育休者に学びの場提供、管理職への意欲高まる 静岡県立大・国保准教授ら共同研究

 育児休業中の女性を対象にした職場復帰を疑似体験するワークショップ(WS)の実施が仕事の継続や管理職への意欲を向上させるという研究結果を、県立大の国保祥子准教授(経営学)がまとめた。国保准教授は「企業が育休者に学びの場を提供することで、育休期間が有効な人材開発の機会になる」と指摘する。

国保祥子准教授
国保祥子准教授

 大学院大学至善館の吉川克彦准教授との共同研究。調査は2017~19年度に行い、都内19社の育休中の女性計175人が協力。復帰後の職場でのコミュニケーションを疑似体験する討議中心のWSを138人を対象に4回実施した。実施前、実施直後、職場復帰直前、復帰6カ月後に、仕事や管理職への意欲、考え方の変化についてアンケートし、非参加者とも結果を比較した。
 実施前後の変化を分析したところ、復帰後のキャリア継続や家庭との両立への自信が高まり、管理職への関心も高まったことが確認された。影響は復帰直前まで持続した。
 復帰後の影響については、管理職として働くことへの自信が高まると復帰後に挑戦的な仕事に取り組む行動が促進され、管理職への意欲も高まると示唆された。家庭との両立への自信が高まると、業務パフォーマンス(上司が評価)も上がるという。吉川准教授は「担当業務だけでなく、チームの成果を高めるために主体的に動く傾向にある」と解説する。
 効果の個人差を調べると、主体性や自尊感情が高い人ほど効果が出やすい傾向にあった。一方、「男性は働き、女性は家庭を守る」という伝統的ジェンダー観が強い人は効果が出にくかった。

 <メモ>調査で実施したワークショップは、「残業ができない」「子どもが病気で登園停止になる」など復職者が抱えやすい課題を、当事者だけでなく、人事担当者や上司(管理職)の視点で考え、討議するケースワーク。制約がある中でも、効率的に働き、成果を上げる方法を身に付けることを目的としている。

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