受験生を応援!大井川鉄道・合格駅
いよいよ受験シーズンですね。大井川鉄道に「合格駅」というとても縁起の良い名前の駅があるのをご存知ですか? もともとは「五和(ごか)駅」という駅名で、地域住民が「合格駅」と名称をもじってPRしたことが始まりです。正式に駅名が変わった経緯や、周辺の合格祈願スポットも紹介します。
〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・石岡美来〉
試験突破、地域発展に願い込め 木彫家の鈴木さん地蔵制作実演
合格祈願スポットとして知られる島田市の大井川鉄道合格駅で23日(※2022年1月)、合格祈願祭が開かれた。開帳された駅舎の「合格地蔵」の作者で木彫家の鈴木誠司さん(82)=同市=が受験生の試験突破や地域の発展を願い、木彫り地蔵制作のデモンストレーションを行った。

祈願祭では観勝寺の鈴木美延住職が読経し、参列者は受験生の合格祈願に加えて地元産業の発展などを願った。鈴木さんは「御利益のレベルアップを願って彫りました。受験生をはじめ、皆さんに『合格』の人生を送ってもらいたい」と笑顔で話した。
合格駅は2020年に五和駅から名称を変更した。
〈2022.1.24 あなたの静岡新聞〉
「五和(ごか)駅」→「合格駅」 語呂合わせで”縁起のいい駅”に
大井川鉄道(本社・島田市)は25日(※2020年9月)、35年ぶりの新駅「門出」の開業(11月12日)と合わせ、手前の五和(ごか)駅を「合格」に改称すると発表した。五和駅では5年前から地域住民が駅名をもじった「合格駅」としてPRを開始し、受験生の応援や駅舎の装飾に励んできた。大鉄は新駅が入るにぎわい交流拠点「KADODE OOIGAWA」と合わせ、全国的にも珍しい“縁起のいい駅”として発信する計画だ。


五和駅の手前の日切駅付近には「何日までに」などと日を限った願い事が叶うといわれる「日限地蔵尊」、始発の金谷駅近くには受験生も多く訪れる「すべらず地蔵尊」がある。大鉄広報の山本豊福さんは「『日切』で願い、無事『合格』して新しい人生の『門出』を」とアピール。旧村名でもある駅名を看板などで残すことも検討中という。
「KADODE-」はJA大井川や大井川鉄道、島田市などが連携して整備する複合施設。新駅は市の観光案内所「おおいなび」と直結する。
〈2020.9.26 静岡新聞朝刊〉
■大井川鉄道駅沿線の開運スポット
門出、合格の両駅周辺には、合格祈願や商売繁盛の参拝者が多い「すべらず地蔵尊」(金谷駅付近)や、日を限った願い事がかなうとされる「日限地蔵尊」(日切駅付近)などが点在する。合格駅の駅舎内にはすべらず地蔵尊と同じ制作者が手掛けた「合格地蔵」が安置されている。日切、合格、門出の3駅は無人駅。大鉄は金谷-門出駅間の乗り降りが自由で開運スポット巡りに活用できる「合格祈願周遊切符」も販売している。

〈2021.1.8 静岡新聞夕刊〉
「合格駅」最初の登場は2015年 地元有志が看板かけ替え
島田市の大井川鉄道の無人駅に「合格駅」が出現し受験生を応援している。合格駅に変身したのは同市竹下の五和(ごか)駅。駅の盛り上げを図る金谷コミュニティ委員会の会員有志が駅名を「ごうかく」に掛け、看板や激励メッセージを書いた凧(たこ)を飾っている。2月末まで。

駅舎の線路側の外壁には「祈・合格」などと書いた4枚の大凧を掲示し、SLの客車や電車の窓からも見えるようにした。大鉄が10日から18日まで運行しているSL「合格祈願列車」に合わせ、今年初めて企画した。
金谷コミュニティ委員会は地域振興部会を中心に沿線活性化策の一環として駅舎整備などに取り組んでいる。中心メンバーで「益長(えきちょう)」を務める渡辺琢史さん(68)は「五和駅は縁起の良い名前。一般の方もぜひ受験生に激励のメッセージを書きに来てほしい」と思いを込め、「今後も季節ごとにイベントを考え、大鉄沿線を盛り上げたい」と腕まくりする。
〈2015.1.13 静岡新聞朝刊〉
近くのすべらず地蔵尊も人気 受験生や家族が合格祈願
受験シーズンに合わせ、島田市の旧東海道金谷坂石畳で16日(※2022年1月)、すべらず地蔵尊祈願祭が行われた。石畳脇にある「すべらず地蔵尊」が開帳され、受験生や家族ら多くの人が合格祈願に訪れた。

来場者は石畳をのぼり、すべらず地蔵尊の前で試験合格などを祈願した。会場で購入した絵馬に願い事も書き留めた。母親と訪れた諸角木葉さん(15)は「体調に気をつけながら試験勉強を頑張りたい」と話した。
会場では絵馬のほかにお守りや合格鉛筆、合格にちなみ、五角形の焼き菓子などが販売された。
〈2022.1.17 あなたの静岡新聞〉