保育士確保へ福利厚生充実 「働きやすさ」をアピール

 静岡県内の自治体や保育園が、保育士の福利厚生制度充実に力を入れている。保育士不足が続く中、家賃補助や整体サービスなど、多様な取り組みを通して人材確保を狙う。

整体師から施術を受ける保育士=8月、掛川市のかけがわのぞみ保育園
整体師から施術を受ける保育士=8月、掛川市のかけがわのぞみ保育園

 森町は2017年度、保育士の家賃補助導入に踏み切った。町内に2園ある私立保育園で働く新規採用5年以内の保育士のために、園が宿舎を借り上げる場合、家賃の4分の3を補助する。上限は月6万円で、本年度の対象者は2人。うち1人が勤める摩耶保育園の水谷尚禎園長は「できれば保育士養成校新卒者を2、3人採用したいが、若者は都市部に憧れるのか、ここ数年は1人がやっと。家賃補助で採用に弾みが付くのではないか」と町の支援を歓迎する。
 静岡市も本年度、私立保育施設が新規採用保育士の宿舎を借り上げる場合、家賃の4分の3を補助する。上限は月8万2000円。新卒者か県外からの転入者が対象で、各園に申請を促している。
 ユニークな福利厚生を独自に取り入れた園もある。掛川市のかけがわのぞみ保育園は15年の開園当初から、園児の昼寝時間を使って整体サービスを実施。全職員が月に1回、出張整体師による施術を受けている。保育士の鈴木敦子さん(38)は「子どもを抱っこしたり、机を運んだりする機会が多いので腰痛に悩むことがあったが、最近は悪化したことがない」と喜ぶ。西田奈緒美施設長は「長く勤めてもらうためにも、働きやすい職場づくりが大切」と強調する。
 県内で事業所内保育所3カ所を運営するポピンズ(本社・東京都)は海外研修制度を持つ。乳幼児教育関係者全般を対象に開催している米国スタンフォード大などでの研修ツアーに、選抜社員を社費で参加させている。
 静岡労働局によると、県内の有効求人倍率1・55倍(8月)に対し、保育士の同倍率は2・93倍と大幅に上回っている。県と静岡市が設置している保育士・保育所支援センターの就職相談会担当者は「最近は育児休業取得者の人数や有給休暇日数をアピールする保育施設が増えた。給与だけでなく、働きやすさを分かりやすく示そうと意識が変わりつつある」と話す。

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