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新卒女性、職人の道へ 静岡県西部特産「遠州織物」

(2019/5/14 11:00)
高田素宏代表(奥)が見守る中、工場内での作業に取り組む市川紗帆さん=4月中旬、浜松市西区の高田織布工場
高田素宏代表(奥)が見守る中、工場内での作業に取り組む市川紗帆さん=4月中旬、浜松市西区の高田織布工場

 静岡県西部の特産品「遠州織物」を手掛ける浜松市西区の高田織布工場に今春、初の新卒採用者となる市川紗帆さん(22)=同区=が就職した。都内の大学を卒業してUターンし、職人としての道を歩み始めた。
 ガシャン、ガシャン-。織機の音が響く同工場で機械の糸切れを直すのは、4月から働き始めたばかりの市川さん。83年の歴史を持つ同工場は家族経営で、従業員は市川さんを含め3人だ。
 浜松市出身の市川さんは当初、デザイナーを目指して東京造形大のテキスタイルデザイン専攻に進学。実習で布作りの基礎を学ぶうちに奥深さにひかれ、次第に職人を志すようになった。
 ところが、インターネットなどで探しても、職人の求人はなかなか見つからない。そんな中で出合ったのが、昨年6~9月に浜松市などが初めて開催した講座「遠州産地の学校」だった。遠州織物の職人が講師を務め、工場で実践的な内容を教える講座で、市川さんは「職人と出会えるなら」と申し込んだ。
 遠州織物についてはほとんど知らなかった上、当初は「浜松に帰る気もなかった」という市川さん。地方で開かれる講座に「人が集まるのかな、と思っていた」と明かす。
 講座には県内外から定員を上回る24人が参加した。多くの人が遠州織物に関心を寄せていることや、地元に織物工場が数多く存在することを知った市川さんは、職人の布作りに対する姿勢やこだわり、気さくな人柄にもひかれていった。
 昨年9月の講座最終日、講師の1人だった高田織布工場の高田素宏代表(58)に「働かせてもらえませんか」と願い出た。高田さんが講座の最後に「1人雇いたい」と話していたことや、同工場で作られる厚手の生地をかっこいいと思ったことが理由だ。高田さんも、その場で快諾。「うれしかったね」と振り返る。
 現在は高田さんの指導の下、織り上がった布の検品や織機の扱い方などを学ぶ。「専門用語の知識もあるから教えやすい。若い感性を生かして、遠州織物を地域に広めてほしい」と期待する高田さん。市川さんも「自分に合っていると思う。まずは1人で機械を動かせるようになりたい」と意欲的だ。

 ■業界と人材 結ぶ玄関口に
 遠州織物工業協同組合によると、同組合に所属する織布業者は62軒(2018年度末時点)で、従業員数人で家族経営する小規模工場が大半を占める。1960年代には千以上の工場が所属したが、安価な海外製品の台頭などを理由に縮小が続く。業界は慢性的な人手不足や後継者不在の課題を抱えるものの、採用活動に人手を割けなかったり、経営不安から人材雇用に踏み切れなかったりするのが実情という。
 「織物産業の現場に入りたいという若い人は少なからずいる」と話すのは、浜松市産業振興課の杉浦健太主任(35)。「遠州産地の学校」を遠州織物に興味を持つ人と職人を結びつける玄関口と位置づける杉浦主任は、「地元の人にもっと知ってもらい、地域産業を一緒に盛り上げてほしい」と話す。
 

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