下、FWが流動的に動いたが、今季は練習試合で得点を量産しているFW土井がセンターフォワードとして存在感を示している。シンガポールリーグ2年間で35試合30得点。「自分の特長は点を取ること」と話す土井の決定力を、久保やMF岩渕ら中盤がどう生かすかが鍵を握る。
 攻撃重視の一方、J2昇格のためにはリスク管理も大事になってくる。DF川島やDF鈴木翔、ボランチにコンバートされたMF杉田、MF鈴木惇ら昨季から所属するメンバーが守備を固める。
〈2022.03.11 あなたの静岡新聞【J3開幕特集】より抜粋〉

開幕戦 2ゴールで鳥取に快勝!

 J3リーグは12日、藤枝総合運動公園サッカー場などで開幕し、第1節3試合を行った。藤枝はMF久保藤次郎の2ゴールなどで3―0と鳥取に快勝。3年ぶりに白星発進した。沼津は相模原に0―1で敗れた。

藤枝-鳥取 前半7分、藤枝の久保(左)が先制ゴールを決める=藤枝総合運動公園サッカー場
藤枝-鳥取 前半7分、藤枝の久保(左)が先制ゴールを決める=藤枝総合運動公園サッカー場

①藤枝サ▽観衆1207人
藤枝 1勝(3) 3(3―0)(0―0)0 鳥取 1敗(0)
▽得点者【藤】久保2(2)土井(1)


 ■藤枝加入2年目 復帰の久保2ゴール
 けがを乗り越えた藤枝加入2年目の新人が、本拠地でスケールアップした姿を見せつけた。中京大に所属しながら、昨季は特別指定選手として6試合に出場したMF久保が、開幕戦で2ゴール。ただ「個人的には60点の出来。点を取っていなかったら赤点」と満足していなかった。
 前半7分は前線の流れるようなパスワークから仕留めた。FW土井のキープからMF横山、MF岩渕とつなぎ、左クロスを遠いサイドで合わせた。19分は右サイドから切れ込んで左足で流し込んだ。「左足は課題だったが、克服できたかな」と練習の成果を口にした。
 昨年10月の沼津戦で左大腿(だいたい)を肉離れして離脱した。リハビリ中はプロの経験を踏まえ、足りなかった筋力を強化してきた。復帰戦は「昨晩は自分でも驚くくらいぐっすり眠れたし、スタジアムに着いたときはわくわく感しかなかった」と自信を持って臨んでいた。
 須藤監督は「後半は全くつまらなかった。来週への修正ポイント」と話したが、超攻撃的サッカーの実現へ、役者はそろってきた。

 ■Jリーグデビュー戦 土井もゴール
 シンガポールリーグのクラブから加入したFW土井(常葉大出)が、Jリーグデビュー戦でゴールを決めた。前半45分、MF横山のスルーパスに抜け出し、左足で放ったシュートはGKに当たったが、ゴールに吸い込まれた。「抜け出しまでは完璧だったが、自分としては持っているな」と土井。須藤監督からは「全試合ハットトリックを狙え」との指示を受けている点取り屋は「得点王は最低限」と目標を掲げた。
〈2022.03.13 あなたの静岡新聞〉

2020年にJ2ライセンス取得 例外規定が適用

 Jリーグは28日(※2020年9月)、2021年シーズンの参加資格となるクラブライセンスの判定結果を発表し、新たに藤枝、岩手、相模原、今治にJ2クラブライセンスが交付された。4クラブの本拠地は現時点でJ2基準を満たしていないが、改修計画があることなどから例外規定が適用された。藤枝は今季、自動昇格圏の2位以内に入れば、来季J2に昇格する。

J2ライセンスが交付され、後半戦へのさらなる意欲を示す藤枝の鎌田代表(左)と主将の杉本=藤枝総合運動公園サッカー場会議室
J2ライセンスが交付され、後半戦へのさらなる意欲を示す藤枝の鎌田代表(左)と主将の杉本=藤枝総合運動公園サッカー場会議室
 交付を受けて藤枝は、本拠地の藤枝総合運動公園サッカー場で会見を開いた。鎌田代表は「今季の目標はJ2ライセンス取得とJ3優勝か準優勝。後半戦は厳しい戦いが予想されるが、全力を出して目標に向かっていく」と話した。主将のGK杉本も「まだ上(2位以内)を狙える位置につけている。ホームタウンに明るい話題を届けたい」と意欲を示した。クラブは6月にJ2ライセンス取得に向けた申請手続きを行っていた。
 今季の藤枝はJ3リーグで18試合を消化し、9勝3分け6敗で勝ち点30の5位。首位秋田との勝ち点差は13、2位熊本とは8。残り16試合で巻き返しを期す。
 藤枝総合運動公園サッカー場を所有する藤枝市は防災機能強化に向けて屋根付き観客席の増席工事と、大型映像装置の設置工事の実施設計費として20年度当初予算に1億1300万円を計上した。現在の5056人から1万人超の固定席を確保するなど、24年開幕までにJ2基準に満たす。現在の1000ルクスから1500ルクスとする照明や、ドーピングルームの整備は本年度に着工する。
〈 2020.09.29 静岡新聞朝刊〉

2009年に創設 国内初のインターネット会員がオーナー

 国内初のインターネット会員オーナーによるサッカーチーム「藤枝MYFC」の暫定監督に就任した釜本邦茂日本サッカー協会名誉副会長が27日、焼津市内の練習場を訪れ、チームで初指揮を執った。

藤枝MYFCで初指導を行った釜本暫定監督(左)=焼津市柳新屋
藤枝MYFCで初指導を行った釜本暫定監督(左)=焼津市柳新屋
 MYFCはサッカー県社会人リーグ1部藤枝ネルソンが母体となり、選手の補強や戦術などの運営全般をサッカークラブ育成オンラインコミュニティー会員の投票で決定する。サイトを運営するJプレイヤーズ(東京都)の小山淳代表取締役によると、会員は現在約4200人。
 将来的にJリーグ参入を目標とし、オーナー投票を受けて元日本代表選手も選手兼コーチとして加入する見込みという。この日はオーナー投票選出第1号の松村圭記(24)も初合流した。
 釜本氏は5―7月ごろの会員有料化まで暫定監督を務め、その後はスーパーバイザーとして支援に回るという。釜本氏は練習前に選手とのパス回しに加わり、「頑張ってやっていこう」と激励。「みんなからいいクラブといわれるようなチームにしていきたい」と抱負を語った。
〈2009.02.28 静岡新聞朝刊〉※肩書き、年齢は掲載日時点