「兄弟姉妹に障害」仲間と支え合おう 静岡県内当事者会が発足

 障害者の兄弟姉妹が集い、家族関係や親亡き後の介護など、特有の課題や心情を分かち合おうと、静岡県内の女性4人が11月上旬、「静岡きょうだい会」を設立した。12月に富士市で最初の集いを開き、その後も定期開催する。県内各地の児童発達支援センターなどによると、障害者と家族の会や各施設が利用者のきょうだいを集めた交流会などを開くケースはあるものの、横断的に支援する取り組みは県内では珍しい。

静岡きょうだい会の活動計画を話し合う沖侑香里代表(右)ら=11月上旬、富士市内
静岡きょうだい会の活動計画を話し合う沖侑香里代表(右)ら=11月上旬、富士市内

 発足メンバーは脳性まひや進行性の病、自閉症、知的障害のきょうだいがいる、20~40代の女性たち。いずれも在宅介護を続ける母親を助けようと気丈に振る舞ったり、周囲の顔色をうかがったりしながら生きてきた経験を持つ。進学や就職で家族と離れ、自分だけが幸せを追い求めることへの罪悪感など、共通した心情を抱えてきたという。
 きっかけは富士市内で10月、沖侑香里代表(28)=同市=が障害者家族や福祉職、教員らの前できょうだいの思いを話した講演。他のメンバー3人が聴講し、知り合った。沖代表は他県の「きょうだい会」に参加してきた一方、3人は成人してから同じ境遇の人に会ったのは初めて。「事情を分かり合える人と、いつか話したいと願い続けてきた」と意気投合し、設立することになった。
 静岡きょうだい会は障害者の兄弟姉妹が互いの心情を分かち合うばかりでなく、成年後見人制度や介護に役立つ知識の勉強会も企画し、ソフトとハードの両面で同様の立場にある人々を支える。まずは18歳以上が対象で、将来的に子どものサポートにも広げる予定。沖代表は「互いのつらさや不安に寄り添う仲間でありたい。変えられない家庭環境に卑屈になるのでなく、より生きやすくなるためのヒントを得られる場にしたい」と意気込む。

 第1回の集いは12月15日午後1~4時、富士市内で。沖代表が会発足の経緯と活動内容を紹介した後、数人に分かれてフリートークなどを行う。参加費500円。対象はきょうだい当事者に限る。希望者は同月12日までに、同会のメールアドレス<shizuoka.kyodai@gmail.com>に名前と連絡先を送る。

 ■不登校や愛着障害も
 大人と子どもそれぞれのきょうだいを対象にした交流会を開いている浜松市社会福祉事業団の伊藤智恵子事務局次長(保健師)は「きょうだいは知らず知らずのうちに、いい子でいなければと気を張りがち。不登校や愛着障害の症状が表れるケースも少なくない」と指摘する。障害児の治療や療育に掛かりきりにならざるを得ない親の側から、「きょうだいに手を掛けてあげられない。どう配慮したらいいか」と相談も絶えないという。
 伊藤事務局次長は静岡きょうだい会の設立に「感じてきたこと、親にしてほしかったことを、若い親たちにぜひ伝えてほしい」と期待。次の世代の育児に役立つ好循環につながればとしている。

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