ゲンバに恋して(1)ねじガール 工場研修、運命の出合い

 「電車に乗っても、知人の家を訪ねても、『ここに私の作ったねじが使われているかも』とついつい考えちゃうんです」。静岡市清水区の興津螺旋(らせん)製造部でねじ作りに挑む佐野瑠美さん(24)は、油の付いた作業服姿でほほ笑む。

「見た目にもきれいなねじができるとうれしいよね」と語り合う佐野瑠美さん(右)と後輩のねじガールたち=20日、静岡市清水区
「見た目にもきれいなねじができるとうれしいよね」と語り合う佐野瑠美さん(右)と後輩のねじガールたち=20日、静岡市清水区
「ねじガール」の必需品。機械の整備に必要なスパナや検品用のルーペ、サイズを図る尺度計など
「ねじガール」の必需品。機械の整備に必要なスパナや検品用のルーペ、サイズを図る尺度計など
「見た目にもきれいなねじができるとうれしいよね」と語り合う佐野瑠美さん(右)と後輩のねじガールたち=20日、静岡市清水区
「ねじガール」の必需品。機械の整備に必要なスパナや検品用のルーペ、サイズを図る尺度計など

 同じ職場には「ねじガール」と呼ばれる女性技術者が6人いる。工業製品に欠かせないにもかかわらず目立ちにくい「部品」に魅了され、工具を手にミクロの世界と奮闘している。
 男性ばかりだった職場に風穴を開けたのが2012年入社の佐野さんだ。地元大学の外国語学科卒で事務職として採用されたが、入社後の工場研修で人生が変わった。「ねじのことをもっと知りたい。私も作りたい」。柿沢宏一社長に相談したところ、「手や服は油で汚れるし、重い荷物を持つこともある。それでもよければぜひやってみて」と背中を押された。
 工場で生産するのは約3千種。素材の組み合わせは数万通りにもなる。「工具の名前さえ分からなかった」という佐野さんが無我夢中で働く姿が刺激になり、後輩も続いた。ただ今「ねじガール」は増殖中。20代女子らしく「仕事もプライベートも充実してたいよね」と、語り合う。
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 かつては男性ばかりだった現場(ゲンバ)に女性が進出している。仕事に誇りを持ち、輝く姿に迫る。

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