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⚾選抜高校野球 静岡県勢2校有力、1月28日決定

 第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の出場校が1月28日に決まります。昨秋の東海大会で初優勝した日大三島と、準優勝の聖隷クリストファーが東海地区2枠に選出される可能性が高いとみられています。静岡県勢2校出場となれば1987年の富士、富士宮西以来35年ぶり。春に静岡旋風を巻き起こせるか、期待が高まります。
 〈静岡新聞社編集局未来戦略チーム・松本直之〉

止まらぬ進化 東海王者・日大三島

 38年ぶりの選抜が確実視される日大三島。「これだけ成長する選手は見たことがない。高校生の力はすごい」。2020年の春に着任した永田裕治監督は、兵庫の名門、報徳学園を率いて、18度の甲子園出場を果たした。実績十分の指揮官にとっても、東海初制覇は驚くべき結果だった。

秋季高校野球静岡県大会 優勝を決めてマウンドに集まって喜ぶ日大三島ナイン=10月3日、草薙球場
秋季高校野球静岡県大会 優勝を決めてマウンドに集まって喜ぶ日大三島ナイン=10月3日、草薙球場
 永田監督は物静かだった選手を鼓舞し戦う集団へと導いた。昨秋の県大会は準々決勝で掛川西、準決勝で静岡に劇的なサヨナラ勝ちを飾り、勢いに乗った。東海大会はエースで4番の松永陽登が一戦ごとに自信を付け、チームをけん引した。
 東海覇者として挑んだ明治神宮大会の初戦は九州国際大付に1-2で惜敗した。「スコアは競ったが内容には差があった。打線が松永を援護できなかった」と加藤大登主将。課題だけを胸に刻み、さらなる成長と底上げを目指す。

聖隷クリストファー 奇跡の快進撃

 主力をけがで欠いた聖隷クリストファーの東海大会は、残された選手が死力を尽くし、“ミラクル”を巻き起こした。県大会まで頼り切りだったエースで主将の弓達寛之が東海初戦を終えて故障で離脱。絶体絶命の危機にナインは開き直った。

秋季高校野球東海大会準決勝 至学館-聖隷クリストファー 9回サヨナラ勝ちし、喜びを爆発させる聖隷ナイン=11月6日、岡崎市民球場
秋季高校野球東海大会準決勝 至学館-聖隷クリストファー 9回サヨナラ勝ちし、喜びを爆発させる聖隷ナイン=11月6日、岡崎市民球場
 中京(岐阜)との準々決勝は2点を追う九回1死三塁から逆転勝利。至学館(愛知)との準決勝も序盤に5点をリードされる敗色濃厚の展開をひっくり返しサヨナラ勝ちを遂げた。「無欲で臨んだ結果」と2桁背番号の小出晴希は言った。
 浜松商、掛川西を計8度の甲子園に導いた上村敏正監督は「なぜ勝てたのか聞かれても分からない」とする一方で、「強いチームが勝つとは限らない」とも表現する。弓達は「技術じゃなく心の強さで上回った。試合で動けるかどうかは日々の積み重ねから」と、来た道を信じて進む。

秋季高校野球東海大会 日大三島-聖隷の決勝戦を振り返りましょう

 第74回秋季高校野球東海大会は7日、愛知県の岡崎市民球場で、静岡県勢同士の決勝を行った。日大三島(静岡1位)が主戦松永陽登の投打の活躍で聖隷クリストファー(静岡2位)に6-3で逆転勝ちして初優勝した。日大三島は東海地区代表として明治神宮大会(20日開幕)に出場する。決勝に進出した両校は来春の選抜大会(甲子園)出場を有力にしている。

日大三島―聖隷クリストファー 初優勝を決め、マウンドで抱き合う日大三島のエース松永(右)と捕手野田優ら=岡崎市民球場
日大三島―聖隷クリストファー 初優勝を決め、マウンドで抱き合う日大三島のエース松永(右)と捕手野田優ら=岡崎市民球場

 決勝
聖隷クリストファー(静岡2位)
110010000―3
00040200×―6
日大三島(静岡1位)
▽二塁打 成田(聖)▽ボーク 今久留主(聖)▽捕逸 河合(聖)
▽試合時間 2時間49分

 【評】日大三島は8安打で6得点と効率良く加点し、聖隷クリストファーを逆転で退けた。
 日大三島は2点を追う四回、池口の2点適時打などで4点を挙げて逆転。六回は松永の2点適時打で突き放した。三回途中で救援した主戦松永が走者を背負いながらも要所を締め、6回1/3を5安打1失点に抑えた。
 聖隷は一回、先頭成田の二塁打を足掛かりに赤尾の犠飛で先制するなど流れをつかんだが、11安打で11残塁と後半にあと一打が出なかった。


 ■投打の要 松永に自信 日大三島
 日大三島のエースで4番の松永が、聖隷クリストファーの前に再び立ちはだかった。県決勝と同じ顔合わせとなった東海決勝。救援した松永のマウンドさばきは自信に満ちあふれていた。打席では2安打3打点。「投手としては最少失点で抑える。4番としてはチャンスで決める」。その仕事をやり遂げた。
 兵庫の名門、報徳学園を18度の甲子園に導いた永田監督が就任して2年目。関西と比べて「おとなしい」と評する選手が勝ち上がるごとに顔つき、目の色を変えた。松永もその一人。穏やかな性格の持ち主だが、指揮官の言葉を信じて実行し、結果に自信を深めていった。「自分の持ち味は、どの球でも空振りが取れて、配球で組み立てることができること」。よどみなく、そう断言する。
 監督の就任当初は県内の強豪校に練習試合を申し込んでは惨敗を重ねた。「報徳の23年間分くらい負けたし無残な負け方だった」。東海大会直前は智弁和歌山など全国の強豪校とも6戦全敗だった。ただ、臆することなく食らいつく粘りが出てきた。明治神宮大会へ、松永は「今までにないレベルのチーム相手にどこまでできるか楽しみ。東海1位としての試合をしたい」とプライドを胸に戦う。

 ■聖隷11残塁 攻めきれず
 聖隷クリストファーは11安打しながら11残塁と攻めきれず、県決勝の雪辱はならなかった。それでも上村監督は「東海に出るだけでもいい経験と思っていた。甲子園なんて」と随所で粘りを見せた選手の頑張りを褒めた。
 主戦弓達、正捕手河合が負傷離脱した穴を埋めようと、新戦力が次々に台頭した。象徴的な存在が左翼と一塁を守った小出だ。県大会まで公式戦の出場なし。主力外野手のけがで巡ってきた好機をものにした。4試合で16打数9安打、打率5割6分3厘。大きな自信を手にした。
 「無欲で臨んだ結果。来た球を打とうとだけ考えていた」と小出。欠かせない戦力となったが、準優勝という結果には表情を曇らせた。「冬の間にここぞの場面で打つ力を付け、少ないチャンスをものにできるチームになっていたい」とさらなる成長を誓った。

抽選会は3月4日に前倒し 高野連、入場行進曲はYOASOBI「群青」

 日本高野連は14日、兵庫県西宮市の甲子園球場で、3月18日に開幕が予定されている第94回選抜高校野球大会の第2回運営委員会をオンラインで開き、当初3月11日に予定されていた組み合わせ抽選会を同4日に前倒しすると発表した。午後3時からオンラインで実施し、各校の主将が参加する。

第94回選抜高校野球大会の入場行進曲「群青」を歌うYOASOBIのキービジュアル(ソニー・ミュージックエンタテインメント提供)
第94回選抜高校野球大会の入場行進曲「群青」を歌うYOASOBIのキービジュアル(ソニー・ミュージックエンタテインメント提供)
 新型コロナウイルスのPCR検査などに対応する時間の余裕を確保し、出場校がスケジュールを立てやすくすることが狙い。
 開会式の実施方法は2月の臨時運営委で協議。出場校による甲子園練習は実施しない。
 選抜大会の入場行進曲は、音楽ユニット「YOASOBI」の「群青」に決まった。