地域防災力向上に「話し合いの作法」も 浜松の女性が講座

 「より良い話し合いの場作り(ファシリテーション)」の知識と技術を広めることを通して、地域の防災力アップに取り組む女性がいる。NPO法人日本ファシリテーション協会(FAJ)災害復興支援グループに所属する鈴木まり子さん(58)=浜松市東区=。大規模災害の被災地で会議や会合を支援してきた経験を踏まえ、「災害時、意見の対立は避けられない。水や食料と同じように、“話し合いの仕方”も備えて」と呼び掛ける。

災害時にも活用できる効果的な話し合いの進め方を紹介する鈴木まり子さん(中央)=8月中旬、静岡市駿河区役所
災害時にも活用できる効果的な話し合いの進め方を紹介する鈴木まり子さん(中央)=8月中旬、静岡市駿河区役所

 「人は距離が離れるほど『べき論』を語り、近づくと本音を話します」。8月中旬、静岡市駿河区などが主催の「するが防災女子講座」。鈴木さんが、話し合いに適した椅子や机の配置について説明した。約40人の参加者が実際に「扇形」や「サークル型」に配置を変え、意見の出しやすさなどを体感した。
 話し合いの進行役「ファシリテーター」を職業とする鈴木さん。東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨の被災地での支援をFAJの仲間と継続している。コミュニティーの再構築に向けた住民の話し合いや支援機関同士の会合などが効果的に行われるよう自ら進行したり、「ファシリテーション」の活用法を伝えたりしている。県内では地元の浜松市の自治会などを中心に、「話し合いの進め方講座」を開く。
 するが防災女子講座では、話し合いのコツとして、最初に「目標(成果のイメージ)」を共有する▽意見はまず受け止める▽話し合う人数を柔軟に変化させる―などを紹介した。アイデアや意見は「見える化」する必要性も強調し、参加者は話し合いをしながら段ボールに意見を書き出す練習もした。
 災害時は避難所の運営方法などをはじめ、住民同士や行政との間で意見の対立、すれ違いが起きやすい。鈴木さんは「話し合いの作法は災害時に必須。普段から地域やサークルの活動、家庭で取り入れれば、効果的な話し合いができる」と平時から活用を勧める。

 <メモ>ファシリテーション 話し合いや会議で、出席者が相互理解やアイデアの創出、課題解決を容易にできるよう支援することを指す。「ファシリテーター」は、出席者の意欲を引き出しながら、話し合いの良い雰囲気をつくる進行役。ファシリテーションの効果について、鈴木まり子さんは「出席者の当事者意識が高まったり、相互作用が起きて良いアイデアが出たりする」と解説する。

いい茶0
メールマガジンを受信する >