白ビワの葉、広がる活用 伊豆の特産物を「茶」や雑貨に
(2018/5/19 11:00)-
伊豆市の初夏の味覚として知られ、希少性から「幻のビワ」と呼ばれる白ビワの葉の活用が進んでいる。同市のエステサロン経営、新田はるみさん(42)を中心に、廃棄されてきた白ビワの葉を生産者から買い取り、障害者や主婦に有償で葉の加工を発注。食品や雑貨の開発につなげる仕組みが広がりつつある。
同市の就労継続支援B型事業所「プラム」で4月下旬、「白ビワ茶」の原料となる葉の加工作業が行われた。10~50代の利用者と職員計8人がブラシでこすり、葉の裏側の毛を取り除いた。
淡いあめ色で、ほんのり甘い白ビワ茶を開発したのは、旧土肥町出身の新田さん。白ビワは中国南部原産とされ、他のビワに比べて果肉が白く、多汁で糖度が高いのが特徴。旧土肥町は「黄金のいで湯とびわの郷」をキャッチフレーズとしていたように、かつては町を代表する特産物だったが傷みやすく、市場流通は少ない。生産者の高齢化、鳥獣被害、老木化などにより、生産も衰退している。
新田さんは、かつて古里を彩っていた白ビワの木が徐々に荒廃する様子をさみしく感じていた。「このままでは白ビワが本当に幻の存在になってしまう」。5年前、起業セミナー受講をきっかけに、古くから薬効があるとされる葉を活用した茶やせっけんを開発。白ビワの枝切り作業ボランティアの対価として温泉入浴などを楽しめる体験型観光「ボランツーリズム」も続ける。
「プラム」には新田さんが昨年から2カ月に一度、作業を依頼してきた。「土肥らしい商品」と売れ行きが伸び、同事業所や内職の主婦だけでは手が回らず、今春から他施設への委託も始めた。
地元の旅館が新田さんに化粧品開発の相談をしたり、食品業者が新田さんから白ビワの葉を仕入れて新商品を考案したりと、他業者による葉の活用も始まっている。
葉への関心の高まりもあり、樹木の所有者でつくる「土肥枇杷(びわ)研究会」も今夏から、新たな木の基礎となる台木づくりに本腰を入れる。永岡正人会長(68)は「白ビワを次世代につなぐのは使命」と意気込む。新田さんも「白ビワを縁に多くの人がつながり、新たなビジネスが生まれれば」と願う。
こち女ニュース
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