こち女ニュース

きらめきデイズ(2)フォトグラファー、「心」写す一枚

(2018/10/31 11:00)
仕事やプライベートでもよく訪れる今井浜海岸で、カメラを手にする植田明日香さん=10月中旬、河津町
仕事やプライベートでもよく訪れる今井浜海岸で、カメラを手にする植田明日香さん=10月中旬、河津町

 素足になって砂浜の感触を楽しみ、波の音を聞きながらシャッターを切る。7年前に東京から河津町に移住した植田明日香さん(37)は、海や高原など伊豆ならではのロケーションで写真を撮るフォトグラファー。「自然と一緒に仕事をさせてもらっている」と充実感をにじませる。
 愛知県に生まれ、服飾関係の専門学校を卒業後には東京でファッションスタイリストとして活躍した。東京と伊豆を拠点に活動していたクリエーターの夫俊司さん(40)との結婚を機に、河津に移り住んだ。今は2人で写真スタジオ「ハッピーモンスター」を営む。
 型にはまらず、大胆な発想で写真、映像作品を手掛ける夫と過ごす中で、フォトグラファーの仕事に興味を持った。夫の現場に同行しながら技術を学び、4年前から一人でも撮影を担当する。写真は「ファインダーの中でのコラージュ」。スタイリスト時代に培った「魅力的なもの」を選び取るセンスと、伊豆の景色を生かした一枚を撮る。
 明日香さんが担当するのは結婚式や七五三、成人式など人生の節目に撮る写真。特に、妊婦姿を記録に残す「マタニティーフォト」に思い入れがある。「妊娠期間は喜びもあるけれど、戸惑いや不安も大きい」。3児の母として自身も経験した。だからこそ、撮影は「夫婦の関係性を見つめ直す場」でもあってほしいと考える。
 「お互いの好きなところ、感謝の気持ち、伝え合ってください」。撮影中、夫婦にリクエストする。朝日で輝く海といった自然の力も借りて、日常には持ちにくい特別な時間を作り出す。子育て中には、気持ちがすれ違う日もある。そんな時見返すと、「きっと大丈夫」と思える“お守り”になるような写真と記憶を残したい。
 フォトグラファーとして、何より大切にするのは「心」。撮影を依頼した人が、「何を考え、求めているのか、もっと深く理解する」のが目標だ。例えば、出産して約1カ月後の行事「お宮参り」。きれいに着飾った母親も、疲れがたまるころ。どんな撮影をすれば、ふっと心が軽くなり、楽しい時間を過ごせるか。ファインダー越しに「心」を見ている。

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